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親子経営 繁盛と繁栄の秘策 息子がしてはならない7つのこと⑦

  オーナーシップ強化経営 大石吉成 SPECIAL

photo人を育てるということ

これまで多くの後継者に出会いました。そして彼らが父親の跡を継いで経営者として活躍する姿をみてきました。そんな彼らに共通した問題がもうひとつあることに気づかされました。

それは、彼らには人を育てるという意識が感じられないということです。後継者だということで社内の重要なポジションを歴任してくるなかで自分の仕事をこなすだけで精いっぱいな状態できています。

彼らにとって後継者として経営者となるために社内外での自分の立場をこしらえていくことが最も重要な関心事となります。後継者として一日も早く周りに認めてもらい、経営者としての実績を少しでも早く挙げていきたいと思うものです。

そんな彼らに人を育てるという意識があるはずがありません。周りには父親が育てたベテラン社員たちがいて彼らに教えてもらうこともたくさんあるのが現実ですからなおのことです。

しかしながら後継者が経営者となって数年経つといろいろと社員のことが気になってきます。特に業績が振るわなくなってきたりすると社員たちの欠点ばかりが目立つように思われます。

また社員の世代交代が否応なく進んでいきます。先代からのベテラン社員が定年退職を迎えていくなかで次の世代が育っていないことがだんだんと明らかになってきたりします。

そのころになって初めて自分が社員を育ててきてなかったことに気が付きます。そう気が付く経営者ならまだいいのでしょうが、なかには相変わらず社員の出来が悪いことが業績不振の原因だと言って憚らない経営者がいます。

ここで論語より一節、「子曰わく、君子し、さず。小人。」と、あります。

私なりの解釈をしますと、「できた人は他人の長所をよく褒めてやり、欠点は大目にみてやるものだ。つまらぬ人は他人の欠点ばかりあげつらい、長所には無関心である。」となります。

世の中には結構つまらぬ経営者がいるものです。社員の出来ないことばかりを言い募り、社員が上手くできたことについてはなんにも言わない経営者がたくさんいるものです。これでは育つものも育たないのが道理と言えます。

では如何にして人を育てればいいのでしょうか。ここで論語からもう一節、「仲弓、季氏の宰と爲(な)りて、政を問う。子日わく、有司を先にし、小過を赦し、賢才を挙げよ。日わく、焉(いずく)んぞ賢才を知りて之を挙げん。日わく、爾(なんじ)の知る所を挙げよ。爾の知らざる所、人其(そ)れ諸(これ)を舎(す)てんや。」と、あります。

少し長くなりますが私なりの解釈をいたします。「仲弓という弟子が季氏の地方長官に取り立てられたとき、上に立つ者の心得を孔子に聞いた。孔子は次のように言った。まず人事が大切である。小さな過ちを問うことなく有能な人材を抜擢しなさい。どのようにして有能な人材を見つけ抜擢すればいいのでしょうかと仲弓が聞くと、これと思われる者を抜擢しなさい。そうすれば自然と周りの人々がこれという人材を推薦してくるだろう。」

孔子は人材を育てるにはまず抜擢することだと言っています。会社であっても同じことです。まずはこれという社員を引き立ててみることです。そして役割と責任を与えやらせてみることです。

思い切った抜擢は社内にいい意味で緊張を与えます。大事なことは抜擢した社員の小さな失敗を責めることなく、出来ていること、出来たことを認めてやり辛抱強く育て上げることです。

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