知ったかぶりをする経営者に大きな仕事はできない
落語に「転失気(てんしき)」という題名の噺があります。簡単に話の内容をお話しすると、こうです。
お寺の和尚さんのところに、お医者さんが往診に来てこう聞きました。「和尚、転失気はありますか?」
和尚さん、転失気という言葉を知りませんでしたが、知ったかぶりをして「ありませんなあ」と答えます。
お医者さんは「それはいけません。薬を調合しておきましょう」と言って帰っていきました。
さて和尚さん、転失気が何か気になって仕方ありません。小僧の珍念さんを呼んで「転失気を知っておろうな?」と聞いても、珍念さん知りません。
「和尚自身は知っているが、そういうことは自分で調べなさい」と言って、近所から転失気を借りてくるよう命じます。ところが、近所の人たちも転失気を知りません。人に貸してしまったとか、御御御付けに入れて食べてしまったとか。
ようやく、お医者さんのところで転失気の本当の意味を知った珍念さん、悪知恵を働かせて、和尚に「転失気とは酒杯のこと」だと嘘をつきます。その後、知ったかぶりをした和尚に恥ずかしい事態が起きてしまいます…。
というわけで、転失気とは「おなら(屁)」のことです。
この噺には教訓が込められています。単なる笑い話だけではありません。知ったかぶりをするのは、後で恥ずかしい思いをするだけでなく、信用を失うことだってあります。教えている方は、知ったかぶりをしていることがわかるからです。
加えて、本当の学びの機会を失うことにもなります。「そんなこと知っている」と大上段に構えてしまえば、そういう人に限って、その構えを崩すことができないからです。「実は知りませんでした。改めて教えてください」とは言えないでしょう。
本当の意味で優秀な経営者の方は、決して知ったかぶりをすることはありません。逆に、知らないことは「知りません」と言いますし「教えてください」と言います。この謙虚さが周りの人を動かすのです。
この噺の登場人物を、このように置き換えてみてください。和尚さんを社長、珍念さんを社員、お医者さんをコンサルタント。
どうでしょう、笑い話が身に詰まされる話に変化しませんか?
確かに、何十人、何百人という社員を雇って会社を経営している経営者の方は立派です。ご苦労も多いことでしょう。経営の実務の上では「中小企業の経営者ほど、経営を分かっている人はいない」といいます。その通りだと思います。
しかし一方、ショールーム営業のリテラシーは、それほど高くないはずです。そうでなければ、当社のセミナーに参加することはないでしょうし、ましてやコンサルティングを受けることはありません。
そうであれば、知らないことは「知らない」「教えてください」と言えばいいだけのことです。それが言えないようであれば、学びの場を自分から放棄しているようなもので、ショールーム営業のノウハウも身につかないでしょう。
このような経営者の方は、方々でよく勉強している方が多いように思います。有名な経営者やコンサルタントが主宰する経営塾に入塾していたり、MBAや中小企業診断士のような公的な資格を持っていたりする方もいます。
それはいいのですが、そのような勉強をしているがゆえに、知ったかぶりをする傾向にあります。知識や理論では経営はできません。皆さん、そんなこと百も承知のはずですが、理論を学ぶと、それをひけらかしたくなるのです。
「理論を学びたければビジネススクールへ行け」。当社がセミナーの冒頭でお話しすることです。
理論だけではダメです。経験だけでもダメです。理論に裏打ちされた経験が必要です。当社は、そのコンテンツをセミナーやコンサルティングでご提供しています。
皆さんには、理論で小さくまとまるのではなく、学ぶ姿勢を大切にして、大きく羽ばたいていただきたいと考えています。
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