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新型コロナウイルス禍を活かせるのか、ただ忘れるだけか―変化対応力が未来を決める―

SPECIAL

地方メディアの高度有効活用コンサルタント

株式会社メディアコネクション

代表取締役 

広告分野における地方メディアの高度有効活用を専門とするコンサルタント。東京在住中のマーケティングビジネス経営の経験と地方企業への経営革新支援ノウハウの融合させた、独自の「儲かるための広告戦略」を開発。自らも成功実践事例として、地方メディアを舞台に展開。

先日、インターネットを覗いていたら、面白いエッセイに出会いました。著者は、私よりやや若い世代の人だと思うのですが、そのエッセイには、彼の昔の思い出について書かれていました。その内容が、私にとっても「ああ、確かにそういうことがあったなあ・・」と、興味深いものだったということと、今に通じる示唆に富んだものだったのでご紹介したいと思います。

それはこんな内容でした。
―長く生きてくると、いろいろな成功劇、悲劇を目撃します。ものすごく昔の話ですが。 私が子供の頃は、レコードとカセットテープが主流でした。CDがではじめたのは、私が中学校に入ったころです。街の中心には、二つ大きなレコード屋さんがありました。CD革命が起こった時、一つのレコード屋さんは、積極的にCD販売を開始しました。 もう一つのレコード屋さんは、どういうわけか、CDを嫌い、レコードにこだわりつづけました。そして、つぶれてしまいました。 この二つの店のこと、子供ながら、「教訓」として記憶に刻まれました。―
これは、いかにもありそうな話です。

大きな技術革命が起こったとき、古い技術は、それまでそれがどんなに主流であったとしても、必ず取って代わられます

昔、運送屋は馬車から自動車に代わったであろうし、近年では手書きの帳簿や書類はパソコンのデータに代わり、街から公衆電話が消え、ほとんどの人がスマホを持つ時代になりました。先述のCDさえも、今や売れ行きは今一つで、音楽の主流は配信サービスに取って代わられています。

こういうとき、ビジネスの現場では、経営者がそういった時代の流れに抵抗するのか受け入れるのかで、その運命は大きく変わってきます

このエッセイではもう一つ面白い事例を紹介していました。

それはソ連の崩壊です。

これも私の人生の中では信じられない出来事の一つでしたが、この著者にも衝撃的な思い出になっているようです。

そのときのことを、こんな風に書いておられました。
―1991年12月、ソ連が崩壊しました。(中略)
この後、99%ぐらいのロシア人は、「負け組」なりました。どういうことでしょうか? ルーブルが紙切れ同然になり、92年に2600%のインフレが起こった。それで、貯金の価値が26分の1になってしまった。悔しいですね。しかし、おそらく1%ぐらいの人は、勝者なり、莫大な富を獲得しました。
それはどんな人?一つ目の条件は、「共産主義教」を全然信じていなかった人。 もう一つの条件は、「ソ連が崩壊し、共産主義の時代が終わり、資本主義の時代がくる」と予測し、勉強していた人です。―

今回、この2つのエッセイをご紹介したのには理由があります。
偶然この著者と一致したのかも知れませんが、私がそれまで生きてきた中で、世の中からレコードが消えたことと、ソ連が崩壊したことは、2大衝撃的出来事だったからです。

CDが登場したのは昭和の終わりごろで、ソ連の崩壊は平成に入ってすぐのことでした。私は、平成の途中まで、自分の人生の中でこれ以上の大きな変革に出会うことはないだろう、と思っていたのです。

この2つの革新や革命が、その後、上記のような現象を引き起こしたのは書かれている通りです。分かりやすくくくって言えば「勝ち組」と「負け組」を生み出した、といえるのかも知れません。

しかし、さらにその後、平成の時代が進み、令和となって振り返ってみれば、世の中の革新は上記のような現象にとどまっていません。

先述のように、今やCDも廃れ、音楽のコンテンツはオンライン上で飛び交っています。音楽だけでなく、あらゆるコンテンツがオンライン上で交錯していると言っても過言ではありません。

しかも、それを可能にしているツールが、個人の手元にあるスマホ1台でほぼこと足りるという現実にも、今さらながら驚かされるのです。

また、ソ連が崩壊したとき、冷戦が終わり、世界はおそらく自由主義国家に収斂されていくのではないか、と期待しました。

しかし、中国が力をつけてきた現在、昔の米ソ冷戦のとき以上の深刻な対立が起きようとしています。

自由主義社会は、かつてのソ連の共産主義に抱いていたときをはるかに超える脅威を、中国共産党に抱き始めているのではないでしょうか。

中国がこのような存在になるとは、当時だれも予測しなかったと思います。

現在では、かつて私がこれ以上の変化には生涯遭遇しないのではないか、と思っていた、レコードからCDへとソビエト連邦の崩壊、といった出来事をはるかに超える大きな変化や革新が次から次へと現れているのです。

さてそんな中で起こった今回の新型コロナウイルス禍です。

これは日本のみならず世界中に大きなパニックを引き起こしました。

特に日本の場合、病気の蔓延よりも経済的打撃がはるかに大きかったことになります。

上記のエッセイの著者は、新型コロナウイルス禍についても触れており、それは次のように書かれています。

―この災厄の後、「新型コロナで変わった人、会社」「元に戻ってしまった人、会社」で「勝ち組、負け組」がわかれる でしょう。たとえばテレワーク。全国でテレワークを実施している会社は、30%ほどだそうです。(中略)
問題は、新型コロナが終息した後です。 その時、サバイバルできる経営者は、「テレワークでも、結構いけたな。おかげさまで、出勤交通費が手元に残る。 新型コロナ後もテレワーク中心にすれば、あんなでかいオフィスいらないよな。ここでも、大金節約できる」 などと考え、テレワーク中心を維持します。(中略)
(テレワークの普及は)日本国の未来にとっても「とてもよいこと」だと思います。 経営者の皆さま、是非この機会に「テレワーク」を定着させてください。 軽費を削減しつつ、社員の幸福と日本の国益に貢献できます。―

「参考エッセイ著者「ロシア政治経済ジャーナル」発行者 北野 幸氏」

この著者が書かれているように、テレワークで何もかもが「よいこと」というわけにはいかない(この方法が使えない職種もあるので)でしょうが、コロナウイルス禍を契機に、経営者がそれまでの固定的な「考え方」を変えるという試みにはチャレンジしてみるべきでしょう。

問題なのは、経営者が「なんとか元に戻ればそれでいいや。」と考えていた場合です。

おそらく、世の中が落ち着いたように見えても、簡単に元に戻ることはないと思われます。

今回のコロナウイルス禍をきっかけに、もともと日本につきつけられていた課題である、デジタル化の後れによる生産性の低さや、働き方改革に対応できていない、などの問題点が噴出する可能性が高いのではないでしょうか。

そんなとき、「課題だったにもかかわらず、できていなかったこと」をどれだけ変えられるかが、前述されている勝敗の分かれ目になると思います。

今回のことをチャンスととらえ、積極的に前に進む経営者が多く現れることを私も強く望みます。

 

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