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クラウドファンディングの2つの動機とSDGs

SPECIAL

マインドシェアNo.1ブランドコンサルタント

株式会社アトリオン

代表取締役 

国連が提唱する「持続可能な開発目標」SDGsのフレームワークを活用し、顧客にも社員からも永く愛される「マインドシェアNo.1ブランド」確立のための社内体制を構築する。会社の哲学、商品・サービスの優位性を明確にし、社員の意欲を引き出して、顧客のファン化を後押しするスペシャリスト。顧客と社員の双方の満足を循環させるES-CSチェーンを土台に、競合との圧倒的な差別化をはかり、会社のステージを上げたい企業から絶大な支持を集めている。

最近、「クラウドファンディングでお金を集めたい」とか「目標額に到達した」とか「協力してほしい」とかいう話しを聞くことが多くなりました。

先日も、新商品を開発したいという事業主が「クラファンを使って資金集めをして、市場性を見てみたい」と相談に見えました。以前であれば、自己資金が足りなければ、融資か補助金かという選択肢でしたが、新たに「クラファン」という手法が登場して、お金の算段が多少しやすくなっているようです。さらには広報ツールとしての役割も果たしてくれます。

さて、そのクラファンを使ってお金を集めようというときですが、2通りの動機があるように感じます。

一つは、世の中になかった全く新しい商品やサービスを提示するとき。いきなり量産して販売をはじめるのはあまりにリスクが高いので、クラファンでワンクッション置こうという考え方です。

よくとられる手法は、その商品やサービスが登場すると、あなたのライフスタイルやビジネスや趣味の世界はこんな風に変わりますという、その後のイメージを見せること。そのイメージに共感する人が多ければ多いほどお金が集まり、目標金額に到達する。

それが全く新しい商品やサービスで、お客さんがつくかどうかよくわからないというときは、お金が集まること=賛成票が集まることでもあるので、事業としてはGOサインが出るということになります。

もう一つの動機は社会的な正義に訴えるものです。言い換えると、身近にある社会課題を解決するためにお金が欲しい、よって、同じ思いを持つ人に、お金を払うという行為を通して、社会課題の解決に参画していただくというものです。子ども食堂の整備とか捨て犬を保護するステーションをつくるとかいった事業が対象。

以前であれば、心ある人やNPO法人などが、持ち出しや寄付を募ってやっていた行為を、もっと広い範囲の賛同を集めてやっていくというイメージです。

最近聞いたクラファンの成功事例は、ある加工工程を担う下請け製造業のケース。自社の技術を活かして消費者向けの製品を作った。対事業者向けのビジネスをメインにやっているため、頃合いのよい販路を持ち合わせていない。当初は自社サイトを中心に販売促進をしていたが、反応はわずか。次の手を考えあぐねていたときに、その窮地を救ったのが、クラウドファンディングだった、と。

ここでSDGsの話になります。

先にクラファンは、新商品の市場調査と資金調達、そして、社会課題の解決を目的とした賛同者を集める2種類の動機がありそうだと書きました。この両者を一緒にして考えるとSDGsビジネスになります。

たとえば加工業者が消費者向けの製品を作り始めたという先の例。これまでの事業で廃棄していた原材料を使って消費者向けの製品を開発したのであれば、限りある資源の有効活用になります。製品を作る工程のうち、誰にでもできる簡単な作業を切り出して外部に委託すれば、誰かの生活を助けることになります。実は立派な社会課題の解決をビジネスの中でしているかもしれないのです。

問題は、自分の視野を、自社や顧客から社会や地球にまで広げているかどうか。

環境分析の一つの手法に「3C分析」というものがあります。3つのCは、自社、顧客、競合を指しますが、これに加えて、社会課題を視野に入れると、競合が気づかなかった新しい打ち手が見えてきます。SDGsや社会課題への視線は、中小企業に必要な差別化戦略の鍵になる可能性があるわけです。

新しい春がやってきました。もう一回り大きな視点で自社と世の中を見てみましょう。そして次の新しい打ち手を考えましょう。選択肢は無限に広がっています。

 

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