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それは本当に「集客」の問題か?

SPECIAL

キラーサービス(特別対応の標準化)コンサルタント

株式会社キラーサービス研究所

代表取締役 

経営革新コンサルタント。イレギュラー対応を標準化することで、ライバル不在で儲かる、「特別ビジネス」をつくりあげる専門家。倒産状態に陥った企業の経営再建から、成長企業の新規事業立ち上げまで、様々なステージにある数多くの企業を支援。イレギュラー対応を仕組みで廻して独自の市場をつくりだす画期的手法に、多くの経営者から絶大な評価を集める注目のコンサルタント。

「うちの最大の問題は集客なんですよー!」── 先月に当社にご相談にこられたサービス業D社の社長が開口一番にこうおっしゃいました。

詳しくお聞きすると、サービスレベルは間違いなく業界水準よりも上だし、価格設定もお値頃感があるはずなので、あとは告知がうまくいけば商売は伸びるはずだと。

本当にそう思っていたとしたら当社にはご相談に来られないはずですので、「では集客のコンサルタントをご紹介しましょうか?(笑)」と半分冗談でお伝えしたら、「いやいや、ちょっと待ってください。もっと根本的に変えたいんです!」とD社長は身を乗り出されました。


 

多くの企業が集客で困っています。せっかくいい商品・サービスを提供できるのに、それを多くの人に知ってもらえていないというわけです。

しかしながら、このD社長がお気づきのように、集客の問題が出ているのはその事業の問題が集客だからではない、というケースがほとんどで、根本的な問題はもっと別のところにあります。

その問題を放置したまま、とにかく数を集めようと集客に労力やお金をかけるのは、出ないパチンコ台にせっせと玉を投入するようなものです。まあパチンコならいつかは7が揃うかもしれませんが、事業の場合はそうはいきません。見込み客にヒットしない事業を告知してもお金と時間が無駄になるだけです。

そんなことは言うまでもない、とほとんどの経営者がお考えになると思いますが、しかし実際は無駄な集客をついやってしまうというケースが後を絶ちません。

なぜそうなるのかというと、経営者やマーケティング担当者がある大きな勘違いをしてしまっているからなのですが、その勘違いとは「営業やマーケティングといった販売活動のポイントは、商品の良さをしっかり伝えることだ」と考えてしまっているということです。

結論から言いますと、ほとんどの見込み客はセールスやマーケティングの時点では御社の商品を欲しいとは思っていません。(もし思っていたら向こうからアクションを起こしているでしょう)

そんな、それを欲しいと思っていない相手にいくら商品について説明しても、単に「売られている」と思われるのが関の山で、そんな説明を聞いて説得される相手というのは「たまたまそういったものを買おうと思っていた」という、ごく限られた見込み客であるといえます。

つまり、商品の説明が相手を心を揺さぶり、心変わりさせるなんていうことはほぼあり得ない話だということです。

そうお伝えすると、「いやいや、さすがに商品説明だけでは売れないでしょう。うちはちゃんとその商品から得られるベネフィットを伝えていますよ」という方も多いでしょう。

この「ベネフィット」というのは、日本語では「便益」と訳されることが多いですが、これはマーケット業界でよく使われる言葉で、その商品を買うことで顧客が手に入れることのできる「利益」とか「変化」といったことを指します。

たとえば化粧品で例を挙げると、「この化粧水を使うと肌がきれいになる」というのは商品の「メリット」で、「それによって自分の肌に自信が持てるようになり、外出して友人に会う機会が増える」とか「社交的になれる」といったことが「ベネフィット」といわれたりします。

この「ベネフィットを語れ!」ということは、昔からマーケティングやセールスのコンサルタントなんかがそのように指導していることもあり、経営者でもそれをやればいいと信じている人がとても多いのです。

しかしながら、いくらベネフィットを語ったところで、それで見込み客の行動を促すことはできません。なぜなら、相手はそういった「利益」や「変化」を必要だなんて思っていないからです。

上記の例でいうと、いくらこの化粧水をつけたら社交的になれると訴えられたところで、そもそもほとんどの見込み客が「社交的になりたい!」なんて思っていないということです。

百歩譲って、見込み客が「あー、肌をきれいにして社交的になりたい!」と思っていたとしても、ほかにも肌をきれいにする方法はいくらでもありますし、タイミングも「いまそれが必要」と思うとは限りません。

結論、そういった「理想の未来」的なことをいくら語っても、多くの見込み客の心が動くことはありません。「確かに私にはそれがいますぐ必要だ!」とはならないということです。

ではセールスやマーケティングで何を伝えるべきか? それはシンプルで、「なぜあなたはいまその変化が必要か」という、そのベネフィットが必要である理由です。その変化が必要であるという「全体のあり様」を語る必要があるのです。

これは別の言い方をすれば、「理想の未来を語る」のではなく、「理想とは程遠い現実」を語るということになります。現状は理想とは程遠く、しかも放っておいてはまずい、あるいは非常にもったいない、だから変化が必要であるというストーリーを相手に腹落ちさせる必要があるのです。

そのような、ある意味「相手に痛みを与える」ストーリーを語ることは、ほわっとした理想の未来を語るよりもずっとしんどいことです。中には嫌な思いをする人もいるでしょう。

しかしです。相手に本当に良くなってもらいたいのであれば、相手がその変化をつかみたくなるようなストーリーをしっかり伝える必要があります。それが相手のため幸せにつながります。その境地に達してはじめて買い手(見込み客)は「自分ごと」と思って話を聞いてくれるのです。

目の前のたった一人の見込み客の心を動かすことができないままに、いくら集客に励んでも結果は出ません。

御社が考える「自社商品を売りたい理由」は相手にとって「買いたい理由」になっていますか? 単に自社商品の自慢話をまき散らすことになっていませんか?

顧客の心を動かす「全体感をもったストーリー」を語り、顧客貢献を加速していきましょう。

 

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