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「何か困っていることはありませんか?」を安易に言わない理由とは

SPECIAL

6ヶ月増販増客コンサルタント

有限会社 乾コンサルティング

代表取締役 

わずか6ヶ月間で、顧客・取引先を増やし、売上を伸ばしていく「増販増客の仕組みづくり」を専門に指導する、販売戦略のスペシャリティーコンサルタント。これまで20年以上にわたり大小300以上の会社や販売店を指導。営業・販売の実務指導では述べ1千名以上に直接関わり、業績向上に大きく貢献。その様々な知識や経験の中から、より短期間に業績向上に直結する実務として、「6ヶ月増販・増客プログラム」を開発。

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前回のコラムで、営業活動の考え方のひとつとして、「あいまいな説明(質問)は、あいまいなイメージになる」の話をしました。そうすると、当方がコンサルティング支援している会社の推進メンバーから次の質問をいただきました。

「乾さん、あいまいな説明は、あいまいなイメージになるについては、前回の打ち合わせで聞いていたので、理解していたのですが、コラムの文章では、あいまいな説明の後に、カッコ( )書きで質問という文字が入っていたのですが、これは、どういう意味ですか」という質問でした。

前回のコラムを読んだ方は、カッコ( )書きの質問の意味は理解できていたでしょうか? 「あいまいな説明(質問)は、あいまいなイメージになる」

ちょっと、本題から外れますが、このコラムの目的は二つあります。一つ目は、不特定多数の方に、経営におけるなんらかのヒントや気づきになれば良いということです。二つ目は、当方が支援している会社に当方の考え方を理解していただくことと、戦略推進を行う中で、振り返りの材料にして欲しいということです。今回は、二つ目の目的が機能しているので、非常に嬉しく思っております。

では、本題に戻ります。カッコ( )書きの質問だけに焦点を当てると次の文章になります。「あいまいな質問は、あいまいなイメージしかできない」です。

ここ、大事なので、もう一度、繰り返しますね。「あいまいな質問は、あいまいなイメージしかできない」

営業活動でこの考え方が理解できているか、出来ていないかを簡単に見分ける方法があります。

例えば、営業活動で、「お客様のニーズを把握するために、お客様の困りごとをしっかり聞いてくること」と言っている会社は多いかと思います。

その時に、お客様の困りごとを聞くためにどのような聞き方を営業担当者に指導しているでしょうか。ベテランは、お任せで良いかもしれませんが、若手等の営業経験が乏しい方には、どのように指導しているでしょうか。

当方が主催しているセミナーで、このことを聞くと次のように答えられる方もいました。「乾さん、営業担当者なので、それは、指導するというものではなくて、営業担当者が自ら考えるものですよ。それが出来ないのなら営業マン失格ですよ」 

そう、営業担当者にお任せというパターンです。放任主義ですね。別にこれが悪いと言っている訳ではありません。会社それぞれにやり方がありますので。ただ、上司が部下を指導するということを放棄していますので、属人的要素の強い組織になることは言うまでもありません。

若手営業マンに困りごとの聞き方の指導をしている会社で、一般的に良くあるケースは、次の言葉かと思います。「何か困っていることはありませんか」です。

皆さんの会社はいかがですか。この言葉が決して悪いと言っている訳ではありません。営業活動における考え方を理解して、この言葉を活用しているかどうかです。

「えっ、どういうことですか?」という声が聞こえてきそうですね。

繰り返しになりますが、営業活動の考え方の一つとして、「あいまいな質問は、あいまいなイメージしかできない」があります。

これを、理解していると、次のことが分かってきます。困りごとには二つあります。一つは顕在している困りごとです。もう一つは潜在的な困りごとです。

顕在している困りごとを聞く時は、「何か困っていることはありませんか」でOKです。なぜなら、問題は顕在しているので、すぐに答えてくれます。

次に、潜在的な困りごとを聞く時は、「何か困っていることはありませんか」で大丈夫でしょうか。あいまいな質問は、あいまいなイメージという考え方を理解していれば、潜在的な困りごとを聞き出すことは出来ないとうことは理解できるかと思います。

当たり前のことですが、「何か困っていること」という質問はものすごくあいまいだからです。困りごとが顕在的になっていないので、具体的なイメージができるはずがありません。

このことを理解して、「何か困っていることはありませんか」という言葉を使っているのであれば問題はありませんが、理解せずに、九官鳥のように覚えた言葉を誰に対しても、「何か困っていることはありませんか」と聞き、その報告で上司に対して、特に悩みはなさそうですねと答えていては本末転倒です。

百歩譲って、「顕在的な困りごとはなさそうですね」という回答があればまだましです。

では、潜在的な困りごとはどのようにして聞けば良いのか・・・。

これも、営業活動の考え方になります。その考え方は、ものすごくシンプルです。「具体的な質問は、具体的なイメージになる」です。

もう一度、言いますね。「具体的な質問は、具体的なイメージになる」です。

そうすると、潜在的な困りごとを聞くためには、次のような言葉になるかと思います。

「営業活動で、色々なお客様にお伺いしていると、○○をしている時、○○の問題が良く起こるということを良く聞きます。ひょっとしたら、御社でもそのようなことがあるのではないかと思うのですが、○○をしている時に何か不都合や問題点などはあるでしょうか。あるいは、・・・・」

というような感じです。これが、分かれば、この○○というフレーズを何にすれば良いのかを必死で考えます。第21話のコラムで書いた、「場づくり」ができている会社は、この○○のフレーズの数がたくさん出てきます。(場づくりができていない会社は、コンサルタントに答えを依存してきます)

そして、この○○の数が出れば、後は、現場で実践するだけです。もの凄くシンプルです。一般的な言葉で言えば、仮説と検証です。

話が、色々な方向に飛んでしまったため、最後にまとめますね。

「あいまいな質問は、あいまいなイメージしかできない」という考え方が理解できていれば、お客様の困りごとを聞く時は、顕在的なお困りごとと潜在的なお困りごとを聞く時の言葉が変わるということです。全てのお客様に「何か困っていることはありませんか?」と聞くことはナンセンスであるということです。

さて、あなたの会社では、お客様の困りごとを聞く時は、どのような質問をしていますか?潜在的な困りごとを聞くことは出来ているでしょうか。

 

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