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拡販力を決めるのは「売れる言葉」

SPECIAL

波及営業コンサルタント

有限会社 日本アイ・オー・シー

代表取締役 

取引先のネームバリューで次々に新規開拓を実現する「波及営業戦略」を体系化した辣腕コンサルタント。特に技術系のメーカー企業や、特殊な加工、取り扱い品、異色サービスなどを手掛けている企業の販売戦略の再設計、大きく売れるようにする仕組みづくりに定評。

「商品の拡販において“言葉”の大切さが身に染みてわかるようになりました。でも、難しくてよいアイデアが出ません。何かセンスを身につける良い本はありませんかね?」

以前、弊社主催のセミナーを受講された方から頂いた質問です。

商品の販売力は、見せ方ひとつ、言葉一つで大きく変わります。

特に、拡販力は言葉が大事。

言葉が、独り歩きするくらいにならないと強い売上推進力は生まれてきません。

ここで言う言葉とは、商品を象徴するキャッチコピーでも良いですし、商品名でも構いません。

もちろん波及営業のキーとなる「インパクトユーザー」の名前でもOKです。

顧客が「ピクッ!」と反応するような「言葉」を強く刷り込みたいものです。

わたし自身、営業マン時代にも、雲行きの怪しい商談だったのに、ある言葉が相手の琴線に触れ一転して受注に結びついて経験は、一度や二度ではありませんでした。

デザインが悪い…と否定的な社長に対し、「美人は3日で飽きるけど、ブスは3日で慣れるといいます。要するに中身ですよね?」と、言った瞬間に商談が一転して注文をもらったり…

良い商品というのは分かったけど、まだ時期尚早なんじゃないかな? と言う社長に対し、「“いつか必要なら、今入れて競合他社を出し抜くのが、優れた経営者だ!”と、先日買ってもらった社長が言っていましたよ」と話した瞬間に、「そりゃそうだ!」とハンコを持ってくる商談があったり…

たったワンフレーズの言葉で、何百万円もする商品の売れる・売れないが決まったりしていました。

これは、私に限らず、営業マンなら誰にでも経験があるはずです。

また、営業マンでなくても、広告に使う「言葉」も同じです。

ホームページ上のキャッチコピーを変えたり、DMの見出しを変えたりするだけで、反応率に雲泥の差がついてしまうこともあります。

とあるDMのデザイン、キャッチコピーをそのままに、中見出しに使う言葉と

「業界最安値」から「価格破壊に挑戦!」と歌っただけで、反応率が3倍にも上がったり…

ホームページで、キャッチコピーだけを変更するテストでは、平気で売上が2倍、3倍になったりと、面白いほどの変化を見せるのが「言葉」の世界です。

また、こんな経験もしています。

13年前、日本アイ・オー・シーが広告会社だった頃に、サラリーマン時代にお世話になった「肉業界」の方から、狂牛病の対策キャンペーンを手伝って欲しい!と言われ、ポスターやチラシ製作などをお手伝いした時のことです。

当時、「狂牛病の牛が見つかった!」と、テレビで狂乱する牛が映し出され、人々の恐怖を煽っていました。

その影響で、牛肉業界の売上は致命的な売上減に見舞われていたのです。

ところが「正式名称は“BSE”である」とメディアが狂牛病という言葉を使わなくなった時から…事態が収束に向かっていきました。

メディアの情報量も影響していますが、「言葉」の重要性も間違いなく影響していました。

購買行動だけでなく、私たち人間のすべての行動は「言葉」に強く・強く影響をされています。

したがって、社内外の人を動かし、モノを動かす経営者や事業責任者は、言葉に対しての感度を高めることが、とても大事だと私は思っています。

特に、営業マンが人的能力に依存できにくい環境になればなるほど、その重要性は増してくるはずです。

ただ、冒頭のご質問に対して、「本を読んだり、研修などで訓練をしても、響く言葉を作れるようになるのか?」という問いは、なかなか一筋縄ではいきません。

その理由は、「こうすればできる!」という自分主体の能力ではないからです。

言葉というコミュニケーションツールは、客体があって初めて成り立ちます。

営業マンのトークでも、チラシやホームページ、広告の世界でも、「相手がどう受け取ったか?」にしか、真実はありません。

「何を言えば良いのか」ではなく、「どう受け取ったか?」が、全てです。

つまり「相手の感情を想像する能力」が売れる言葉を作るキモになるわけなのです。

しかし、この想像する能力は、たくさんのケースに触れ経験値を踏むしかないと、私は今のところ結論づけています。

したがって、もし訓練をするとしたら、「売れているコピーの商品を手帳にメモっておき、その商品の購入者がいたら、なぜ買ったのか?を聞きまくる」などなど、地道な蓄積によって、感性を磨くしかありません。

人見知りの方であれば、「なぜ買っているのか?」を空想し、その抽象的概念を自社商品に取り込んでみて、相手の反応がどう変わるのか?を経験値として詰むことも有効です。

ホームページであれば、その統計を簡単に取ることができます。

WEBの新聞や雑誌などは、1つの記事が何ページかに渡って書かれています。

あれは、興味・関心の離脱がどこでおきているか、を計測するのが一つの目的で、ページが別れているのです。

見出しだけ出しておき「詳しくはこちらをクリック」は、まさに反応率テスト。

どのような言葉が、人々の関心を引き付けるのか?

相手の感情の「仮説」を作り、検証しているのです。

この言葉は効いたかな?と。

以前、藤冨と一緒に社運をかけた事業を作るプロジェクトをご一緒した社長さんが「コピーライターになった気分だ」と話していました。

社運をかけた商品であれば、商品を作るのと同じくらいの労力をかけて「売れる言葉」を作るべきだと、私は思っているからです。

実際、大の大人が何人も揃って考えた言葉たちを載せたDMは、市場にしっかりと行き届き、満足の得られる結果を残しました。

言葉づくりは、こうすればこうなる!という即物的なノウハウがないだけに、地道な努力しか感性を磨く方法はありません。

相手あってのことだから、当然です。

しかし、努力は、絶対に裏切りません。

御社では、言葉の重要性を重んじて事業活動を営んでいますでしょうか?

 

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