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会社の仕組みは作ってからが本当のスタート

  成長支援部づくり 岩井徹朗 SPECIAL
岩井徹朗 SPECIAL

成長支援部づくりコンサルタント

ヒーズ株式会社 代表取締役 岩井徹朗

会社の大元となる「総務」を革新すれば、すべての事業部に影響を与え、顧客志向になり、驚くほど業績が伸びる。経営者が着手すべき、「成長支援部づくり」を指導。


会社の仕組みは作ってからが本当のスタート

4年間で年商50億円から66億円へ。一時期の売上低迷を脱し、社員の力を結集して、業績回復に結びつけられた経営者から、その秘訣をお聞きする機会がありました。

主にオフィス関連機器を取り扱っているその会社で着手されたのは、営業スタイルの変更です。従来は勘と経験と度胸に頼っていた営業を、社員がチームとして考え、行動する形に変えるべく、いろいろと工夫を重ねられました。

具体的には、営業プロセスを可視化することで、どこに課題があるのかが分かる仕組みを整え、事例を共有することで、同じ失敗をしないようにする体制を作り上げられたのです。

それぞれの仕組みも非常に緻密に作られているので、「なかなかそこまでは徹底できないなぁ」というものばかり。経営者はとてもにこやかにお話をされていたのですが、仕組みを定着されるにあたっては、いろいろとご苦労されたことも多かったのだと思います。

その営業の仕組み化自体にも驚いたのですが、私が一番びっくりしたのは、今でも、新入社員には半年間飛び込み営業をさせているということでした。

いわゆる飛び込み営業というのは、従来型の勘、経験、度胸に頼る営業スタイルです。ましてや、昨今は各社ともセキュリティが厳しくなっているので、アポなしで営業訪問しても、なかなか話は聞いてもらえません。けれども、その会社では、あえて非効率的な飛び込み営業を、営業で入社した社員に全員やらせているのです。

その主旨は、お客さんに会える、話を聞いてもらえる、契約が取れるというのは、そんなに簡単なものではないということを肌身で感じさせるためです。

おそらく、単に売上を上げることが目的であれば、既に出来上がった営業の仕組みの中に、すぐに新入社員を取り込んで、業務を回した方が早く結果は出ます。けれども、あえて厳しい環境に身を置くことで、業務の一つひとつの重みが腹に落ちることを狙って、仕組みの中に取り入れるのは半年後にしているという訳です。

BtoBのビジネスの場合、組織対組織の話になります。

担当者レベルでは感触が良くても、決裁者に書類が回ったとたんにNGが出ることもあります。また、たいていは競合他社との見積りになるので、いくら自社が良い提案をしても、結果的に契約が取れないこともあります。だからこそ、新規顧客開拓から提案を経て契約、そして、フォローアップに至るまで、一つひとつの業務を緻密にやらないと、失敗が次の改善にはつなげられません

ゼロから仕組みも作ることはたいへんですが、いったん作った仕組みをどう活かすかというのも簡単ではありません。

実際、あるクライアント先では、失敗事例の共有の仕組みを導入したものの、失敗した人を皆で批判する傾向が強く出るという弊害が出てきました。つまり、同じ失敗をしないようにするという失敗事例の共有化の目的が上手く機能しないという課題が出てきたのです。このため、今は報告フォーマットを一部修正して、本来の目的がより徹底するよう業務改善に取組んでおられます。

仕組みは作ってからが本当のスタート。

冒頭でご紹介した会社でも、社員がチームとして考え、行動するという目的を達成するために、営業プロセスを可視化する一方で、従来型の飛び込み営業を意図的に残しておられます。

各業務の目的をハッキリさせることを常に意識しつつ、より効果の上がる仕組みに発展させていきましょう。

 


【総務の革新】成長支援部づくりで業績を伸ばす経営視点
岩井徹朗

成長支援部づくりコンサルタント

ヒーズ株式会社代表取締役

岩井徹朗

執筆者のWebサイトはこちら http://www.basis01.com/

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