「やってみなはれ」の精神
最近、NHK連続テレビ小説の「マッサン」を再放送しています。マッサンは今のウイスキーブームに火をつけたドラマですので、よく知っているという方も多いと思います。
このドラマのなかで「鴨井商店の大将」(実話では鳥居信治郎)が、マッサン(同竹鶴政孝)に「やってみなはれ」と、よく言っています。頭で考えているより、やってみた方がよくわかるし、やらなければ成功もしないという意味でしょう。
ドラマと実話では、ずいぶん異なる部分が多いと思いますが、この「やってみなはれ」は今の我々に教訓を残しています。
当社のクライアントから、土地の処分・活用について相談を受けたことがあります。ショールーム営業コンサルタントに不動産の相談?と思われた方も多いでしょうが、当社を信用・信頼してくださるお客様ですので、どんな相談でも基本的にお断りすることはありません。
ただし、ショールーム営業以外は当社の専門ではありませんので、とっかかりをお伺いするくらいしかできません。それでもクライアントの社長は、ぽつりぽつりと話し始めます。
「先生、ほら、この土地ですよ、処分したいのは」。そう言って広げた地図上の土地を指さします。
「周りは田んぼと畑ですね。でも、いい土地じゃないですか? 日当たりはいいでしょうし」。そう答えると、社長は困った顔をしてこう言います。
「水道が来てないんですよ」
なるほど、それで処分に困っているという理由が分かりました。
水道が来ていないということは、住宅地として売れないということです。じゃあ水道を引っ張ればいいと思うかもしれませんが、近くに水道本管が来ておらず、もし、自費で遠くから引くとなると大きなお金がかかるとのこと。
「う~ん」ということになって、しばし沈黙。それでも何か方法があるだろうと思って、社長にお聞きしました。
「自治体の水道局に掛け合ったんですか?」。すると「いいや、全部不動産屋に任せてあるので…」との返事。
「それじゃあダメでしょう。自分で動いてみてください」という話をして、実際に社長自ら水道局に掛け合うことになりました。
確かに、専門家に任せるという方法は合理的ですし、成果も出やすいです。しかし、任せっぱなしではいけません。まずは自分でやってみることが大切です。
やって失敗して、またやって、また失敗して…。この繰り返しが成功を呼び込みます。失敗をしてけがをするかもしれませんが、痛い思いをするから次は失敗しないように考えます。
「やってみなはれ」という言葉の裏には「チャレンジした者だけが成功をつかみ取る。だからチャレンジしなきゃだめだ」という言葉が隠されています。
前段の社長は、確かな技術とまじめな仕事ぶりで、堅実なビジネスを行っています。確かにそれはそれでいいのですが、堅実を言い換えれば「あまり進歩がない」となります。
なぜ、そうなってしまうのか? 実はこの社長、向上心に欠けます。やってもいないのに「やっても無駄」とか「それはたぶんダメ」とか、やらない言い訳をします。よくいますね、まず否定から入る方。これは性格的なものでしょう。
本来なら、それを達成するためには、どうすればいいかを考えることです。目的を設定し、そのための手段を考える。その手段を目的に変え、そしてその手段を考える。これを繰り返すことで、大きな目的を達成することができます。
手段→目的=手段→目的=手段→目的=手段→目的・・・という風に考えていくべきです。例を出してみましょう。左側が手段で、右側が目的です。
<手段> <目的>
5S教育 → 安全・安心な職場
↓
安全・安心な職場 → 社員のフェーズ向上
↓
社員のフェーズ向上 → 真の売上アップ
↓
真の売上アップ → 会社の成長
このように考えていけば、まずは何をすべきかわかるというものです。はじめは小さな目的と手段であっても、どんどん繰り返すことにより、より大きな目的にたどり着きます。
初めから大きなチャレンジをする必要はありません。まずはコツコツと小さなチャレンジを繰り返し、それが達成できたなら、次のチャレンジをすればいいだけのことです。
決して難しいことではありません。できない理由を考えるより、どうしたらできるかを考えるほうが、大きな成功に近づきます。
ちなみに、前段の社長が自ら水道局に掛け合ったら、いい方法がないか考えてもらえることになりました。やはり業者ではなく、地主(当事者)が動くことが大切です。
あなたは、やりもせずに、やれない言い訳をしていませんか?
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