社長のための銀行借入を有利に進める財務戦略
同族会社が銀行から融資を受ける際、一般企業と比べて審査が厳しくなることがあります。その理由を理解することが、融資を有利に進める第一歩です。
銀行が同族会社の融資審査で慎重になる理由は、主に以下の3つです。
1つ目は、会社のお金と社長個人のお金の区別が曖昧になりがちな点です。
ひとことで言うと「公私混同」しやすい傾向にあります。
もちろん社長は365日休みなく働いているという側面もありますが、一方で、親族の個人的な支出が会社の経費として計上されていたり、会社の資金が個人的に使われていたりすることがあります。
2つ目は、決算書の透明性が低い場合があることです。
シンプルに言うと、顧問税理士が税法基準で決算書を組んでいるため、会計的に正しくなくても、そのまま決算書として提出されている場合があります。
ひどい場合になると、粉飾決算を顧問税理士自らが主導しているケースもあるくらいです。逆に、節税を優先するあまり、本来は事業と関係ない経費や金融商品の購入などをすることにより、実態とかけ離れた決算書になっていることも少なくありません。
3つ目は、経営判断が感情的になりやすい点です。
親族間の関係や先代の意向が優先され、客観的なデータに基づいた経営判断がされていないケースがあります。
先代からのお付き合いの関係もあって、本来なら見直すべき取引条件も、検討することなく曖昧なまま、継続していることもあります。
全ての同族会社が、もちろんそういうわけではありません。しかし、第三者による客観的な目線が入りにくい同族経営だからこそ、銀行はより慎重に審査を行うのです。
銀行が融資審査で重視しているのは、単なる売上だけではありません。銀行が最も重視しているのは、「貸したお金がちゃんと返ってくるかどうか」です。
具体的には、以下のようなポイントをチェックしています。
- 会社の手元現金がどれくらいあるか
- 借入の割合は適切か
- 本業での利益をしっかり出しているか
- 会社と個人のお金がきちんと分かれているか
- 資金繰り表・経営計画があるか
一方で、銀行借入で苦労する同族会社には、いくつかの共通点があります。これらに当てはまる場合は、早急に改善が必要です。
銀行借入で苦労する同族会社に多いのが、「どんぶり勘定」の経営です。会社にどれだけお金があるのか、毎月どれくらいの利益が出ているのか、正確に把握できていません。
このような状態では、銀行に経営状況を説明することもできず、当然ながら、銀行融資の審査でも「この社長はちょっと信用できないな」という判断になります。
もう一つの失敗パターンが、場当たり的な借入・資金調達です。
その結果、借入金がどんどん増えていき、返済に追われる状況になります。銀行も「この会社は計画性がない」と判断し、融資条件が厳しくなっていきます。
多くの同族会社の社長が陥る失敗が、財務を経理や税理士に任せきりにしていることです。
経理は「過去の結果をまとめる仕事」であり、「未来のお金の流れを考える財務」とは全く別物です。税理士も、税金のことは詳しくても、財務の専門家ではありません。
社長自身が財務を理解していないと、正しい経営判断ができません。その結果、売上は伸びているのにお金が残らない、という状況に陥ってしまうのです。
同族会社が銀行から好条件で融資を受けるためには、財務管理が欠かせません。
財務を改善した結果、担保や個人保証なしで融資を受けられるようになった、金利が下がった、融資額が増えたという社長は少なくないのです。
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