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費用対効果の高い人財育成方法

SPECIAL

社内独立店開コンサルタント

株式会社ストアブレインコンサルティング

代表取締役 

経営コンサルタント。アパレル、小売、飲食チェーン指導などに強みを持ち、店長再生から店舗最盛へとつなげていく独自の「社内独立店開」手法を指導する専門家。
自らは店舗を持たない「販売・運営」に特化した経営スタイルに、多くの異業種経営者、店長が注目。路面店から百貨店、都心型SC、郊外型ショッピングモール…など、多様なチャネルで成果を上げ、店舗の強みを引き出す天才と称されている。

店舗ビジネスに限りませんが、人財の成長に欠かせないのが「本」を読むことです。その「本」には様々なジャンルがあります。ここでいう本とは、漫画や雑誌を除いた、主に活字で構成された書籍を指します。

当コラムでは、「成功する読書術」のような巷にある怪しげな本の読み方をレクチャーする気はまったくありません。また、自分の読み方を押し付けようとも思いません。本の読み方は人それぞれでいいと思っています。もっと言うと、無目的に読んでもいいと思っています。

本を読んでアウトプットしないと意味がないとか、まず自分の目的に合った本を探し、必要な部分だけを読んでそれを確実に実行すればよい、だいたい全部読む必要はないとか、ベストセラーは読む必要がないとか、はっきりいって余計なお世話に過ぎません。好きなもの、興味があるものをまず読めばいいのです。もちろん、内容のないぽっと出の著者や、同じような内容の本を短期間に何冊も出すような人の本はお勧めできませんが…

小説でもビジネス書でも、自分が好きなもの、興味のある物から入り、そこから自分なりの効果的な読書方法をつくりあげていくことが一番自分に合う読書術となります。

いわゆる成功した人たちが、その成功要因の一側面として、自身の読書術なるものを披露されています。それが全く無意味だというつもりはありません。しかし、その人だから効果があった方法を、赤の他人がやって、はたして上手くいくのでしょうか。そういうものに影響される人に限って、普段はほとんど本を読まない人たちだと私は経験的に感じています。表面的なノウハウから入ると、本質を見失います。これはすべてに通じることです。

とはいえ本を読む人はまだマシな方で、日本人全体では、全く本を読まない人が47%もいるそうです(16歳以上、文化庁、2014年)。本がすべてではありませんが、これは少々心配になる数字です。ちなみに大学生ですら、53%が全く本を読んでいません。(大学生協、2017年)。

基本的に人は、自分自身の持つ「言葉」と経験や学習を言葉でつないだ「知識」をもとにようやく「考える」ことができます。つまり言葉や知識がなければ何も考えることができないのです。その意味では、読書は言葉を知り、知識を増やす最適な方法の一つです。ですから最初は多読乱読でも構わないのです。大した知識もなく言葉も知らないのに、最初からすぐに役に立つようなものばかり読んでも薄っぺらい人間にしかなりません。自分のアタマで考えるためには、量を読むことも必要なのです。

「いや、私は全く本を読まないが、事業を成功させた」「本なんか読むのは時間の無駄。それよりも現場での実践が大事」という意見も当然出てきます。確かに現場での経験は自身の実力をつけるには必須です。現場を知らないくせに本で読んだ知識ばかり披露しても、何の成果も出せないでしょう。

しかしながら、自身の経験だけだと恐ろしく視野が狭まります。使う言葉の種類もある程度から増えません。会う人も限られ、アドバイスも効かなくなってきます。そしてそこが自分のとっての快適な場所となり、成長は止まります。単にその業界で長期間やっていただけなのに、自分のことをプロフェッショナルだと思いこんでしまいます。最悪、その店以外ではまったく使い物にならなくなってしまうのです。誤解を恐れずに言えば、本など全く読まず成功したという人は運が良かっただけでしょう。

本がすべてを解決するとは思いませんが、手軽な金額で、様々な知見を得ることができます。外の世界を知るきっかけともなります。前述したように、言葉や知識も手に入ります。多読することで、質の悪い本がわかるようになります。その意味では無駄な読書は一つもないと言っていいでしょう。

経営者の皆さんはすでに多くの本を読んでいらっしゃると思います。それをぜひ店長やスタッフにも習慣化させてください。残念ながら、店舗現場の人財は自分から本を読むことが少ないのが実情です。経営者として、スタッフに自発的な読書を促すのも重要な仕事の一つです。それが組織全体に浸透すると、会社の成長が驚くほど加速していくのが間違いなく実感できます。

 

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