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SPECIAL

「信託」活用コンサルタント

株式会社日本トラストコンサルティング

代表取締役 

オーナー社長を対象に、「信託」を活用した事業承継や財産保全、さまざまな金融的打ち手を指南する専門家。経営的な意向と社長個人の意向をくみ取り、信託ならではの手法を駆使して安心と安全の体制をさずけてくれる…と定評。

「じぶん、新発見」、「不思議、大好き」、「おいしい生活」と糸井重里さんのキャッチコピーで一世を風靡した西武百貨店。「そごう・西武」のファンドへの売却により、その総本山である西武池袋本店でスト決行とのニュースがありました。80年代の西武グループを知る世代には、時代の区切りを感じさせる出来事でした。

 

【西武グループ】

西武グループといえば、堤清二氏が経営する西武百貨店を中心とするグ流通ループと、堤義明氏が経営する西武鉄道を中心とする鉄道グループがありました。いずれも、オーナー家の手を離れています。

かつては、海外の高級ブランドの日本誘致を主導し、「パルコ」、「ロフト」、「リブロ」、「無印良品」などの独自の文化を形成した西武百貨店。オーナーであった堤家の手を離れた後、セブン&アイ・ホールディングスを経て、「そごう・西武」の売却となりました。

「そごう・西武を売却」で、西武池袋本店のテナントとして「ヨドバシカメラ」が入居するとの報道があります。思い起こしたのは「そごう有楽町店」。2000年に閉店した後に入居したのが、「ビックカメラ」。今も元気に営業中です。その昔、マイケル・ジャクソン来日時にお忍び訪問したこともありました。

糸井重里さんの有名なキャッチコピーが「おいしい生活」。バブルが始まる前の時代の空気感がわかる世代(例えば「新人類世代」ですが、もういい歳ですね)と、バブル崩壊後しか知らない世代では言葉の受け止め方にギャップがあるかもしれません。ただ、今でもお笑いの世界などでも「おいしい仕事」、「おいしいとこ持っていった」などと使われます。

経営者である堤清二氏について、糸井重里さんコメントです。

「最終的に何が喜んでもらえるかなというところまではたどり着くんだけど、お金にして回収するかどうかのところで、案外できていないことが。だから、いい番頭さんが必要ですよね。」(日経ビジネス)

なるほど。西武百貨店は経営上の問題により、堤清二氏は失脚。後任に「百貨店の再建請負人」と言われた和田繁明氏が就任します。就任後の同氏が作成した「西武百貨店白書」で指摘した「責任の所在が曖昧」、「危機を直視しない」などの問題点は、今も変わらない日本企業の構造的なものといえます。

【堤家の事業承継】

そもそもの西武グループの創始者は堤康次郎氏。その経歴は色々な意味ですごいです。事業家、政治家としてのオンタイムのご経歴もさることながら、オフタイムも圧倒されます。Wikipediaでは家庭の項目では4人の女性との間に5男2女と記載されます。

ですが、読み進めていくと、認めた嫡出子だけで12人、本当のところは何人いるか本人も分からない、葬儀の時には堤幸次郎氏の風貌に似た子供が列をなした、との記述もあります。

こうなりますと女性問題の対応をした部下の方々も大変だったようで、「遺産相続権利放棄書」を取ることに奔走したという側近の話もあります。

さらに、衆議院議長認証式に内縁関係(配偶者は別にいる)の女性を伴ったため、大炎上。堤康次郎氏が亡くなられた後も、鎌倉霊園にある同業者の墓地に社員がお参りをするという習慣があったと聞きました。

事業の承継も少し複雑でした。長男が廃嫡され、次男の堤清二氏を飛び越えて、三男の堤義明氏が後継者になりました。後に、名義株式問題をめぐり、兄弟で対立します。

堤清二氏がセゾングループを拡大させた背景に、父親に認められたい、弟を超えたい、という感情を指摘する意見もあります。確かに、家族の関係性が大きな影響を与えているように感じます。

堤清二氏の強い影響を受けた糸井重里さんは、経営者として「株式会社ほぼ日」を株式公開まで導きました。毎年「ほぼ日手帳」のコンセプトを解説しています。2024年は「LIFE  is  PRESENT」です。

「LIFE」の訳は、生命、生涯、人生、生き物、寿命、一生などなど。「PRESENT」は、「現在」と「贈りもの」。コンセプトの意味するところのひとつは「二度とないあなたを、この手帳に書き留めておいてください」ということでした。

 

【まとめ】

親子、兄弟といえども育った時代背景や環境が違いますと、言葉一つとっても受け止め方は違います。例えば、「おいしい」という言葉に対する受け止め方も世代によって変わります。

しかも親族が後継者という時代ではなくなりつつあります。帝国データの就任経緯別の調査では「内部昇格」がトップになっています。

となりますと、経営の承継と財産の承継を分けて考える必要が出てきます。この点についての知見、実務は欧米のファミリービジネスが先行しています。

そして、事業と家族の未来を描くときに、信託という仕組みがピッタリであることが少なくありません。特に、米国の同族企業(ファミリービジネス)で信託を活用していないファミリーは少ないのです。

そごう有楽町で爆買いしたマイケル・ジャクソンも家族のために信託(ファミリートラスト)を活用したように、アメリカでは資産の承継に信託(ファミリートラスト)が欠かせない道具になっています(そうしないと前コラムのプリンスのようになります)。

日本でも信託を活用する土台が出来つつあります。ただ、信託は道具GoogleやChatGPTと同じ道具にすぎません。大切な人に財産を残したいという思いがあっても、最適な道具の存在を知らなければ、その道具を使うことができません。
 
事業や資産を承継するための準備をするということは、自分の信念や価値観を確認する良い機会になります。

その時に、自分の願いや思いを叶えるためにどういう道具があるか、アンテナを高めておく必要があるのではないでしょうか。

 

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