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「情感」がどれだけ伝わるか社長の「情報発信」―人は本来ロジカルな動物ではない―  

  地方メディアの高度有効活用 海江田 博士 SPECIAL
海江田 博士 SPECIAL

地方メディアの高度有効活用コンサルタント

株式会社メディアコネクション 代表取締役 海江田 博士

広告分野における地方メディアの高度有効活用を専門とするコンサルタント。東京在住中のマーケティングビジネス経営の経験と地方企業への経営革新支援ノウハウの融合させた、独自の「儲かるための広告戦略」を開発。自らも成功実践事例として、地方メディアを舞台に展開。

私のようにラジオの番組を長く続けていますと、様々な聴取者の声が聞こえてきます。私が受け持つ番組の場合、そのほとんどがビジネス系の話題、経営支援についてのお話です。そこでは、できるだけソフトな口調で語るように努め、特に強めの主張といったものを展開することはありません。特定の対象に向かってきつい攻撃的な発言をしたり、激しく批判をしたりといったことは控えるようにしています。まあ、もともとそんな気はないのですが・・・・・。

それでも、ときに地域や業界に対して、苦言を呈するといったことはあります。

ただ、そういうときも苦言を苦言で終わらせるのではなく、最後には前向きにその解決策まで必ずお話するようにはしています。つまり、ネガティブで極端に強めのメッセージといったものを発することはしないよう心掛けているのです。

そういった背景もあってか、聴取者からの声もクレームに類するものはほとんどなく、どちらかといえば好意的な番組への感想や私の印象について、といったものが多くなっています。

ところで、私がラジオでお伝えしようとするのは、先述のようにほとんどがビジネス、特に経営に関する内容ですので、その骨子についてはロジカルな論調で展開することになります。

事前に何かビジネスについてのテーマを考え、そのテーマについてできるだけ論理的に組み立てを行ない、それがわかりやすく伝わるよう努力をする訳です。

ところが、ときどき聞こえてくる番組への感想やご意見は、どちらかといえばそういったロジックに対するものよりも、話し方が分かりやすかったとか、声が良かったとか、俳優の誰それの声によく似ていたとか、いったものが大半です。

つまり、およそ私が伝えようとしたロジックに関するものは少なく、反対の感情的な感想のようなものが多いのです。

その理由の一つは、地域FMの場合、私が聞き手として期待する経営者のみなさんよりも女性の聴取者が多いということもあります。ですから、できるだけロジカルに言いたいこと、聞いて欲しいことを伝えようとする私にとって、この反応は正直言っていささか肩すかしを食ったような気分にはなります。とはいえ、何も反応がないよりもはるかにましですので、素直に喜ぶように心掛けているのです。

さて、こういった経験を経て感じるのは、

「人は、普通は論理的というよりも、どちらかといえば感情的に他人の言うことを聞いているんだな。」

ということです。

もちろんロジカルに捉えようという姿勢が0とは言いませんが、すっと入ってくるのは感情的な部分からなのだな、ということを経験上感じます。

人が何か「情報発信」するときに、その内容に関する骨子は、きちんと論理的に整理されているべき、とは思います。そうでなければ、そもそもビジネスに関する情報など表現できるはずもありません。

しかしながら、それが他者に伝わるときは、まずその人の感情部分に反応しそこから入っていくのだ、ということは、大事なポイントとして、発信側があらかじめ知っておくべきだと思うのです。

こういったことを考えていると、経営者がなにか「情報発信」するときには、それが無味乾燥な事実の羅列だけでは済まない、ということに気がつきます。

発信する情報が、本当の意味でこちら側の魂のこもったものでなければならないのです。

そういう意味において、例えば会社のストーリーというのは大事な役割を担っているといえましょう。

ストーリーの背景にあるのは論理というよりも、会社が積み重ねてきた数々のエピソードや思い、譲れないこだわり、受け継いできた哲学のようなものが大半だからです。

そう考えてきたときに、経営者のやるべき「情報発信」というものは、おのずとその性格が規定されてきます。

それは単に事実の報告などではなく、それを聞いたり読んだりした人の感情に訴えるだけの「思い」のようなものが投影されている必要があるということです。

そういったある種「熱」のこもった「情報発信」こそが共感を呼び、やがてそれを知った人々の深い支持が得られるようになるのではないでしょうか。

こう書いてくるとなんだか難しいハードルのように思えるかも知れませんが、決してそんなことはありません。

素直に自らの置かれている立場と、それに対する自分の思い、これからのビジョンのようなものを常に表明していけばいいのです。

ただ、こういったことを言葉によって表現できるようになるためには、多少の訓練と粘り強さが必要です。

めげない継続的な情報発信

経営者は何とか踏ん張って続けてみて下さい。

人々の感情を動かした見返りは必ず何かしら良い形で返ってくるはずです。 

 

企業の盛衰を決める社長のためのメディア戦略
海江田 博士

地方メディアの高度有効活用コンサルタント

株式会社メディアコネクション代表取締役

海江田 博士

執筆者のWebサイトはこちら http://mc-kaieda.com/

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