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衰退組織は営業マンの自信に頼る 成長組織は営業の仕組みの改善に拘る

  組織の成長加速 木村英一 SPECIAL
木村英一 SPECIAL

組織の成長加速コンサルタント

株式会社グロースサポート 代表取締役 木村英一

組織の成長加速を促し、業績躍進を実現させる辣腕コンサルタント。これまで130社以上の企業において、経営者のコンサルティング、経営幹部、経営リーダーの育成に携わる。組織とリーダーの成長段階を知り尽くし、経営者と同じ目線で語ることのできる希有なコンサルタントとして活躍中。

「木村先生、2年目のSとKが、なかなか独り立ちできなくて、困っています。」営業部門を担当するO取締役からの相談でした。

以前、社長からご相談を受けた際に、気になる幹部の名前を挙げてもらいました。そのとき、社長の口から名前が挙がったのがO取締役。

O取締役は、元々技術者で、現在の主力製品の開発には関わった方。そんなO取締役の口癖は、「『自社の製品は最高である!』だから、顧客には正しい情報を、適切なタイミングで伝えばいい!」

そして、これは今年の営業研修でも連呼され、それが如何に正しいか、過去に自分が顧客を開拓した成功事例を引き合いに説明されたとのことでした。


確かに製品の品質はトップクラス、価格競争力も高い。小規模の改良を重ねて、コンスタントに売れる主力製品。いや、お化け商品。過去12年利益の8割を叩き出していました。ところが、この商品、入社5年目までは、ほとんど売れない。

一人で訪問できるまでに5年もの歳月が必要な理由は、広範囲にわたる技術的な知識が必須というもの。知識の習得に長い研修カリキュラムをこなすことになっていました。
・製品群基礎知識の習得
・工場見学、実習
・顧客の製品機能の理解
等々


7年前まで、この会社の営業部門採用は中途採用だけでした。理由は、知識の習得が難し過ぎるため。「ある程度技術知識の蓄積がないと、営業として役に立たない。」これは、いつしかこれは信仰にも近い、社内の不文律となっていきました。

同業界からの転職組は、確かに営業としての知識は十分でした。しかし、前職経験が足かせとなり、社内になじめず、辞めると構図が是正されず、担当者の頻繁な変更に対する顧客からのクレームが状態化していました。

そんな中、数名の退職者が会社に対する罵詈雑言をネット上で言いふらしたことで、中途採用の難易度が一気に上がり、この会社は、新卒採用に舵を切ったのでした。

手探りの新卒採用。そして、教育から7年立って、なんとか5年立てば独り立ちできることはわかりました。そして同時に、新卒の営業マン育成は、会社のキャッシュフローを大きく悪化させる要因になることも分かってきました。そのため、現在、新卒採用の規模が大幅に縮小、停止が検討されています。


先にも紹介したように、この会社では、「5年立たないと営業として独り立ちできない。」この言葉が、この会社の営業関係者は、新卒から担当のO取締役にとってマンダラのように何万遍も繰り返されていたのです。新入社員は5年間みっちり勉強することになんの疑いももっていません。

5年間、知識をつけていく過程で、もう一つ揺るぎない思い込みも作られていきました。それは、
「知識が十分ある」=「自信を持てる」=「だから売れる」
「知識が十分ない」=「自信が持てない」=「だから売れない」
でした。
「5年立たないと売れない」
なぜなら、
「自信がもてないから」
なぜなら、
「知識足りないから」
・・・
・・

この繰り返し。

その原因、過程は違えど、この会社のように営業マンの独り立ちを「営業マンの自信」が基準になっている組織は少なくありません。特に、前回ご紹介した「品質について過度の自信を持っている」企業にこの傾向が強い。(これが前回、「品質が暴走する」企業に起こる2つめの問題点です。)

先ほども書きましたが、営業の独り立ちを「営業マンの自信」を基準にすると、
収益へのマイナスインパクトが大きくなってしまいます。


業界は違いますが、面白い真逆の事例がありますのでご紹介しましょう。

「業界の常識として、一人で営業回れるようになるために5年かかる、と言われています。」とその企業の人事担当役員のYさんと最初にお会いした時のことを思い出します。

「5年もです?」と驚く私に。そんなことも知らないのとばかり私の目をのぞき込むYさん。そのYさんと、先日お会いした時の言葉は、隔世の感があります。

Yさん曰く「新卒2年目の平均売上げは3000万円を達成できました。これで2年連続の達成です」と、満足げのYさん。業界の常識では、この数字は、業界経験7-8年目の売上げと言われる規模だと続けて得意げです。

この平均売上げ3000万円をたった右も左も分からない、まだ学生色が残る新卒2年目の社員が達成できるようになったのには、もちろんワケがあります。
それは、「この営業はとても難易度が高い」業界関係者の常識を全否定するところから始まりました。

目指したのは「誰でも出来る仕組みを作る」こと。この宣言から、業界関係者が驚く実績を次々と生み出してもなお、この仕組みは今でも進化しています。


さて、御社の営業マンが独り立ちする基準は何でしょうか?
「営業マンが自信がつけば、、、」この言葉は「仕組みを改善する」という選択肢を潰してしまいます。
「営業マンの自信」こんな言葉を最近社内で、聞いていませんか?

 

経営者のための、「組織の成長加速法」
木村英一

組織の成長加速コンサルタント

株式会社グロースサポート代表取締役

木村英一

執筆者のWebサイトはこちら https://www.change-growth.jp/

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