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社運をかけた開発の引き際とは?

  商品開発 四谷剛毅 SPECIAL
四谷剛毅 SPECIAL

商品開発コンサルティング

株式会社シンプルテックプラン 代表取締役 四谷剛毅

商品開発コンサルタント。特に開発部門を持たずに売れる商品開発を実現する、独自の「デベロップレス」体制づくりに定評。いま全国の中小メーカー企業の業績躍進の新手法として、多くの企業から指導依頼が集まる注目のコンサルタント。

当コンサルタント開催セミナーがあります。


先週、某大手メーカーが長年続けてきた開発を終了するという報道がありました。実際には、技術開発自体は、継続するということのようですが、今週は、この開発において最も悩ましい撤退判断をすべき時期について書いてみたいと思います。

直近では、民間ロケットの打ち上げや国産ジェット旅客機の開発、記憶に新しいところでは、月探査レースや小惑星探査の初代はやぶさなど、開発では、思うように進まないことが、たびたび起こります。

開発である以上、未知の要素が必ずあるのですから、当然と言えば当然のことです。すべてを前もって予測することは難しく、想定外のことが起こります。むしろ、こうして降りかかる難題の解決こそが、開発の醍醐味とも言えます。

わかり易いように、誰もが知っているビックプロジェクトを引き合いに出しましたが、このことは、大小に関わらず、開発である以上は、避けて通れないことです。

問題は、この想定外の事態に直面したときに、どう対処するか?ということです。

大きな壁にぶつかった時、特に、2度、3度と延長を繰り返し、開発が当初の予定から大幅に遅れてしまった場合など、開発をこのまま続けるべきか、中止して撤退するべきか、という難しい議論になります。

成功を夢見て、寝食を忘れて取り組んできた開発者を前にした継続可否の判断は、たいへんな重圧がかかります。人の情としては、何とかしてあげたい、でもこれ以上は・・・実際に悩まれる経営者の方が多くいます。

しかし、誤解を恐れずに言わせてもらえば、ここで悩んでいるようでは、開発に取り組む企業の経営者としては、失格です。

理由は、三つです。

一つ目は、そもそも「壁にぶつかってから、考えるようでは遅い」ということです。

壁にぶつかってから考えたのでは、ここまで頑張ったんだから、もう少しという情が働きます。そして、どうしても判断が継続の方に傾きます。逆に、中止としてしまうと、開発者があきらめきれない、という事態に陥ります。開発者の頭を切り替えるのに、相当なロスが生じます。納得できず、退職者を出すこともあります。

二つ目は、一つ目よりも重要なことですが、そもそも
「途中で撤退を考えるくらいなら、初めから開発なんかするな!」ということです。

開発の成功には、「強い思い」が絶対に欠かせません。開発である以上、必ず壁にぶつかります。この壁を乗り越えるには、開発で実現することに対する会社としての強い思い、あふれ出るエネルギーが絶対に必要です。

経営者が、途中であきらめる、撤退を考える、そんな弱い思いでは、成功はありません。最初から挑戦しない方がいい。時間を無駄にするだけです。

三つ目は、最も重要なことですが、
「途中で撤退を考えないといけないような経営資源のかけ方をするな!」ということです。

開発には、「必要な知見がすべて揃ったときに初めて成功する」という本質があります。知見が揃うまでは、失敗するのです。すべてが揃うまでは、一つ一つ失敗して、必要な知見を習得していかなければなりません。一つや二つの失敗で経営資源が底を尽きるような開発のしかたでは、最初から撤退が約束されているようなものです。そんな開発方法を決して取ってはいけません。人、物、金、時間を浪費するだけです。

いかに早く安く失敗して、必要な知見すべてを誰よりも早く手に入れるか?
開発成功への鍵は、ここにあります。

成功するためには、人、物、金、時間を極力使わず、トライすること。
間違っても、「社運をかけて、最初から経営資源をフルに投入する」などとは、やってはいけません

開発とは、イチかバチかのバクチやカケゴトではありません。成功に向けて日々継続して経営資源を投入すべき取り組みです。

継続して取り組める仕組みを持ちましょう

 


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四谷剛毅

商品開発コンサルティング

株式会社シンプルテックプラン代表取締役

四谷剛毅

執筆者のWebサイトはこちら http://stecplan.com/

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