オンラインで優れたコンサルティングを活用する!

数字を読む ― 9兆6,580億円 ―

白川博司
SPECIAL

通信販売コンサルタント

株式会社四方事務所

代表 

通販戦略なくして事業の成長はない! 20年間にわたり、300社以上の通販立ち上げに携わってきたプロコンサルタントが、経営者のための通販視点とこれからの事業発展の重要戦略について提示。

この数字は、東南アジア6カ国の2025 年のEC市場規模予測である。米グーグルとシンガポール政府系投資会社、テマセク・ホールディングスによると、東南アジアにおけるネット通販を含む電子商取引(EC)市場の規模は、2015 年の55 億ドルから25 年には878 億ドル(9 兆6,580 億円)に拡大。10年間で16 倍という驚異的な急成長市場になると予測している。とくに2.5 億人の人口を抱えるインドネシアは、離島が多く商業施設が不足しているため、ネット通販の急速な普及が見込まれている。

この地域で最大級のモール型・ショッピングサイトを展開しているのが、“東南アジアのアマゾン”と称されている「Lazada(ラザダ)」だ。このラザダにいち早く目を付けて買収に動いたのが、グローバル展開を推し進める中国のアリババ・グループで、昨年の買収に続き、今年6月に10億ドルの追加投資を行い、完全にラザダの支配権を手中に収めている。

親会社となったアリババはラザダと連携し、アリババの通販サイト「淘宝網(タオバオ)」を年内に東南アジア6カ国で展開するほか、電子決済「支付宝(アリペイ)」の普及も推進していくという。

東南アジアで実績のある「ラザダ」をブランドとして前面に押し出しつつも、商品供給や仕組みではアリババの経営資源を活用し、物流でも連携を強化していく戦略である。

まずは、ラザダが今春からシンガポールとマレーシアで始めているのが「タオバオコレクション」だ。これは、商品の供給者を優良な業者などに絞り込み、対象商品を約400 万点に厳選して粗悪品や模造品を排除。サイトも英語で表記するなど、新方式で市場を開拓していく狙いだ。

ラザダはインドネシア、ベトナム、タイ、フィリピンの残り4市場でも現地版のタオバオを年内に始める計画で、ラザダの共同創業者でマーケティング部門の責任者を務めるアイモネ・リパ・デ・ミアーナ氏は、「企業や消費者との関係構築から物流、決済まで幅広く含むプロジェクトだ。両社がいかに効率的に協力し、成果を出せるかの証しになる」と意気込む。

経済成長が続く東南アジアは所得水準が上がっているのに加え、40 歳以下が7割を
占めるなど、中国に比べ若者の割合が高く、ネット通販の急拡大が見込まれている。

近く東南アジアへ進出するとみられるアマゾン・ドット・コムに対抗するためにも、ラザダはアリババ・グループとの連携により地盤強化をし、急ピッチで迎え撃つ準備を進めている。

 

コラムの更新をお知らせします!

コラムはいかがでしたか? 下記よりメールアドレスをご登録いただくと、更新時にご案内をお届けします(解除は随時可能です)。ぜひ、ご登録ください。


Warning: Undefined array key 0 in /home/xb528411/jcpo.jp/public_html/wp-content/themes/jcpo_theme2020/inc/inc-under-widg.php on line 4

Warning: Attempt to read property "term_id" on null in /home/xb528411/jcpo.jp/public_html/wp-content/themes/jcpo_theme2020/inc/inc-under-widg.php on line 4