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会社の良さを伝える切り口とは?

SPECIAL

ブランディング営業体制コンサルタント

H&Cブランディングマネジメント株式会社

代表取締役 

中小企業のための、「ブランディング営業体制」を構築するコンサルタント。営業スタッフのみならず、全社をあげて、企業価値をしっかり守り、価格競争をせずに確実に売れていく体制づくりを指導する。

20161220

「来年は、少し事業の方向性を変えて行こうと思っています!新たな事にも挑戦したいですしね。」

年の瀬を迎え、来る年の希望に満ちたこのような経営者の方々とお話しをするのは、とても気持ちが良いものですね。聞いているこちらまで何だかワクワクしてきます。ビジネス展開や商品サービスの創造サイクルが早くなって来た昨今、常に次なる目標を掲げて前進することは経営者にとってとても大切なことです。

一方で、その新たな方向性についての中身や可能性・将来性について、きちんと説明できるツールに落とし込む作業となると、「自分の頭の中にはあるんだけどな~」と、頭を抱える経営者も少なくありません。これから始める新たな挑戦…まずは社内の理解を得て、そして市場を開拓し、顧客に受け入れてもらわなければビジネスとして成り立たないワケですが、これを伝わる形にすることは慣れている人でもなかなかひと苦労です。なにせ、これまで無かった商品や、やって来なかったサービスを提供していくのですから、そもそもそれを世の中が必要とするかどうかも疑わしいところです。

そこでぶつかる第一の壁は「そのサービス(商品)を提供する自社の紹介」です。売れる営業の仕組みづくりをお手伝いする中で、必ず通るのがこの会社紹介です。なぜ自分の会社がそのサービスを提供し、なぜ我々は存在するのか?というそもそもの存在意義についてです。このように説明すると何やら難しいものに聞こえますが、あるパン屋さんの事例を基に考えてみたいと思います。

以前、「会社案内を作成したい」とご相談に来られたパン屋の社長様。近所に大手スーパーやコンビニが出来たことでお客様が少なくなってきたこのままではいけないと、新商品の開発に乗り出したそうですが、自社の店舗だけでは販売できる数が限られており、何とか販路を開拓したいと思った時に、これまで「会社をきちんと紹介するツール」が無なかったことにぶつかったそうです。

これは意外と多くの企業にも言えることですが、立派な商品パンフレットやホームページはあるけれど、その良さがしっくり来るとなると別問題で、顧客目線で落とし込みがされているかどうかでその伝わりやすさは大きく左右されるのです。

先程のパン屋さんも、材料や商品について「美味しい」「ふわふわ」「安心・安全」と表現してしまうと他のパン屋さんとの違いが表現できず、ましてや会社の紹介は?と言うと、創業がいつで、工場がどこで、従業員が何人でという会社説明に終わってしまうことも多くあります。

しかし、この社長様のお話を聞いている中で非常に面白いな~と思ったコトは、「それぞれのパンをつくる時、“その人”が食べるシーンを一生懸命想像しています」とおっしゃったことです。例えば、朝食用のパンをひとつとっても、忙しいお父さんが出勤途中に運転しながら片手で食べられるパンを考えたり、食べるのが遅い子どもさんには食べやすいひと口サイズにしたり、また、しっかり噛んで味わいたいという高齢者の方にはゆっくり時間を掛けて食べるアレンジしたパンを…といった具合です。

この社長様は、子どもの頃から憧れだった“パン”という食べ物に対してとても思い入れが強く、お客様には「パンを食べる時間が快適であって欲しい」という気持ちと、「食べた人には幸せな気持ちになって欲しい」という想いを込めてつくっているのだそうです。決してそれは豪華な材料である必要も無いし、時間を掛ける事が重要だとも思っていない、と。それぞれの人がそれぞれのシーンに合わせたベストなパン選びの場を提供できる…そんなパン屋さんで在りたいのだそうです。

そこには、派手なパッケージやお金の掛かった設備など一切ありませんが、顧客のハートをガッチリ掴む“想い”と、そこに会社が存在する意義が明確にあるのです。このような切り口で会社を説明することができれば、きっと買う側にもバチッと伝わるはずです。

経営者の皆さま。相手に伝わる会社紹介、できていますか?そこには明確なスジが一本通っていますか?そこに会社が存在する意味は、経営者にしか説明できないんですよ。

 

 

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