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差別化で苦しむ社長が持つ残念な視点

SPECIAL

キラーサービス(特別対応の標準化)コンサルタント

株式会社キラーサービス研究所

代表取締役 

経営革新コンサルタント。イレギュラー対応を標準化することで、ライバル不在で儲かる、「特別ビジネス」をつくりあげる専門家。倒産状態に陥った企業の経営再建から、成長企業の新規事業立ち上げまで、様々なステージにある数多くの企業を支援。イレギュラー対応を仕組みで廻して独自の市場をつくりだす画期的手法に、多くの経営者から絶大な評価を集める注目のコンサルタント。

「競合分析ってたしかに害がありますね。うまくいっているところほど真似したくなりますから…」── 拙著「利益3倍化を実現する『儲かる特別ビジネス』のやり方」をお読みいただいた経営者の方から感想をいただきました。

同書では、競合と差別化するために競合のやっていることを調査し、彼らと違うことをしようと頭をひねっても、結局は競合がやっていることと同じ競争軸で戦ってしまうという内容について説明しました。

これを「差別化の罠」と言いますが、違いを出そうとすればするほど似てしまうというジレンマに陥ってしまうわけです。

何かと比べて「差がある」というためには、その前提として「ある程度似ている」ことが必要になります。全然違うもの、例えば宇宙とコップを比べることはできません。

つまり、何かと差をつくろうとすることは、「違いをつくるはずが、最初から似せにいっている」ということになります。

もちろん、平素から自社の事業が「競合と似てしまっていないか」とチェックするために競合がやっていることを確認することは必要なことです。というのは、いくら新しいことをやったとしても、ある程度真似されてしまうことは避けられないからです。

しかしながら、世の中の多くの経営者がやってしまっていることは、差別化という名の「同質化」です。基本的にはその業界での常識を踏襲して安心したいということです。

このように、差別化をしたいといいながら業界他社と大筋で同じことをやってしまう経営者に共通した特徴があります。それは「視点が自分(自社)を向いている」ということです。

自分たちの事業がうまくいくために、ちゃんと選ばれるように、埋もれないように…、そういった自社の事業をいい感じにしようという観点から差別化を考えると、視野がせまくなってしまい根本的な差別化の切り口が見えなくなります。

もちろん、ビジネスでやっていることですから、自社を良くしよう、事業を強くしよう、と思うことは当然のことで何も悪くないのですが、この視点から差別化を発送するとうまくいかないという話です。

ではどのような視点から差別化を図ればいいのか…。

この答えは単純で、「顧客の未解決のニーズをさぐる」ということ必要になります。

なんだ、そんなことかと思われたかもしれませんが、これがビジネスの要諦であり、ここを曖昧に理解しているから他社と似たようなことをやってしまうことになります。

すでに同業他社が非常にいいことをやっており顧客はなにも困っていない、というのであれば御社の出番はありません。しかし、実際はそうではないはずです。顧客のことを深く理解したならば、まだ彼らも気づいていないニーズや、解決をあきらめてしまっている困りごとなどは、まだまだ手つかずのまま残っているはずなのです。

そこで御社の出番です。誰もやらないのであればうちがやろう! そうやって未開拓の領域に進んだときに、同業他社とは持っていない軸ができます。それが御社の最大の特徴となります。ここでは競合分析など必要ありません。

そうやって独自の提案を顧客に提示できる企業は、もはや「〇〇屋」や「〇〇業」といった定義がそぐわなくなります。不動産屋、散髪屋、加工屋、板金屋、金属加工業、自動車部品製造業、リフォーム業…といった、自社を一般化してしまう言葉から逃れることができるわけです。

この「自分たちは〇〇屋だ、〇〇業だ」という言葉を捨てる必要があります。自分たちはいかに世間の同業者が見えてないことを見ているか、そのストーリーを語ることです。そのストーリーなくして何をやったところで経営がうまくいくはずがありません。

創業者だろうが二代目だろうが雇われだろうが、すべての経営者は起業家であるはずです。世の中にない「業」を起こしていくことが求められているのです。

みんながやっていることを「よりうまく」やれば儲かる時代は終わりました。もう後追いは通用しません。いまのように変化が連続的に起こる世の中において、ずっと同じことをやっていたり、他社を真似したりしていては、経営は苦しくなるばかりです。

「孤独な者よ、君は創造者の道を行く」とは哲学者ニーチェの言葉ですが、当社は創造者たる経営者の皆様の挑戦をこれからも応援し続けます。

 

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