第519号 複数店見れる店長が生まれてくるように変わったC社の理由

ビジネスにおかしな言葉があります。
「何かあったら言って」
一見、思いやりのある上司からの優しい言葉。
しかし私はこれほど無責任な言葉はないと思っています。
何が問題なのかと言いますと、上司に悪気が無くてもうっかりスルーしてしまったり、本人の真意を間違えて捉えてしまうと傷つけてしまうことになるからです。
例えばパワハラを受けている人がいたとしたら。
何かあったら言ってという言葉を信じて悩みを会社に相談した場合、下手をすると密告しただろうと捉えられてしまい、更に自分の身を危険にしてしまうこともありえます。
では、密告だとわからないように遠回しに言ったとしたらどうなのか。
今度は相談を受けた人が事の重大さに気が付かないかもしれません。
つまり社長が「会社組織内では良い人間関係を築いてもらいたい」として
「何かあったら言って」
といった風土にしていたとしても、それが逆効果となってしまうこともありえる、ということです。
店舗型のビジネスにおいて、社長が「働く皆の力を合わせて結果を出していける組織」を築いていきたい場合に大事な視点があります。
それは
ビジネスは他人任せの形にしていてはならない
ここで質問です。
Q:貴方はこれまで「それは◯◯がやってくれるはずだ」と捉えていた事。
それは、100%その通りになっていましたか。
「やってくれるはずの◯◯に動いてもらえなかった」
その結果、自分自身が痛い目を見た。
そんな経験はありませんでしたか。
店舗型のビジネスにおいて、こういった事態は深刻です。
店舗とは閉ざされた空間です。
困っているのに、まわりには気がついてくれる人や助けてくれる人はいません。
そんな隔離された空間の唯一の相談相手であるお店の責任者自身に悪気があったり、もしくは悪気は無かったとしても、うっかり相談事をスルーされたとしたらいかがでしょうか?
本人はどんな感情を抱くでしょう。
つまり会社として
「それは本来◯◯がやる仕事です」
と役目を決めただけで安心していてはならない。
更なる工夫が必要なのではないか、という視点を持つべきです。
ところでそんな工夫が上手になされたC社があります。
最近になって複数店の店長が順調に生まれていますが、以前まではそれどころではなく、社長は常に各店長の残業の多さに不安な気持ちを抱え続けていました。
そんなC社の社長に質問がありました。
「どうして複数店を見れるほどの店長が生まれるようになったんですか」
社長はおっしゃいました。
「一言で言いますと、他人任せの形をやめたからです」
「全部とっかえましたね」
御社はいかがでしょうか。
「それは◯◯がやってくれるはずだ」は、100%機能していると言えますか。
100%ではないのに、他人任せの形のままになっていませんか。

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