理論だけで作られた制度は組織を衰退させる!

  組織の成長加速 木村英一 SPECIAL
木村英一 SPECIAL

組織の成長加速コンサルティング

株式会社グロースサポート 代表取締役 木村英一

組織の成長加速を促し、業績躍進を実現させる辣腕コンサルタント。これまで130社以上の企業において、経営者のコンサルティング、経営幹部、経営リーダーの育成に携わる。組織とリーダーの成長段階を知り尽くし、経営者と同じ目線で語ることのできる希有なコンサルタントとして活躍中。

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「木村先生、『部課長に(自分との)面談のスケジュールを入れろ!』っていったのに、誰も入れないのですよ。」と不満顔だったY社長。3年前は、社長と幹部には定期的な対話の場はありませんでした。

あれから3年、現在、社長との面談の対象は4人の役員。2週間に1度の定例ミーティングが行われるようになっています。ちょうど役員に新任されたSさんとの面談の機会がありましたので、社長との面談に関して伺うと、Sさんは興奮気味に話し始めました。ひとしきり話すと、「社長もお忙しいと思うのですが、この時間はずっと続けて欲しいです」とのことでした。

社長との面談のメリットを上げてもらいますと「(社長との)面談は、Sさんが率いる組織の生産性の向上、改善行動、チーム意識の醸成のためのヒントが満載」とのことでした。

これが要因の全てとは思いませんが、この会社は、この3年間、最高売上げを更新中。業界平均の成長が伸び悩む中で、二桁成長を続けています。新たに導入した制度が、組織の本質を捉えていて組織の成長に大きく影響を与えた事例です。


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組織の制度設計の話になると、もう一ついつも思い出す話があります。それは、かつて外資系の会社に勤めている友人が話してくれたエピソードです。

友人が働いていた外資系の会社の業績が急拡大していた当時、業務の担い手として、大量の新卒、中途社員の採用が行われました。ところが、新卒入社の社員は3年目までに、半数近くが辞める。中途社員は、3年で8割が辞めるという有様。

そんな状態にあっても、機会損失を避けるために、マーケットの伸びに応えるために大量採用は死守するという方針が変わることはなかったそうです。

その結果、高い退職率を下げる施策にも力が入れらることになりました。退職者を減らすことができれば、ノウハウの蓄積、品質の向上、業績向上につながるとして、役職者にはその施策への協力が強く求められたのです。

施策への協力度合いは、役職者の業績評価の重要な指標とされ、重要な業務の一つにと見なされるようになっていきました。

経営陣の分析によれば、高い離職の根本原因は、特異な労働環境にあること、という結論。

  • プロジェクトベースで、チームが編成されるため、社員には固定の上司がいない。
  • そのため、悩んでも相談する相手が身近にいない。
  • その結果、1人で悩み、苦しみ、結局辞めるという選択をする
    というもの。

この構造的な問題に対応すため、導入されたのがメンター制度でした。メンター制度とは、新卒社員、中途採用の社員に、メンターがあてがわれ何でもそのメンターに相談するべしというもの。

役職者全員がメンターになりました。役職者なら、必要に応じて社内人脈を使って比較的短時間に問題解消の手伝いがスムーズだという期待からでした。

20名の社員に1人のメンターでスタートしたのですが、急激な拡大に会わせ、年を追う毎にこの比率は変わっていきました。翌年には30名に1人、更に翌々年には40名に1人という具合だったのです。

その友人もそのメンターの1人でした。そこで当時いくつか質問してみました。メンバーのことをどこまで知ってるか聞きますと、「顔と名前が一致しない」と言いました。次にどのくらいの頻度で話すのかと聞いたら、「2回」という返答が返ってきました。

不思議に思って、どういう意味か尋ねると、「1回目は入社時の顔合わせで30分。メンター制度に関する説明をするそうです。2回目は、なんと退職の挨拶で、15分。」とのこと。

メンター制度は完全に機能不全に陥っていたのです。

その友人が知る限り、メンター制度を利用して、新入社員、中途社員から退職の相談以外は受けたことがないとのことでした。メンター1人に対してあまりにも人数が多かったのと、そもそも信頼関係の構築する機会がなく、相談がくるわけがないというのが、メンターの共通認識であったようです。

機能不全に陥ったメンター制度の犠牲者は、新入社員、中途入社の人達だけではありませんでした。友人の同僚の役職者の中には、次々と持ち込まれる退職の相談を受けて、何も力になれない罪悪感から、自らの精神を病むメンターも1人や2人ではなかったそうです。

この友人の経験した話は、嘘のような本当の話です。


組織の拡大に合わせ、生産性の向上、質の向上、のために、制度や仕組みは必須のもの。これは間違いありません。

しかし、組織の特性や、組織の持つダイナミズムの本質を無視して、理論だけで構築された制度や仕組みは、まず動きません。そして、動かない制度、仕組みは、形骸化していきます。

形骸化した制度、仕組みは入れ変えたり、捨てればいいのです。が、本来の目的である生産性の向上、品質の向上がおぼつかないばかりか、寧ろ、生産性を下げる、品質を落とすことに成りかねません。

見た目には綺麗な理論で構築された制度には注意が必要なのです。


さて、御社は如何でしょうか?
形骸化した制度、仕組みはないでしょうか?
もしあるなら、形骸化している理由は何でしょうか?

 


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経営者のための、「組織の成長加速法」
木村英一

組織の成長加速コンサルティング

株式会社グロースサポート代表取締役

木村英一

執筆者のWebサイトはこちら https://www.change-growth.jp/

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