透明資産経営|なぜ、これは私の仕事ではない。が飛び交う会社は隙間から崩れるのか?
こんにちは!企業の空気をおカネに変える専門家、透明資産コンサルタントの勝田耕司です。透明資産とは、業績に影響する「空気感」を意図的に設計し運用する仕組みのこと。透明資産を取り入れた透明資産経営は、お客様との絆が深まり、従業同士の信頼関係が築きあげられ、商品・サービスの独自性が強化されます。そして、持続的成長につながる経営の仕組です。
ー誰の担当でもない、その仕事を、誰か、拾っているでしょうか
思い浮かべてみてください。あなたの会社の、仕事と仕事の、隙間に、ぽつんと、落ちている仕事を。
はっきりと、誰の担当とも、決まっていない、細々とした仕事。部署と部署の、あいだに、こぼれ落ちた用件。急に、発生した、想定外の対応。──こうした、「誰の仕事でもない」仕事を、あなたの会社の社員は、進んで、拾っているでしょうか。それとも、「それは、私の仕事ではありません」「うちの部署の、担当ではない」と、押しつけ合い、放置しているでしょうか。
もし、「これは、私の仕事ではない」という言葉が、社内に、飛び交っているとしたら、少し、注意が必要です。一つひとつは、細かな、隙間の仕事かもしれません。けれど、その隙間の仕事が、誰にも拾われず、こぼれ落ち続けると、会社は、その隙間から、静かに、崩れ始めるのです。この、線引きが招く崩壊こそ、今日、お話ししたいことです。
ー「自分の仕事」に線を引く空気は、隙間だらけの組織をつくる
なぜ、「これは私の仕事ではない」が、会社を、崩すのか。
ここに、この連載だからこそお伝えしたい、仕事の本質があります。会社の仕事は、きれいに、一人ひとりの担当に、分けきれるものではなく、必ず、担当と担当の、あいだに、隙間が、生まれる、ということです。そして、その隙間を、誰が、拾うかで、会社の質が、決まるのです。
考えてみてください。どれほど、役割分担を、細かく決めても、仕事には、必ず、想定外のことや、担当のはっきりしない、こぼれ落ちる部分が、生まれます。お客様の用件が、複数の部署に、またがる。誰の担当か、微妙な仕事が、発生する。──このとき、社員が、「自分の仕事は、ここまで」と、線を引き、隙間の仕事を、拾わなければ、その仕事は、放置されます。放置された隙間の仕事は、やがて、お客様への、対応漏れや、トラブルとなって、表面化する。会社は、この、こぼれ落ちた隙間から、崩れていくのです。
普通の経営者なら、「役割分担を、もっと明確にすれば、隙間は、なくなる」と考えるでしょう。しかし、透明資産の視点では、いくら分担を、細かくしても、隙間は、必ず、残ります。大切なのは、隙間をなくすことではなく、隙間の仕事を、進んで拾う空気が、あるかどうかです。「これは、みんなの会社だ。困っている仕事は、拾おう」という空気があれば、隙間は、自然と、埋まる。逆に、「自分の仕事だけ、やればいい」という、線引きの空気があれば、隙間は、放置され続ける。「これは私の仕事ではない」が飛び交う会社が崩れるのは、線引きの空気が、組織を、隙間だらけに、してしまうからなのです。
ー線引きの空気が、生む、3つのほころび
「これは私の仕事ではない」という線引きの空気は、組織に、どんなほころびを生むのか。三つお伝えします。
ひとつ目のほころびは、「お客様の、たらい回し」です。お客様の用件が、担当のはっきりしないものだと、社員は、「うちの担当ではない」と、押しつけ合います。お客様は、部署から部署へ、たらい回しにされ、うんざりする。線引きの空気が、お客様を、置き去りにするのです。
ふたつ目のほころびは、「放置される、問題」です。誰の担当でもない、隙間の問題は、誰にも、拾われず、放置されます。小さな問題が、放置されたまま、大きくなり、やがて、深刻なトラブルに、なる。線引きの空気が、問題の、放置を、招くのです。
みっつ目のほころびは、「助け合いの、消失」です。「自分の仕事だけ」という空気の中では、困っている同僚を、助ける、という発想が、失われます。「それは、あの人の仕事だから」と。組織が、互いに、線を引いた、冷たい集まりに、なっていくのです。
ー隙間を埋めるのは、「みんなの会社」という空気
会社が、隙間から崩れるか、隙間を埋められるかを分けるのは、役割分担の明確さではなく、隙間の仕事を、進んで拾う、「みんなの会社」という空気があるかどうかです。
誰の担当でもない仕事を、進んで、拾う空気があるか。「自分の仕事は、ここまで」という線引きではなく、「困っている仕事は、みんなで」という空気があるか。「これは私の仕事ではない」が飛び交うのは、線引きの空気が、組織を、隙間だらけにしているサインです。「みんなの会社」という空気を育ててはじめて、隙間は、自然と、埋まっていきます。
ー隙間を拾う人を、見つけ、称える
では、経営者は、何を変えればいいのか。役割分担を、さらに細かくすることではありません。隙間を、進んで拾う空気を、つくることです。
まず、社長自身が、隙間の仕事を、進んで、拾う姿を、見せる。「誰の担当でもないなら、私がやろう」と。上が、線を引かなければ、下も、引かなくなります。次に、隙間の仕事を、進んで拾った社員を、見つけ、はっきりと、称える。「よく、拾ってくれた」と。隙間を埋める行動を、評価する。そして、「これは、みんなの会社だ」という意識を、日頃から、共有する。──こうして隙間を拾う空気を育て始めたあなたは、組織を、隙間だらけの、崩れやすいものから、隙間の埋まった、堅牢なものへと、変え始めているのです。
ーあなたの会社の隙間は、誰かが、拾っているでしょうか
最後に、お伝えしたいことがあります。会社が、隙間から崩れるか、堅牢でいられるかは、役割分担の精緻さではなく、誰の担当でもない仕事を、進んで拾う空気が、あるかどうかで、決まるということです。
思い浮かべてみてください。あなたの会社で、誰の担当でもない、隙間の仕事は、進んで、拾われているでしょうか。それとも、「これは、私の仕事ではない」と、押しつけ合い、放置されていないでしょうか。もし、後者かもしれないと感じたなら、それは、崩れの、静かな予兆です。
このコラムを読み終えたあなたは、次に「これは私の仕事ではない」という言葉を聞いたその瞬間、これまでとは違う危機感を、抱くはずです。この線引きが、会社を、崩していく、と。そして、自ら隙間を拾い、拾う人を称える自分の姿が、もう浮かんでいるのではないでしょうか。線を引くのではなく、隙間を拾う空気をつくる。それが、隙間からの崩壊を防ぐ、最も確実で、最も静かな一手なのです。
ー勝田耕司
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