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一瞬の流行に賭けるか、永続の価値を築くか~透明資産が育む「ブランドという資産」の本質5つの視点~

SPECIAL

透明資産コンサルタント

株式会社ホスピタソン

代表取締役 

社内に「感じいい空気」を意図してつくりだし、業績を躍進させる「透明資産経営」指導のコンサルタント。大学卒業後、1993年キリンビールに入社。東名阪で飲食店向け営業を担当し、延べ2千店以上へ課題解決提案を実践。在籍17年間で社長賞を4度受賞、同社最速で部長昇格。新聞・雑誌・TV・ラジオでも多数取材される。
 2011年12月、株式会社ホスピタソンを設立、代表取締役に就任。「世界中の企業に透明資産を」というビジョンを掲げ、企業の「空気感」をおカネに変える専門家として活動中。

一瞬の流行に賭けるか、永続の価値を築くか~透明資産が育む「ブランドという資産」の本質5つの視点~

 

一瞬の流行に賭けるか、永続の価値を築くか~透明資産が育む「ブランドという資産」の本質5つの視点~

こんにちは!企業の空気をおカネに変える専門家、透明資産コンサルタントの勝田耕司です。

目まぐるしく変化する市場の中で、次々と現れる“流行の波”──。新しいサービス、SNSで話題のコンテンツ、バズる商品。その一つひとつに対して企業は反応し、飛びつき、売上や話題性の最大化を目指します。しかし、それらは果たして「企業の資産」と呼べるでしょうか?

私が提唱する透明資産とは、「空気感」という見えない価値を意図的に設計・運用し、顧客との絆、社員同士の信頼、独自性、そして持続的成長を可能にする経営の仕組みです。この透明資産は、5つの構造で構成されており、中でも中心的な要素となるのが「ブランド」という目に見えない資産。これは一朝一夕でつくれるものではありません。瞬間の光ではなく、永続の輝きです。

今回は、流行(トレンド)とブランドの本質的な違いを5つの視点で掘り下げながら、「オンリーワン」として選ばれるために企業が取り組むべき“空気の設計”について解説していきます。

<視点1>時間軸──「瞬間」の流行と、「継続」のブランド

流行は花火のように華やかに打ち上がり、一瞬で消えていきます。SNSのタイムラインで注目を集め、テレビで取り上げられた商品が爆発的に売れる。しかし翌月には、その名前すら忘れられている──そんな例は枚挙にいとまがありません。一方、ブランドとは年月を重ねる中で信頼と記憶を蓄積していくもの。老舗企業や地域に根差した店が、派手な広告をせずとも選ばれ続けるのは、時間をかけて築かれた「空気感」が顧客の中に根付いているからです。北極星のようにいつもそこにある、そんな存在感がブランドなのです。

<視点2>顧客との関係性──「話題性」か「共感」か

トレンドに基づいた商品は、顧客の表層的な関心を集めます。バズった、かわいい、今っぽい──それだけで売れることもある。しかしその関係性は浅く、次の流行に心変わりされる運命にあります。ブランドが築くのは「共感」です。理念、物語、スタンスに共鳴した顧客は、そのブランドを「所有すること」で自分の価値観を表現します。もはやモノではなく、スタイルや生き方の一部なのです。こうした顧客は、熱心なリピーターとなり、時に他者に語りたくなるアンバサダーへと育っていきます。共感という空気を媒介とした信頼こそが、透明資産の本質的な価値です。

<視点3>価値の源泉──「外部模倣」か「内発創造」か

流行とは“他者の反応”で決まるものです。市場やSNSの空気に敏感に反応し、他社と似た商品が一気に増えるのが通例。しかし、そこで戦われるのは「誰が一番早いか」「誰が一番安いか」という消耗戦です。ブランドの源泉は、外ではなく内にあります。創業の理念、職人のこだわり、長年培った社内文化──こうした“内なる源泉”からしか生まれない価値がある。それは模倣されないどころか、表面的には再現すらされません。企業独自の文化が、透明資産として商品・サービスに滲み出てくる。これがオンリーワンの所以です。

<視点4>経営戦略──「効率の最大化」か「文化の醸成」か

トレンド重視の戦略は、速さとスケールを求めます。短期のヒットを狙うために製造工程は簡素化され、マーケティングは目を引く表現に偏りがち。だが、その裏側で、社員の納得感や誇りは失われていきます。一方、ブランド志向の経営は「文化」を育てる営みです。企業としてどんな未来を目指すのか。その中で社員一人ひとりがどんな存在であるべきか。その対話と浸透にこそ力を注ぎます。たとえ非効率に見えても、「私たちはこうありたい」という想いが全員に共有されていれば、それが顧客の心に確実に届きます。ブランドの裏側には、文化の土壌があるのです。

<視点5>市場での位置づけ──「No.1」より「Only One」

トレンドに乗った商品は、時にNo.1を取るかもしれません。しかしその座は一時的で、競合の参入で崩されやすく、価格競争の泥沼に陥ることもあります。対して、ブランドは“比較されない”存在です。他と比べようがない独自性を持っているから、顧客は“代替できない価値”として選び続ける。ここに透明資産としての「空気感」が働いています。価格ではなく「共鳴」で選ばれる存在。それこそがOnly Oneであり、唯一無二のポジションを築く企業なのです。

<まとめ>「ブランド」は、企業にとって最大の透明資産

時代の空気に乗ることも、戦略としては重要かもしれません。しかし、すべての経営者が一度立ち止まって考えてほしいのです。

――自社の商品やサービスは、一時の光を放つだけの“流行”で終わっていないか?
――自分たちの哲学や文化を、顧客の心に“ブランド”として根づかせられているか?

透明資産経営とは、表面的な仕掛けではなく、深層にある空気を設計し、浸透させる取り組みです。その結果としてブランドが形成され、社員の誇りと顧客の共感が積み重なり、他に代えの効かない存在へと育っていきます。ブランドは、ただの装飾ではなく、「企業の魂」をかたちにしたもの。透明資産の集大成として、経営に永続性と繁栄をもたらす最強の資産なのです。

 

――勝田耕司

 

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