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SPECIAL

環境戦略コンサルタント

合同会社オフィス西田

チーフコンサルタント 

環境戦略アドバイザー。数々の多国間環境条約や、国連が提唱する2030年のための持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals: SDGs)を参照しながら、サーキュラーエコノミーなど企業として取るべき環境戦略や、環境対策を通じた長期収益構造の改善などをアドバイスしている。

2019年から今年にかけて、世界の資本市場は空前の大変革に晒されました。新型コロナウィルスの話ではなく、これまで信じて疑われることのなかった株主資本主義に対し、ステークホルダー資本主義が言われるようになったことです。ダボス会議でも、米・ビジネスラウンドテーブルでも、「企業は多様なステークホルダー全般に貢献すべき」という解釈が採用され、それに伴う見直しはあらゆる方向へ影響を及ぼしています。

特に金融セクターの反応は鋭敏で、いわゆるESG投資やサステナビリティ金融という切り口でさまざまな要求を企業に対して突きつけるようになってきています。予てから言われていたことではありますが、要求は具体的な成果指標や締切を持ったものが前面にでてきており、懸念されてきたプレッシャーが現実のものになりました。成果が達成できなければ、当然のように諸条件の見直しや資金の引き上げを言われる条件は、極めて厳しいものだと言えます。

これまでSDGsバッジを胸につけて精神的な支持を訴えていれば良いと考えていた日本企業の担当者にとっては、ある意味でクロフネ来航にも似た、ちょっとショッキングな話ではないでしょうか。何よりもまず、具体的なデータの提出を迫られるのです。データ対応はできているか?CO2削減量は測定しているか?第三者認証や監査の結果は公開しているか?それを積極的にステークホルダーに対して説明しているか?と言った具合です。

日本の特にオーナー企業では、これまで「会社は株主のもの」という考え方に疑問が入り込む余地はほとんどありませんでした。

確かに数百年以上続く超老舗企業では、社訓として三方良しを求める事例もあり、そこにはステークホルダー資本主義の原型にも例えられる考え方が埋め込まれていますが、大多数のオーナー企業の場合は、株主≒経営者なので、逆にかつてのアメリカが唱えていた株主資本主義の考え方がピッタリと合っていたからです。

大企業や老舗では比較的受け入れられやすいかもしれない変化ですが、中堅・中小企業の場合は考え方そのものを見直す必要があるため、方向転換にはかなり大きなエネルギーが必要になるはずです。待ったなしの変化にどう対応するか?難しい課題です。

まずは経営理念の世界でビジョンを見直すことですが、最終的にはデータをタイムリーに提供できることが重用になってきます。そのための体制づくりや人材確保など、急ぎ対応することが企業には求められる流れになっているのですが、十分に認識されているとは言えないのが現状ではないでしょうか。

コロナがあってもなくても、ビジョンを打ち出すことで済んでいた時代はとうに過ぎ去り、すでに確かな実績を求められる時代になったと考えるべきなのです。強いものが勝つのではなく、変化に対応したものだけが生き残る。チャールズ・ダーウィンの言葉が重みを持って響きます。あなたの会社は変化に対応できていますか?

 

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