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伸びない企業のヒマは従業員のモノ、伸びる企業の暇は会社の物

SPECIAL

チェーン企業のマネジメントの仕組み構築コンサルタント

株式会社ピアーズ

代表取締役 

マネジメントの仕組み構築のスペシャリスト。
これまで20年以上チェーン事業に身を置き、実際に15の組織のリーダーを務め、200以上の経営に関わり売上、利益を上げてきた経験を持つ。チェーン事業の売上が兆単位の企業や創業40年以上の歴史を持つ企業にさえマネジメント面の仕組みが1つも存在していない事に疑問を持ったことから、チェーン事業に共通するマネジメント面の仕組み構築方法を体系化。その効果は大きく、マネジメントの半ば自動化と質の向上により、クライアント企業は利益2~3倍増、業種によっては仕組み実装の初月から数値を跳ね上げさせる指導を展開している。

ソニーグループが10日発表した2022年3月期連結決算(国際会計基準)は本業のもうけを示す営業利益が25.9%増の1兆2023億円となり過去最高とありました。国内製造業で営業利益が1兆円を超えたのはトヨタ自動車に続いて2社目とのことです。

私は子供の頃からゲームはよくやる方でした。

昔は「ゲームなんかやってないで・・・」とよろしくないイメージを持たれていた時代でした。そんなゲーム事業を柱に持つ企業が、これからのビジネスシーンにおいて優良企業の例としてよく挙げられていたトヨタと同等にソニーが引っ張り出されるようになると思うと「時代は変わってきたなぁ」と実感させられます。

しかしそんな好調なソニーGの今後の見通しは周りからは明るくないように見られています。それは半導体不足や巣ごもり需要の減速、物価高などが懸念されるからです。

 

企業経営においてコスト配分は非常に重要な一手です。

順調に稼げているソニーGのような企業でも、常に順風満帆というわけにはいきません。

これからどのくらい稼げるのか? その想定に合わせてコスト配分は過剰でもダメ、過小でもダメで適正値が求められます。その計画を社員、スタッフとうまく共有がなされていなければ「なんでこんなにコストを使ったんだ!」などと均衡は崩れてしまい、利益はひどい結果となってしまいます。 

その中でもひときわ経営者を悩ますコストといったら人件費ではないでしょうか?

経営において1,2を争う高コストだという点もそうですが、一番厄介なのは即断即決ができない点でしょう。

それは働いている人達の心情が密接に絡んでいるから。

コストカットしたいからと「景気悪いから給料8割にするね」とか「君は〇曜日はもうこなくていいよ」などと簡単に言う事はできません。

ある社長からこんな質問をいただきました。

「伊東さん、水増し仕事の良い見つけ方ってありますか?」

さすが創業以来、増収増益を繰り返している企業の社長。

質問自体も利益を上げていく上での核心をつく鋭い質問です。

※ここで社長のおっしゃる水増し仕事とは「仕事に必要以上に時間をかけて、いかにも苦労しているかのように見せかける行為」のことを示し、生産性も無ければ時間も無駄、しかも「今忙しいんですけど何か!?」などとおかしな正義感でご意見無用状態に陥られる最悪の行為の事をいいます。

 

社長の視点が他社とどう違うのか?といいますと

マネジメントに隙があると、暇を我が物にせんと勝手に動かれちゃう従業員が現れることを問題視している点です。

 

特に多店舗事業を営んでいますと、知らない間に競合店がつぶれていて想定以上に店舗の客数が増えて急に売上が上がったり、逆に「どうしてこんなに売上が低いんだ?」と調べてみると大規模な道路工事が始まっていたりなどで暇になることは何度もあることです。

この緩急に対して本部がどんなマネジメントの一手を用意しているか? これこそ多店舗事業を展開している企業が稼いでいけるかどうか?明暗が別れるところなのです。

 

人は忙しい時は誰もがフルスピードで動こうとしますので、特に企業側が何も準備しておく必要はありません。しかし問題なのはその逆の暇な時なのです。

本来、従業員の労働時間は会社がどのように利用して結果を出すか?企業の物であるべきなのですが暇な時になると何故か

 ・勝手に手を緩める

 ・水増しをする

 ・おしゃべりをはじめる

 ・休憩を長く取る

 ・こっそりスマホでゲームをはじめる

 ・それらしい理由を付けて楽に残業代を稼ごうとしたり

など「暇な時間は私のもの。会社の物ではなく、私がどうするか判断できる時間だ!」と不法占有されるのです。

 

たまにこんな意見をおっしゃる方がいます。

 「たかが暇に対してそこまでガチガチにする必要あるの?」

 「あれもこれも会社のモノにしたら、窮屈でみんな嫌がるんじゃないの?」

そんな意見をされる方に私は逆に聞きたいです。

「いざ急に混んできた時『なんでこれ準備してなかったんだ』となりたいんですか?」

「準備不足のしわ寄せは最終的に誰に降りかかるのでしょうか?」

「それはわざわざ当社を選んでご利用されるありがたいお客様ではないですか?」

 

「そうなってはまずい」と想定外の暇が訪れた時のよくあるコストカットの方法として挙げられるのは「会社が人件費をカットするのはしょうがないな」と従業員が納得していただけるようにとタイミングを見計らいつつ説得する行為です。

メリットは「会社は血も涙も無いな!」という反抗心を持たれないところですが、デメリットは時間がかかってしまうところです。

 

では他社と利益を大きく引き離して得られ続けている企業はどうしているのか?といいますと「両立」です。

人件費カットは従業員には反抗心を持たれず、更に時間もかからない方法を取っています。

ですから

「伊東さん、水増し仕事の良い見つけ方ってありますか?」

という質問に対して私の返答は

 「見つけ方ですか?」

 「『これですよ!』という方法は無いですね~」

 「ただ、そもそも見つけようとせずに、勝手に発覚される方法ならあります」

 「そんな勝手に発覚される仕組みを自ら構築すればいいんです」

 「いちいち見つけようとする人件費、時間さえ必要なくなりますよ」

 

みなさんの会社はどうなっていますか?

意図しない暇が訪れた時、その暇は誰の所有物になっていますか?

どんな暇が不意に襲ってこようとも、その暇は即座に会社の所有物になっていて「良かった~ 急に混みだしたけど、事前にきちんと準備が成されていて多くのお客様にも喜んでいただき、想定以上の結果も出すことができた」となっていますか?

 

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