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記憶に頼らず、記録に頼る

SPECIAL

成長支援部づくりコンサルタント

ヒーズ株式会社

代表取締役 

会社の大元となる「総務」を革新すれば、すべての事業部に影響を与え、顧客志向になり、驚くほど業績が伸びる。経営者が着手すべき、「成長支援部づくり」を指導。

 記憶に頼らず、記録に頼る

銀行に勤めている時、平均すると3年に1回のペースで転勤がありました。

支店から別の支店へ転勤する時は実質2日間が引継ぎ期間です。その2日間も、日中は取引先への挨拶回りに追われ、夕方からペンディング事項等の引継ぎを終えたらほぼそれで終了。具体的にどうやってその後の業務を行うかは後任者任せです。

けれども、それで特に支障なく業務が回るのは、支店が違っても業務のやり方は同じであり、分からなければ必要なことはマニュアルに書いてあるからです。

貸出申請書はどうやって書くのかまでいちいち後任者に教えていてはとても2日間での引継ぎは無理です。申請書の書き方は一応分かっているという前提で「A社は今この点が問題となっている」という特殊事項だけに絞って説明することで比較的短期間で引継ぎが終わります。

しかも、過去の交渉記録やどんな取引を行ってきたかは書類として記録に残っています。そして、たいてい一つの取引先に対して、支店長-副支店長-課長-担当者という4人がいるのでこのうち1人が代わっても継続性という点では問題が生じにくいのです。

つまり、銀行の場合は
・基本となるマニュアルがある
・過去のデータが書類として残っている
関係者が複数いる
ため、短い引継ぎ期間でも業務を回していくことが可能になっているのです。

一方で、多くの中小企業では
マニュアルが整備されていない
・過去のデータが記憶の中にしか残っていない
関係者が一人しかいない
ために、担当者が一人いなくなると業務が止まってしまうことがあります。

少人数で仕事を回すのがベースとなる中小企業の場合、関係者を増やすというのは現実的ではありません。また、マニュアルを整備するにせよ、慣れていないとマニュアルを作ること自体にかなりの時間を取られるので、上手くいかないことが普通です。

その時には、まずは形式に囚われずに少しづつでも記録をつける習慣を身につけることがスタートです。

記憶に頼らず、記録に頼る。たとえ、最初はメモ書きレベルのものであっても記憶は時間が経つと消えてしまいますが、記録があれば思い出すきっかけにもなります。

ブラックボックスをなくすにはまずは頭の中にあるものをアウトプットすること。最初から完璧なものを作るのではなく、小さな一歩を踏み出すことでだんだんと目標に近づきます。

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