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なぜ前年比を重視する店舗は伸びないのか

SPECIAL

社内独立店開コンサルタント

株式会社ストアブレインコンサルティング

代表取締役 

経営コンサルタント。アパレル、小売、飲食チェーン指導などに強みを持ち、店長再生から店舗最盛へとつなげていく独自の「社内独立店開」手法を指導する専門家。
自らは店舗を持たない「販売・運営」に特化した経営スタイルに、多くの異業種経営者、店長が注目。路面店から百貨店、都心型SC、郊外型ショッピングモール…など、多様なチャネルで成果を上げ、店舗の強みを引き出す天才と称されている。

「昨年より売上がこんなに伸びた!」

店舗ビジネスに限らず、様々な企業として売上が伸長するのは必要なことでもあり、非常にうれしいことでもあります。

ただ、手放しで喜んで、あとは何もしないのはちょっともったいないですね。(意外とそういうところは多いのです…)

前年比150%!

など前の年との比較で一喜一憂することが無駄とは言いません。しかしその調子だと継続した成長は見込めません。

おそらく次年度は高い確率で、伸びた売上と同じくらいの数字を落とすことになるでしょう。

私もそういう店舗をたくさん見てきました。

飲食、美容、アパレルなどさまざまな業種でこういうことが繰り返されています。

一瞬の花火のような売上を上げることで慢心、安心してしまい、この状況が永遠に続くのだ…と勘違いをしてしまう。

この結果は自分たちの頑張りや努力のおかげだ…と盲信してしまう。

そうならないためにも、その「成長の要因は何なのか?」をしっかりと分析をする必要があります。

店舗の成長性をあらゆる角度から観察、洞察し、その主たる要因をあぶり出すことで、効果的で再現性の高い施策をおこなうことができます。

あらゆる角度というのは、具体的には定量的、定性的な視点からの分析ということができます。

定量的な分析では、自社の数字はもとより、業界や競合他社の数字との比較も必要です。

自社は150%成長していることで安心しても、業界や他社は180%伸びているということであれば、自社のシェアは縮小していることになります。

要は業界の好況に引っ張られているだけなのに、自社の売上規模だけ見るような狭い視野だと、うちは上手くいっているんだ!と錯覚してしまいます。

自社の業界内シェアが縮小しているとは知らず、自社の力で伸ばしていると勘違いをし、今年も昨年と同じことをやってしまう。もしくは昨年より油断してだらけてしまう。

「あれ?今年はこれからかな?昨年もうまくいったから今年も大丈夫だろう…」

このままずるずるといくと間違いなく店はなくなります。

昨年と同じことをやって、ましてや油断して何もしなかったら売上が伸びるはずもないのです。

業界や他社の数字をしっかりと収集し、さらにそれを比較することで客観的な分析が可能となり、出てきた事実から新しい施策が生まれてくるのです。

一方で定性的な分析では、当たり前ですが数字に表れない部分の情報を集めなければなりません。

たとえば、店舗のスタッフによる接客や提供するサービスの専門的な技術がどの程度なのか、しっかりと言語化する。

この場合ももちろん、他社の状況も知る必要があります。

そして自社の過去との差、他社との差を客観的に知り、業務の改善に生かしていく。

定量的、定性的な分析はつながっています。

バラバラに見るのではなく、数字を見てあたりを付け、どういう行動がこの結果に結びつくのか。それを一つ一つ繋げていくことで全体の形がはっきりしてきます。

数字は単なる結果であり、そこに意味を見出すには定性的な行動を細部まで知ることが肝心です。

他方、分析のための分析をやっている人も多く見受けられます。いわゆる分析馬鹿ですね。いろんな細かいデータを出してきますが、「だから何?」と言われてしまうのがオチです。

分析の目的は現状を正確に把握し、問題点を浮かび上がらせ、業績を伸ばすための施策を導き出すことです。

その目的を見失わないようにしましょう。

成長性は特に伸びているときもそうですが、落ちているときの方が緊急かつ重要となります。

いずれにしても、まず自社が伸びているのかどうか、そしてその要因は何か、をしっかりと把握するようにしてください。

その事実が成長への足掛かりとなるのです。

会社は社長以上には成長しません。

店舗は店長以上には成長しません。

そして成長しない人の元では、スタッフも成長しないのです。

人の成長が会社の成長です。

同じように、人の強みが会社の強みとなります。

しっかりと強みを成長させるような分析を行い、実践につなげてください。

店舗最盛への道はそこからなのです。

 

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