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和魂洋才をアレンジする―何を温存し何を取り入れるのかは経営者の課題―  

SPECIAL

地方メディアの高度有効活用コンサルタント

株式会社メディアコネクション

代表取締役 

広告分野における地方メディアの高度有効活用を専門とするコンサルタント。東京在住中のマーケティングビジネス経営の経験と地方企業への経営革新支援ノウハウの融合させた、独自の「儲かるための広告戦略」を開発。自らも成功実践事例として、地方メディアを舞台に展開。

「和魂洋才」という言葉があります。その意味については

―日本古来の精神を大切にしつつ、西洋からの優れた学問・知識・技術などを摂取・活用し、両者を調和・発展させていくということ―

と解説されています。

読んでおわかりの通り、かつて欧米の文化や技術をどんどん取り入れ、学習していた頃の日本人の「こうありたい」という精神の座標をかなりはっきりと言い切った四字熟語と言えるでしょう。

日本の技術水準、文化水準が世界のトップレベルに肩を並べた現代においては、もちろんこんな風に規定される必要はなく、和魂和才でも洋魂和才でも洋魂洋才でも何でもありではないでしょうか。また、昔に比べて、情報、文化、知識、技術などがけた外れの量、凄まじいスピードで世界を行きかっている今現在、どれかに規定するなどあまり意味のないことのようにも思えます。

しかし、この「魂=精神・考え方」「才=知識・技術」という両者の意味を考えるとき、これを何か現代風にアレンジして改めて掘り下げてみる、といった作業ができないものでしょうか。

そこで私は「古魂新才」という言葉を考えてみました。

昔からの古い精神を大切にしつつ、新しい知識や技術も重んじ、両者を調和発展させていくという意味です。

この考え方や切り口を現代のビジネスシーンに取り入れてみてはどうか、と発想してみたのです。

というのは、経営者の中には、新しい知識、技術などをどうしても受け入れきれない、という方が結構多いからです。特にPC(パソコン)を駆使したデータ処理やインターネット利用といったデジタル系の技術についてはアレルギー反応を示す年配経営者はまだ多く存在します。アナログ世代の彼らにはどうしても馴染めない世界観がデジタルの世界にはあるようなのです。

こういった方々に対して今さら、自ら表計算ソフトをどんどん駆使しなさい、とかインターネットでバンバン決済しなさい、とお勧めしたところで難しいのではないしょうか。とはいえ、いくらこういった新しい世界観、技術などにダメだしをしていても、これらの武器なしに現代のビジネスシーンを戦えるはずもありません。どうしたらいいのでしょう・・・

このような経営者が、どんなにデジタル的な世界観に強くないといっても、彼らにはアナログの世界の実戦で培ってきたキャリアがあります。修羅場をくぐってきた胆力も備わっています。これらのキャリアは大きな財産であり、武器でもあります。これを活かしていかない手はありません。

そう考えたときに、先ほどの「古魂新才」という言葉が浮んできます。

従来の企業家精神、胆力を備えながら、新しい技術や知識も柔軟に受け入れていく、ということになります。

この「受け入れていく」というのは具体的には、自分で直接、処理や操作ができなくても若いスタッフに任せる度量を持つ、といったことを指します。企業内には、その歴史に組み込まれたDNA、理念や哲学がありその継承は必須の課題です。一方で新しい技術や方法論の受入れも経営上重要な要素となります。この両者を「古今新才」という考え方でつないでいくのです。

上記は企業組織内の世代間連携といった考え方を示す「古魂新才」の事例ですが、これを更に応用して考えることもできます。

それは、常々私が提唱している「経営者自らが行なう情報発信」において当てはめることができるのです。

経営者が培ってきたキャリアや胆力といったものは大きな財産である、と先述しました。世の中にはこういった経験にまつわるエピソードを聞きたい、知りたいと思う人は、経営者本人が想像している以上に大勢いるということも以前述べました。ただこれまで、そういった経営者の持つ治験を伝える術(すべ)がなかったのです。

ここで私は、現代的な新しい技術であるインターネット、SNSといった手段を使ってはどうか、と提案したいと思います。これらの媒体を使って経営者自身がブログ、コラムといった形で情報を発信していけば、それはやがて企業イメージをプラスの方向で形成していく大きな力になります。ここに蓄積されたアーカイブの数々は、やがて地域FMや地方新聞に展開するという形で、さらに発信の場を広げていくことも可能です。SNSが苦手でよくわからない、ということであれば、そのセッティングだけを若手に頼めば済む話です。

こういった試みも「古魂新才」という切り口を応用して考えた一つの事例と言えるのでなないでしょうか。

さて、「古魂新才」ということを改めて振り返ってみましょう。常に先頭に立って事業を引っ張ってきたトップ経営者には、その事業の中に、自分のよくわからない分野、システムなどが組み込まれることを快く思わない方がいることは理解できます。私はこれまで、そういったタイプの多くの経営者を見てきました。しかし、かつての日本の先達が「和魂洋才」と称して、かなり頑張って欧米の文化を取り入れてきたように、現代経営に欠かせない新しい技術を取り入れていくことは必須の条件です。

世代交代が無事済むまでは、この「古魂新才」の精神を持って事業に当たられてはどうでしょうか。「古魂」の度量を持って「新才」を受け入れれば、現在進行中の事業を俯瞰することが可能となり、精神的に余裕を持った経営ができると思うのですが・・・

 

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