1人の100歩よりも100人の1歩を目指せ!

  組織の成長加速 木村英一 SPECIAL
木村英一 SPECIAL

組織の成長加速コンサルティング

株式会社グロースサポート 代表取締役 木村英一

組織の成長加速を促し、業績躍進を実現させる辣腕コンサルタント。これまで130社以上の企業において、経営者のコンサルティング、経営幹部、経営リーダーの育成に携わる。組織とリーダーの成長段階を知り尽くし、経営者と同じ目線で語ることのできる希有なコンサルタントとして活躍中。


先日ある企業の常務と面談をした時のこと。面談の冒頭に、常務からいくつか質問をいただきました。常務の質問にお応えするうち、以前ならこういう類いの質問は受けなかったなぁと感じましたので、質問にお答えした後に、その旨を常務にお伝えすると。

「最近は、あれ(特定の質問)ばかり繰り返してますよ。ついつい、私が話すぎてぐっとこらえることも、未だありますけど。随分(自分が話すことは)減りました。」といって、いつもの豪快な野太い笑い。

常務には直属の部下としては、部長が2人。今はその部長から次々と提案がでてくるので、常務はその内容を一緒に確認したり、別の視点から考える手伝いをしているとのこと。2人の部長が中心となって組織を動かすようになった今年、常務が絶好調だったと胸を張った前年度の実績を更に上回る勢いです。


常務は、社長からも信頼が厚く、他の役員からも、やり手と一目置かれる方でした。丁度1年ほど前に社長とお会いした時には、常務を評して、「ダンプカー」とおしゃっていました。

「見極める力が飛び抜けているから、結果は必ず出すヤツだが、馬力がありすぎてどうも部下がついていけないようだ」と。

常務の部下の2人の部長に関しても「悪くはない。悪くはないけど、そつなくこなすものの、このままだと次がない」と社長。常務は向上心はとても強いのでなんとかならないかとご相談をいただいたのでした。

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大企業でも、若くして一つの事業部も任されたという常務は、頭の回転がとても早く、面談時には私も大いに刺激を受けたものでした。新しい考え方にも前向きに取組み、飲み込みも早く、積極的に自分のものにしようとしていました。

一方、前職での成功体験はやはり大きな障害となって、常務の行く手を阻みます。直属の部下の2人の部長以外にも、常務に相談する部下達が口を揃えて「(常務は)まるで未来が見えているように話すんです」という言葉が示す通り、常務が一方的に指示をするスタイルでした。

自らはそのやり方で成功を勝ち取ってきたという気持ちがどこかにあるために、なかなか新しいスタイルに移行できずにいました。

私が、常務と部長との面談に同席させてもらった時も、相談をしにきた相手が話し終わるか終わらないかで、一気に課題解決までの手順を機関銃のように指示していくというものでした。

実際に、課題までの道筋が頭の中でパッと映像のように浮かぶようで、
「まず、こういう風にやってみて。」
「そうすると次はこんなことが起こるから、その時はこう対処する。」
「そして同時にこんな問題も発生するから、それには、事前にこうしておけばいい」
「その次に、、、、」
万事この調子。

記憶力も抜群でした。部下が進捗報告を滞らそうものなら、間髪を入れず状況の確認と次のステップの指示が飛びます。

部下達も、下手なことを言おうものなら、機関銃のごとく指示が飛んでくる。
どんどん自分の仕事が増えることになるので、聞かれるまで(実際に意見を求められることはほとんどない)ダンマリを決め込むのが日常になっていました。


社長にしてみれば、有能な常務には、管理部門も含めて、更に多くの部門を率いてもらいたいとお考えでしたが、当時の常務のやり方だと時間が幾らあっても足りないだろうというのが、残念な部分。この点は、常務にも伝えてはいるものの、改善する気配がない。

そんな状態でのスタートでした。常務のご年齢も50代後半でしたので、長期戦も覚悟で面談を始める旨、事前に社長にも了解をいただいて進めました。

前半の3ヶ月は、膠着状態が続きました。常務は懸命に努力されるものの、前述した理由でなかなか今までのスタイルが抜けない。

4ヶ月目より漸く常務のほうが新しいやり方に慣れ、常務が一方的に話す場面は減りました。そしてこの常務の変化から遅れること数ヶ月、常務がびっくりしたと報告してくれたことがあります。

部長お二人から「○○しようと思います。」「○○したいのですが、進めてよいですか?」という言葉がでたというのです。嬉しそうに話ながらも、まだ半信半疑といった様子で、「今回たまたまかもしれません。」といって笑った常務の言葉は、冗談のようでもあり、本心のようでもありました。

しかし、それは一時的に終わらず、その後も継続し、そして、部長からの提案の量も増えていきました。その後の面談では常務は「部長達も自分と同じような解決策を考えられる」ことに正直驚いている様子でした。


変化が顕著になった頃、常務に目の前で起きてる変化について尋ねたことがあります。その時、常務は次のようなことを言っていました。

「部長や課長が集まる場では、考えろ、もっと考えろと言っていましたが、私が考えさせてませんでした」と。

この言葉は、私のコンサルティングを通して、面白いほどよく聞かれる言葉です。特に、自分が全て指示を出し、トップダウンで推し進め、成果を出してきた幹部の方々の場合は、判をを押したように出てきます。

どんなに出来る人であっても、一人で考えることには限界があり、一人で指示を出すことにも限界があります。そのスーパーマンの影響力が組織で大きくなることは、リスクが大きくなることで中長期的には必ずデメリットが大きくなります。

組織の成長スピードが変化するときには、スーパーマンが自ら課題解決を止める時に起こります。

組織の中核となる幹部が、社員への対応技術をマスターした時、部下自らが課題を解決することが当たり前になっていきます。これの面白いところは、この対話の変化は永続的に続くことです。

仕組みは、世の中の状態に合わせて、変わっていきますが、仕組みを動かすために無くてはならない、上司が部下を動かす技術は変わりません。


さて、御社の経営幹部の場合は如何でしょうか?
相変わらず、幹部自らフル回転して全ての問題解決を実践しているでしょうか?
それとも、自分以外の社員に問題解決させることを促しているでしょうか?

 


経営者のための、「組織の成長加速法」
木村英一

組織の成長加速コンサルティング

株式会社グロースサポート代表取締役

木村英一

執筆者のWebサイトはこちら https://www.change-growth.jp/

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