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後継者の「育て方」~経営は実践がすべて

SPECIAL

バトン承継コンサルタント

承継イノベーション研究所(株式会社think shift)

代表取締役 

これまで後継経営者を100名以上支援・指導し、自身も後継経営者として実績を出してきた、後継者支援の実績と後継経営者としての経営実務の実績とをあわせ持つ、バトン承継コンサルタント。
後継経営者が「ただ」事業を引き継ぐだけではなく、「自分らしい」経営を行うことで経営の革新を引き起こす、「承継イノベーション」を提唱している。

バトン承継コンサルタントの浅野泰生です。

緊急事態宣言が解除され、外に出る機会が多くなりました。

新宿も人が多くなってきたように思います。

そこでデパートの店員に文句を言っている女性を見かけた30秒後に、ラーメン屋の店長に罵声を浴びせる男性が目に入ってきました。

久しぶりに街に出て、これまでの鬱憤を晴らしているように感じるほどでした。

そこまで腹が立ったことって、どんなことだったんでしょうね?

さて、本日は創業社長がよくおっしゃる、「後継者が育たない」ということについてお伝えします。

本当に引き継ぐのは「まだまだ早い」のか?

創業社長と話をしていると

「後継者が育たない」

「後継候補の息子に継がせるには、まだ早い」

とよく聞きます。

本当にそうなのでしょうか?

もちろん論外な場合もあります。
ぬくぬくと何の苦労もなく育てられ、会社のお金を自分のものと勘違いしているような、ドラ息子が後継候補の場合です。

育つ育たない、早い遅いの前に、むしろ継がさないことが賢明な判断です。

血がつながっているという事実が、やり手の創業社長であったとしても判断を鈍らせているケースは少なくありません。
会社のためだけでなく、社会のためにも冷静な判断をしてほしいものです。

一方、しっかりした考え方を持ち、創業社長とタイプは違えど、立派な経営者になるだろうな、と感じる後継予定者とも、これまでたくさん会ってきました。

しかしそのような後継予定者がいるにも関わらず、創業社長は「まだまだ」と言います。

なぜ、このような現象が起こるのでしょうか?
これは「ニワトリが先かたまごが先か」という話に通じると考えています。

座学をいくらしても実践と大きな乖離がある

私は10年ほど前から、創業者・後継社長問わず、様々な業種業態・規模の経営者の前でお話する機会をいただくようになりました。

当時の私の役職は「専務取締役」、経営に携わる一員ではありましたが、経営者ではありませんでした。

仕事柄、多くのビジネス本を読み漁り、さまざまな勉強会でインプットしたものをコンサルティングや研修の現場で、お客さまである経営者にアウトプットしていました。

そして時が経ち、今から7年前に後継者として代表に就任しました。

代表に就任して、さらにお客さまの前で話をする機会が増えていったとき、ふと思ったことがありました。

これまでの自分は、本で勉強したことをそのまま伝えているだけだったな、と。

代表に就任して、経営というものがはじめて体感でき、経営者の前で話をするときは、その感覚も一緒に伝えられるようになったと感じたのです。

ここでお伝えしたいのは、「経営を学ぶ」ことと、「経営をする」ことは、次元が違うことと認識しました。
経営の現場では、座学と実践には大きな乖離があるのです。

現在、60代後半から70代にかけての創業社長は、良くも悪くも自己流で経営を確立してきた人です。

一方多くの後継予定者は、後継が決まった時期から「経営の勉強」をさせてもらっています。

経営を実際に日々している創業社長と、経営を座学で学ぶだけの後継者とでは、経営能力という観点では差が開くばかりです。

そう考えると、創業者が感じる「育たない」という感覚は当然ともいえます。
創業社長との「経営能力」の差がどんどんついていくので、後継者が育っていないように見えるだけです。

「まだ早い」は、創業社長の自分と比べたら、いつまで経っても後継者は未熟なはず。
いつまで経っても「育たない」と感じ続けることになります。

そこで重要な視点が、ニワトリが先かたまごが先かということ。

経営を座学で学ばせているだけでは、いくら時が経過しても「育たない」「まだ早い」は解消されません。

実際に「経営を任せること」以上に、後継者の経営能力を向上させる術はないのです。
言い換えれば、社長を交代しないから「育たない」のであって、継がせれば「育っていく」のです。

長く経営に携わり経営能力のある創業社長も、歳をとれば人としての衰えが生じてくるものです。

創業社長が経営者としてまだ現役であるからこそ、後継者に経営を任せなければなりません。なぜならいざというときには、創業社長がリカバリーできるからです。

そして誰しもが最初から成功はしません。失敗をはやく経験させ、創業社長がフォローする。このような実践と改善を繰り返すことが、経営者としての成長の近道です。

後継予定者がいるのであればはやめに経営を任せることこそ、創業社長も認める後継社長にさせる最短の手段なのです。

 

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