お金を残すための経営計画の作り方
毎年、しっかりと経営計画を作って、達成のために日々、努力をしている会社もあれば、まったく経営計画を作っていない会社もあります。また、計画があっても、その計画自体が機能していない会社も少なくありません。
当然ですが、経営計画は作っただけでは意味がありません。計画を実現させることで、初めて本来の目的が達成されます。ではなぜ、計画があっても、その計画を実現することができない会社が存在するのでしょうか。
その理由はズバリ、厳しいようですが「銀行に提出するために必要だから」「補助金の申請で使うから」といった理由だけで、形だけの計画を作ってしまっているからです。
このような計画は、融資や補助金の担当者が求める内容に合わせて作成します。そのため、社長が本来考えている内容とは異なっていたとしても、「まあ、こんなものかな」と割り切ってしまいがちです。
その結果、計画を見ても「自分で作ったものじゃないし」「自分で作ってないからよくわからない」という状態に陥ってしまうのです。これでは、経営計画とは名ばかりで、実現しないのも当然のことです。
経営計画を「絵に描いた餅」にしないためには、社長自らがアタマに汗をかき、コツコツ自らの手で練り上げなければならないのです。
社長として会社経営をしていると、日々多くの経営判断を迫られます。
「この投資は、本当に必要なのか」
「この取引先とは、取引を継続するべきか」
「今の人員数は、適正な状態なのか」
など、常に重要な決断が次々とやってきます。その際に、カン・ケイケン・ドキョウのKKD経営をしていては、経営判断に一貫性がなくなってしまいます。その結果、会社の方向性にブレが出てしまいます。
多くの社長が「もっと財務を強くしたい」と口では言いながらも、実際の経営判断を見てみると、社長自らが、財務を悪化させる選択をしていることがあります。このようなことが起きるのは、社長自身の中で、目指すべき方向性が明確になっていないからです。
財務の強い会社の社長は、自分でアタマに汗をかき、悩んで、練りに練った経営計画を持っています。これが経営の軸となるのです。
そして、経営計画を軸に、日々の経営判断を行います。自分で考え抜いて作った計画だからこそ、ブレずに、強い意志を持って実行できるのです。
成功している会社の社長は、必ず自分で経営計画を作ります。理念や方針から始まり、具体的な数字まで、すべてを自分の手で仕上げていきます。
この過程で、社長は自社の現状を深く理解し、将来のあるべき姿を明確にイメージできるようになります。そして、そこに至るまでの道筋を具体的に描けるようになるのです。
お金の管理についても同様です。
「今年は、どれくらいの利益を目指すのか」
「そのためには、どんな投資が必要になってくるのか」
「資金繰りは、どのように管理するのか」
などを、社長自身が数字で考えて計画に落とし込みます。
こうして作られた計画は、社長の意志と熱意が込められています。そのため、社員にも伝わりやすく、全社一丸となって目標に向かうことができます。
人は明確な目標があると、それに向かって行動しようとします。社長が本気で作った計画は、社員の心にも響き、自然と会社全体が同じ方向を向くようになります。
毎日の経営判断が積み重なって、会社の財務状況が決まります。明確な計画があれば、迷うことなく正しい判断ができるようになり、結果として財務も強化されていくのです。
コラムの更新をお知らせします!
コラムはいかがでしたか? 下記よりメールアドレスをご登録いただくと、更新時にご案内をお届けします(解除は随時可能です)。ぜひ、ご登録ください。

