言行不一致の行動指針は会社を刺す

  成長支援部づくり 岩井徹朗 SPECIAL
岩井徹朗 SPECIAL

成長支援部づくりコンサルティング

ヒーズ株式会社 代表取締役 岩井徹朗

会社の大元となる「総務」を革新すれば、すべての事業部に影響を与え、顧客志向になり、驚くほど業績が伸びる。経営者が着手すべき、「成長支援部づくり」を指導。


行動指針は会社を刺す ・儲からないことはしない

・面白くないことはしない

・面倒くさいことはしない

・在庫になることはしない

・利益の独り占めはしない

これは私が独立する前に勤めていた会社が行動指針として掲げていたものです。

転職する際にも、社長から「ウチはこういう方針でやっています!」と聞きましたし、会社概要にもこの5ヵ条が書いてありました。このため、資金調達するために書いた事業計画書にもこの行動指針を盛り込みました。

そして、ある日、旧知の個人投資家に出資をお願いするために訪問。

事業計画書を見せながら説明を始め、2ページの行動指針のところに来たところ、突然、「こんなことを言う経営者じゃダメ」とバッサリ。結局、肝心の数字編を行く前の段階で、説明は終わってしまいました。

先の行動指針、私自身はかなり気に入っていました。「こういう会社になれたらいいなぁ」と思っていたので、個人投資家の方がなぜダメ出しをしたのかその時はよく分からなかったのです。

では、実際に前職の状況はどうだったのでしょうか?

残念ながらその個人投資家の人には出資を断られましたが、半年近くかけて2億円を集めることができました。そして、その資金を基にある大型のプロジェクトに着手することに。

しかし、そのプロジェクトに関して言えば

・儲からないことはしない→採算的にはギリギリ

・面白くないことはしない→上場会社の下請けで独自性が薄い

・面倒くさいことはしない→関係先も多くその調整が複雑

・在庫になることはしない→途中ではかなり在庫あり

・利益の独り占めはしない→少ない利益を確保するのに必死

というのが実態でした。

つまり、会社が掲げている行動指針とはまったく逆のことをやっていました。そして、会社はこのプロジェクトの途中であることがきっかけとなり、業況が大きく傾く結果となったのです。

前職の場合、残念ながら言行不一致でした。

もちろん、行動方針と合わない大型プロジェクトも、「この案件をやることで次につながる」ということで採算はギリギリで、下請け的な仕事だけれど始めたものです。

また、製品の制作過程で追加の注文も引き受けてしまったため、時間を大幅にロスして納期がギリギリになるとともに一時的に多くの在庫を抱える結果にもなってしまいました。

その時々は、プロジェクトを成功させるために「まぁ、仕方ない」、「頑張って乗り切ろう」と思って一所懸命に取組んでいましたが、冷静になって振り返ってみると行動指針を逸脱するものばかりでした。

立派な経営理念を掲げたり、理想的な行動指針を表明している会社はたくさんあります。でも、それをいつでもやり続けているかどうか会社が守るべき一線として徹底されているかどうか。行動指針と実際の企業活動が乖離していると、会社はやがて大きな危機を迎えます

知人の個人投資家は一瞬でその危機を見抜いていたのかもしれません。


【総務の革新】成長支援部づくりで業績を伸ばす経営視点
岩井徹朗

成長支援部づくりコンサルティング

ヒーズ株式会社代表取締役

岩井徹朗

執筆者のWebサイトはこちら http://www.basis01.com/

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