最適なコンサルティングを今すぐ活用する!

利益至上主義に陥っていないか

SPECIAL

プロジェクトメンター(第三者俯瞰支援)の導入を伴うプロジェクト管理の仕組みづくりコンサルタント

株式会社プロジェクトメンターコンサルティング

代表取締役 

プロジェクトメンター(第三者俯瞰支援)の導入を伴うプロジェクト管理の仕組みづくりの専門家。大企業において情報制御システム及び量産製品の設計・開発に携わり、SE及びPMとして約25年にわたりプロジェクト運営・管理を経験。
システムは列車の運行管理、河川管理、ダム制御、衛星画像データ処理、医療分野、セキュリティ分野等幅広く、官公庁案件から民間案件まで性格の違う数々のプロジェクトを成功に導く。関わったプロジェクトは300以上。

 目の前のプロジェクトを成功させようとするために、メンバにたくさんのタスク消化を要求し、過度な残業も課した結果、期限内にプロジェクトを終えることができた。コストも予算内に収まった。しかし、プロジェクト終了時点でのメンバの消耗は激しく、二度とこの様な仕事は御免だと組織を離れる、または精神的に参ってしまう者が出た。この様なプロジェクトは成功と言えるのでしょうか。

 元プロ野球選手で2軍監督として指導者も務めた桑田真澄氏は、その指導法が球団の方針と相容れなかったのか残念ながら退団することになりましたが、早大大学院でスポーツ科学を学んで身につけたその指導哲学は、勝利至上主義から脱却し人材育成主義への意識改革でした。

 野球に限らず、日本のスポーツ界では練習量の多さが誇らしく語られてきました。勝つためには精神力の鍛錬が必要で、そのためには厳しい練習に耐えなければならないということです。

 しかし、現在のスポーツ科学では、上手くなるためには休養と睡眠が大切だと言われ始めています。鍛えた筋肉は休養することによって強くなり、身につけた技術は寝ている間に脳や神経に定着するのだそうです。

 目の前の勝利を追い求めるあまり、無理をし過ぎて体を壊し、本来なら長く活躍できたところが短命で終わってしまった、その様なスポーツ選手は、思い起こせばいくらでも挙げられるのではないでしょうか。

 さて、これを複数のプロジェクトを走らせている組織、企業に置き換えたらどうでしょう。同じことが言えるのではないでしょうか。

 目の前のプロジェクトを成功させようとしてメンバに過度な負荷を掛け、プロジェクト終了した時にはメンバが心身に不調を感じてしまっている。かつてプロジェクトの成功として重視されたQDC(Quality; 品質、Delivery; 納期、Cost; コスト)は、現在はSQDCとしてS(Safety; 安全)が最優先事項として加えられています。その指標から見ると、メンバが心身に不調を来した様なプロジェクトは、例えその他の指標を満足しても成功と言えるものではありません。

 メンバを犠牲にして利益を上げることができた1つのプロジェクトより、メンバの健康を維持することによって得られる多数のプロジェクトの成功の方が、長期的には組織にとって有益であり、最終的にはプロジェクトの成功率を高めることになるのです。

 この長期的な視野に立って目の前のプロジェクトを見守れている管理者、経営者がどのくらいいるでしょうか。

 あなたの組織、企業にとって命運を賭けた十年、二十年に一度の大プロジェクトで、ここで全力を使い切らずにいつやるんだ、というような大きな仕事であれば、多少の無理を強いる状況が生まれるのも致し方ないことです。しかし、そうではない、数多くあるプロジェクトの中の一つで、ある管理者や経営者の私心、都合、メンツといった様な理由でメンバに負荷を掛けているとするなら。。。

 あなたの組織、企業では、短期的な利益至上主義に陥って長期的なプロジェクト成功率向上を犠牲にしていないでしょうか。この機会に振り返ってみませんか。

 

関連提言:メンバの幸せを考えているか

コラムの更新をお知らせします!

コラムはいかがでしたか? 下記よりメールアドレスをご登録いただくと、更新時にご案内をお届けします(解除は随時可能です)。ぜひ、ご登録ください。