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SDGsの子供たち

  環境戦略 西田純 SPECIAL
西田純 SPECIAL

環境戦略コンサルタント

合同会社オフィス西田 チーフコンサルタント 西田純

環境戦略アドバイザー。数々の多国間環境条約や、国連が提唱する2030年のための持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals: SDGs)を参照しながら、サーキュラーエコノミーなど企業として取るべき環境戦略や、環境対策を通じた長期収益構造の改善などをアドバイスしている。

業種業態を問わず企業経営者にとって共通の、そして永遠の課題ともいえるテーマの一つに人材育成があります。一人企業である場合を除いて、経営者にとっては資金繰りや営業、売上などのテーマに準じる重みを持ちます。当然のように育成すべき人材の採用には各社とも並々ならぬエネルギーを注ぎ込みます。あまり注目されていないのですが、この採用人材について、実は今顕著な変化が起きようとしているのです。それは一体どういうものなのでしょうか?

環境や社会への配慮、というと以前このコラムでも取り上げた「ESG投資」という流れがあり、企業にとっては外的要因による変化であると整理できると思うのですが、これと同じかむしろ早いタイミングで、企業内部からもCSRやSDGsへの取り組みを推進しようという動きが出てきています。

この源流をたどると、現在の若手・中堅社員が中学・高校時代を過ごした西暦2000年前後の時代背景があります。時あたかも地球温暖化への対応が国際的な課題として取り上げられ、京都議定書が採択されたことと相まって彼らの意識下には世代横断的なタスクとして環境・社会への対応が刷り込まれている、ということなのです。

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この部分は昭和の世代に比べてミレニアム世代が持つ顕著な違いなのですが、まだ「京都議定書」だとか「地球温暖化対策」など、比較的絞れたテーマを想定した枠組みの中での発想が主体でした。

ところが現在の中学・高校生はSDGsについて学校でよく聞かされています。いや、小学生ですらその例外ではありませんで、私立中学の入試問題にはSDGsについて自らのアタマで考えさせる出題が相次いでいるそうです。

ご存知の方も多いと思いますが、SDGsはさまざまなステークホルダーが交わり、全地球的な課題を誰一人取り残さずに解決して行こうという取り組みです。とあるテーマについて閉じられた空間(たとえば「まずは社内で」、など)を対象とする、という考え方とはスタンスからして違っている、というものなのです。

ポイントは、あと5~10年するとそういう教育を受けた人材が社会人になる、という部分にありまして、環境や社会への取り組みを自ら考えて実践しようとする、あるいは外部のステークホルダーとも積極的に連携して物事を進めようとする、そんな変化が起きてくるだろうということです。

企業としても、そのような人材が入社してくることに今から備えておく必要があるのです。一部大企業の人事担当者の間では、SDGsを特集した中学入試問題集が人気だそうですが、経営者たるもの変化に驚くのではなく、変化を読んでそれを機会に変えることで、企業の成長をより確かなものにしなくてはならないのです。

 

環境ビジネスのためのグローバル戦略
西田純

環境戦略コンサルタント

合同会社オフィス西田チーフコンサルタント

西田純

執筆者のWebサイトはこちら https://swbs.smrj.go.jp/

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