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売上病・売上至上主義の経営者が会社を潰す理由

SPECIAL

ダイヤモンド財務コンサルタント

ユメリアコンサルティング株式会社

代表取締役 

次世代経営者専門の財務コンサルティング機関。同族会社のオーナー社長・二代目社長に対して、経営基盤を頑強なものにする、「ダイヤモンド財務」の築き方を指導。

当社には、毎日のように「事業は順調なはずなのに、いつもお金がない…」「自分の会社のどこに問題があるのかわからない…」「借金が思うように減っていかない…」といったご相談が寄せられます。

その上で、時折「間違った経営判断」を無防備に下してしまっている現実を目のあたりにすることがあります。

例えば、経営に前向きな社長さんほど、「攻めの投資」を積極的に行っていきます。もちろん積極的な事業投資自体は決して悪いものではありません。問題なのは、そのやり方です。

大きな投資をするにあたって、社長自身が正しい財務を知っていて、その上で経営判断している…というのであれば良いのですが、多くの場合は、「売上が増えそうだから」とか「なんとなく良さそうだから」という漠然とした理由で決めてしまっているのです。

その経営判断が、自社の財務にどのような影響を及ぼすかまで考えていなかったりするのです。

言い方を変えれば、正しい財務の知識を持っている人からすれば、「NG」の判断であっても、間違った財務の知識しか持ち合わせていない人からすれば「OK」の判断になってしまう…これが財務の怖い部分なのです。

大切なことなのであえてお伝えしますが、会社が潰れてしまうのは、お金が尽きた時です。財務を知らない社長が会社を潰してしまえば、社員や家族は社長と運命を共にするしかありません。

特に、同族会社の場合、社長しか本当の意味での財務の実務を担えませんから、家族や社員さんにはどうすることもできません。本当に理不尽なことです。

だからこそ、少なくとも社長は、正しい価値判断の基準を知った上で、自社の経営の質を向上し続けなければならないのです。

たとえば、もし、あなたが「あなたの会社の数値目標を教えてください」といわれたら、何が数値目標として思い浮かぶでしょうか?

きっと、一番に思い浮かんだのは、「売上目標」ではないでしょうか。私のこれまでの経験上、ほぼ100%といってもいいぐらい「売上目標」という回答が返ってきます。

そして、「それ以外の数値目標はありますか?」と尋ねると、ほぼ例外なく「ないです」という回答が返ってきます。

会社で決定している数値目標が「売上」しかなければ、当然会社は、「売上至上主義」に傾いていきます。そうなれば、社長だけでなく、社員も「売上」を基準にすべての価値判断をするようになっていくのです。

売上が増えていっているにも関わらず、それが「表面的」なものであれば、当然、お金が残りません。むしろ、お金は減って、借金ばかりが増えていく…負のスパイラルが待っています。

しつこいようですが、会社が潰れるのは、売上が減った時でもなければ、赤字決算になった時でもなく、「お金」が尽きてしまった時です。

具体的には、お客様からいただいた「売上」から、商品の仕入代金や社員の人件費などの「費用」を差し引き、そこから「税金」を払って、さらに、銀行から借りたお金の「借金返済」をして、その上で残る「お金」のことです。

ですから、売上規模以上に多額の借金を背負っていれば、当然、毎月の「借金返済」は苦しくなってしまいます。それに、そもそもの収益構造として、「売上」を上回る「費用」が発生するのであれば、「利益」も出ません。

大切なことは、自社の財務の構造を知った上で、根本的な課題解決に繋がる具体的な一手を打つことにあります。全ての経営課題は「売上」で解決すると考えること自体が間違いなのです。

社長の仕事は、強く永く続く会社づくりをすることです。

あなたは今、社長としてどんな未来をつくりたいですか?

ダイヤモンド財務®コンサルタント 舘野 愛

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