再生材の活用を考える

　このところ循環経済に関わる話題提供が続いています。今日は製造業に関わる方々に再生材の活用についてお伺いしようと思います。

 

　再生材、もしくは二次原料とは、廃材やスクラップを原料として製造された資材のことを指します。元来、新品いわゆるバージン材に比べて価格的には安いものが多くても、品質面の信頼性に課題があるとされ、製造業の原材料としてはなかなか表立った需要を喚起できずにいたものです。

 

　それがこのところ高まる脱炭素志向も手伝って、再生材の需要がこれまでになく高まっていると言われています。他方で品質保証の仕組みがない、あるいは安定供給につながるだけの物量が確保しづらいなどの属性が手伝って、爆発的に需要が高まるという現象にはつながっていません。

 

　確かに環境貢献度が高い分だけ、マーケティング的には「再生材活用」がメリットになる場面もあるのでしょうが、実際に再生材活用を広めようとすると様々な課題がついて回ります。

 

　特に品質保証に関する部分は重要です。製造工程から出た工程端材など素性がはっきりしているものについては、比較的再生材へと転換しやすく、品質管理も行き届くのですが、廃材の再利用についてどこまで厳しい品質基準を適用できるのか、選別技術や検証技術など具体的な対策が伴わないと難しいかもしれません。

 

　安定供給についても同様ですが、こちらは需要が高まれば供給自体はある程度増える流れに向かうことが期待されるため、「安定需要」の創出が一つのカギになるものと思われます。

 

　これらの課題があったとしても、脱炭素につながる再生材利用への関心は、かつてない高まりを見せています。この機会を通じてメリットを追求しようとすれば、そこには技術開発や社外との連携などによる課題解決の取り組みが不可欠ということになります。

 

　再生材の活用を通じた具体的な環境貢献への取り組みにご興味をお持ちの経営者は、ぜひ当社へお問い合わせを頂ければと思います。