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経営者から見た「開発の壁」の乗り越え方

  商品開発 四谷剛毅 SPECIAL
四谷剛毅 SPECIAL

商品開発コンサルタント

株式会社シンプルテックプラン 代表取締役 四谷剛毅

商品開発コンサルタント。特に開発部門を持たずに売れる商品開発を実現する、独自の「デベロップレス」体制づくりに定評。いま全国の中小メーカー企業の業績躍進の新手法として、多くの企業から指導依頼が集まる注目のコンサルタント。

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小惑星への着陸に初めて成功した日本のはやぶさ2。成功後に中心メンバーのインタビュー結果が報道されていましたが、その中で特に印象に残ったのが、メンバーの一人が成功要因として語った「しつこさ」というキーワードです。これは、開発における重要な成功要因の一つです。今回は、このことについて書いてみたいと思います。

着陸開始直前にトラブルが発生したにも関わらず、事前に「しつこく」繰り返していたトラブルの想定と訓練。そして、当日の「しつこい」までの確認作業。これがあったから、当初の予定よりも遅れたものの、見事に世界初の着陸という偉業を成し遂げることができた、冒頭のコメントは、そういったものでした。

当社では、開発の成功には「執念」が欠かせないことを日頃からお伝えしていますが、このはやぶさ2の中心メンバーが成功要因として語った「しつこさ」も、まさに、執念から出てくるものです。特に、この「執念」は、技術的な課題(開発の壁)に直面した時に、技術者に必ず求められる特性です。

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一方で、注意しなければならないのは、この「執念」だけでは、開発を成功させることはできないということです。実は、はやぶさ2の着陸でも、しつこい確認をする前、しつこさを発揮する前に、もう一つ重要な成功要因が働いています。

それは、トラブルに見舞われた時に、「着陸を続行するのか、それとも一旦中止するのか、その難しい判断を限られた時間の中で瞬時に下した」ということです。

トラブルや技術的課題といった開発の壁に直面したとき、開発のリーダーと経営者には、そこで、「とことんねばるべきか?」それとも「素早く切り替えるべきか?」この判断を必ず迫られます。

このとき、どう判断すべきか? 成功には「しつこさ」が重要だから、経営者とリーダーは、常にメンバーに対して、とことんねばらせるべきなのでしょうか?

答えは、NO です。
「常に」ではありません。

「しつこさ」は重要ですが、一方で、素早く切り替えるべき「時」も存在します。

ここが、経営者にとって、開発の極めて難しい部分です。そして、特にこの判断が難しい局面では、例外無く「経営判断」が求められます。

このときに、経営者がどんな判断をするのか?

とことんねばるのか?
それとも素早く切り替えるのか?

この判断一つで、その後の開発の成否、開発メンバーの運命、ひいては会社の運命を決めてしまいます。

ここで、最もやってはならないことは、「判断の先延ばし」です。

想像してみてください。はやぶさ2の着陸直前に出たトラブルにおいて、このままねばって、しつこく確認して着陸を目指すのか、それとも中止して切り替えるのか、この判断が瞬時にできずに、ズルズルと先延ばししてしまった場合のことを。

メンバーは「判断待ち」の状態となり、何も進まず、何も得られず、時間だけが過ぎていき、やがて、着陸成功に必要な「時」を失ってしまいます。メンバーの士気は落ち、その影響は、次の着陸挑戦にも及んでしまいます。中止にするならするで、その判断を理由とともにすぐに示すべきなのです。

まず、大切なことは、適切なタイミングで判断すること。そのために、判断基準を、ことが起こる前から、しっかり持っておくことです。そうすれば、慌てることなく、冷静に対処することができ、メンバーの士気を保つことができます。

そうして、経営者が「ねばり」と「切り替え」を適切に使い分ければ、はやぶさ級の成功を実現することは、決して夢ではないのです。

御社は、判断基準を持って、開発に挑んでいますか? 
次は、御社が歴史を塗り替える番です。

 

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売れる商品開発を実現する社長の視点
四谷剛毅

商品開発コンサルタント

株式会社シンプルテックプラン代表取締役

四谷剛毅

執筆者のWebサイトはこちら http://stecplan.com/

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