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経営者の言葉が持つ力とその使い方について考える―「弁が立つ」ということと情報発信との相関関係について―  

SPECIAL

地方メディアの高度有効活用コンサルタント

株式会社メディアコネクション

代表取締役 

広告分野における地方メディアの高度有効活用を専門とするコンサルタント。東京在住中のマーケティングビジネス経営の経験と地方企業への経営革新支援ノウハウの融合させた、独自の「儲かるための広告戦略」を開発。自らも成功実践事例として、地方メディアを舞台に展開。

普段、私たちが交わす会話の中で、しばしば「あの人は弁が立つから・・・」という言葉が使われます。

弁が立つ・・・人前でそつなく話をすることが上手で、聞いている人を惹きつける話題やしゃべり方が巧みな人によく使われる形容詞です。

まあこれはどちらかといえば、中年以上の男性社会独特の言葉であって、主婦の間や学生の会話で使われることはまずありません。

当然、経営者ともなれば人前で話す機会も多くなり、いわゆる弁が立つか否かは結構重要な課題にもなる訳です。またこれは経営者のみならず、政治、行政、教育などのしかるべきポジションの人間においても大事な資質と考えられます。立て板に水を流すがごとく弁が立つ、とまでいかなくとも、その場に相応しい言葉を選び、論理明快な話を組み立てることが要求されます。

人前できちんとした話ができるというのは、そのポジションに応じて必要な資質であることは間違いありません。

さて一方で、私がお勧めする「経営者の情報発信」はどうでしょうか。経営者の情報発信が何故大切なのか、という点についてわたしは一貫して次のように述べてきました。

― 自社の事業内容やこだわりの思い、守ってきた伝統や信条、哲学、目指している理想像などを、発信可能なコンテンツとして抽出してまとめあげ、経営者自身がそれを様々な媒体・・地方メディアやSNSなどを通じて情報発信すれば、それは強力な販売促進戦略として業績アップに貢献します。―

つまり、ここにおいても極めて重要なファクターは「言葉」ということになります。しかもこの場合、媒体としては、ラジオである地域FMを除けば、SNSのブログやコメントにしてもローカル紙に掲載するコラムなどにしても「書かれた言葉(=文章)ということになります。

世の中に「弁が立つ」人は一定数いると思います。しかし、文章を書くのが得意という人は、それに比べてかなり少ないのではないでしょうか。得意不得意ということでいえば、文章を書くことが得意という人が極めて少数派であることは承知の上で私は「経営者の情報発信」をお勧めしているのです。

また、次々と滑らかに出てくる言葉を場に応じて発言できるという才能と、時間はかかっても深い内容の言葉を文章化するという資質とは異なるものです。ですから、私が「経営者の情報発信」という手法をお勧めするとき、「私は弁が立たないからそう言うのは苦手な方で・・・」という逃げ口上は、ちょっとズレている、ということになります。

私たちはしばしば「弁が立つ、立たない」ということを、「情報発信をするしない」と混同して考えがちではないか、と思ったのでこのテーマに触れてみました。

更に言えば、この二つの資質(弁が立つ、ということと、きちんとした内容を情報発信できる)は、場合によっては相反すると言ってもいいかも知れません。このことは少し突っ込んで考えてみたいと思います。

「弁が立つ」というのは、そのとき臨機応変にその場に相応しい話題や挨拶など言葉を操るのが得意ということになります。そういう人は、始まりや締めの際の形式的な文言についても精通していて、滞ることなくそれを口から発することができるでしょう。

一方私が唱える「経営者の情報発信」は、その真逆にあるといってもいいかも知れません。それはその場その場に応じた言葉を、自在に操るといったものではないからです。

むしろそれとは逆に、自身の事業が積み重ねてきた際月の流れを重くとらえて、選び抜いたコンテンツを深く考察するといった作業になります。

媒体に乗せる際には、わかりやすい言葉に置き換える、といったひと手間をかける必要性はありますが、その中身はあくまでも吟味されたものでなければなりません。これらすべてに配慮しつつ文章化していく訳ですから、ハードルがある程度高くなるのは仕方のないことなのです。

「弁が立つ」というのが、持って生まれた一つの才能であるとすれば、「経営者の情報発信」は才能とは関係ありません。誰でも努力すれば必ずできることなのです。ただ、それをやろうとする人が圧倒的に少ないので、「弁が立つ」人よりももっと少数派の特別感があるのです。

繰り返しますが、「経営者の情報発信」はなにも「弁が立つ人」である必要はありません。じっくりと自社の歴史や本質に向き合い、それを真摯に発信していこうという意思のある人であれば、少々苦労はしてもそれをまとめ上げることは可能なのです。

そしてそこで紡ぎあげられた「言葉」を様々な媒体を通じて発信していけば、自社の販売促進として大きな効果が期待できることは間違いありません。

多くの経営者に「言葉」に対して及び腰にならないで、有意義な情報発信にチャレンジされることを望みます。

 

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