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なぜ事業が伸びない社長に限って売上データを見ないのか

  キラーサービス(特別対応の標準化) 中川洋一 SPECIAL
中川洋一 SPECIAL

キラーサービス(特別対応の標準化)コンサルタント

株式会社キラーサービス研究所 代表取締役 中川洋一

経営革新コンサルタント。特別対応を標準化することで、ライバル不在で儲かる、「特注ビジネス」づくりの専門家。倒産状態に陥った企業の経営再建から、成長企業の新規事業立ち上げまで、様々なステージにある数多くの企業を支援。イレギュラー対応を仕組みで廻して独自の市場をつくりだす画期的手法に、多くの経営者から絶大な評価を集める注目のコンサルタント。

当コンサルタント開催セミナーがあります。

社長の役割というのは日々の業務の指示出しをすることではなく、より上位である戦略レベルで事業を考えることです。社長がいちいち社員に指示を出したり顧客と話したりしないと事業が回らないという状態では、結局社長の手の届く範囲がその企業の成長の限界となります。

一方で、この考えと矛盾するようですが、事業を伸ばす社長ほど売上データを毎日確認しています。それも単に売上金額の確認だけではなく、どの顧客が何をどれだけ買ったかという売上の中身を見ています。

つまり、大局観をもって戦略レベルで事業を動かしている社長ほど、細かいデータにもこだわっているということになりますが、これはどういうことでしょうか。

その理由はいくつかありますが、そもそものベースとして、うまくいく経営者は「商売というのは一社一社あるいは一人一人の顧客が買ってくれてはじめて成り立つ」という事実を忘れていないということです。

何を当たり前なことをと言われるかもしれませんが、まとまった売上が継続して入ってきていると、売上をトータルの金額でしか見なかったり、顧客をバクっと「セグメント」でしか捉えないといったことが起こりがちです。

こうして顧客からの受注というものを全体でしか捉えなくなると、商売上ものすごく重要なあるものを拾えなくなってしまいます。

それは「違和感」です。

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商売は一社一社、一人一人の「個客」からの受注で成り立っているという事実を忘れていない社長は毎日の売上データを見ながら、この「違和感」を探していきます。これにはネガティブ、ポジティブ、両方の視点があります。

前者でいうと「自社の強みが崩れていないか」という視点です。例えば自社が小ロットや短納期などの利便性や買いやすさで勝負している場合、買いやすいわけですから当然顧客数は多くなるのが正解です。それが、実際は少数の顧客からの大口受注に頼る構図になっているとしたら、自社の強み(と思っているもの)が効いていない可能性があります。

他にも、起こるはずのクロスセルが起きていなかったり、強いと思っている商品が売れるはずの顧客には出ていなかったりと、実に様々な「あれっ?と思うこと」を毎日のデータから拾うことができます。そして、このような読み取りをきっかけにして、戦略の修正を図っていくことができるわけです。

顧客のニーズは変わっていきます。また競合の動きもあります。自社の強みを固定化して考えないことです。強みと社長が思っていることは、実はすでに過去のことなんてこともあり得ます。そうならないために、日々の売上データを見ながら「違和感」を拾っていくのです。

また、より重要なのは「ポジティブな違和感」を拾うことです。

受注の中身を毎日見ていると、ときに「変な注文」が入ることに気づきます。通常の顧客とは異なる業種業態の会社から注文が入ったり、めったに出ない商品がぽっと売れていたりします。こういった「変な注文」を深掘りし、彼らが買った理由探ってみると、思いもよらぬ顧客ニーズを拾えることがあります。「えっ、うちの商品、そんなことにも使うの?」とか「えっ、うちの対応のそんなことが嬉しいの?」といった驚きです。

これが事業を伸ばす武器になります。

自分たちが想像していなかった用途やメリットを顧客に提供しているということはよくあることです。新しい「当社の商品を買う理由」です。これを自社の強みとして横展開すれば、事業の新たな柱になる可能性もあります。

個々の受注をまとめてひとまとまりで考えたり、顧客をセグメントとしてばくっと捉えてしまうと、こういった事業を伸ばす「芽」を取りこぼしてしまうということです。

念のために述べますが、社長が一社一社の個客の対応に口を出せということではありません。繰り返しになりますが、社長は個よりも全体、戦術よりも戦略、個客レベルではなく事業レベルで手を打っていく役割を担っています。

しかし、そういった事業の構造を理解し、進化させるためには 「個に迫る」視点も必要と言うことです。

毎日の売上データを見るというのはその一例です。個に迫るためには他にも様々な情報収集の仕組みが廻っている必要があります。顧客の声から「当社の商品を買わない理由」を把握することもその一つです。

大事なことは、時折思いつきで個に迫るのではなく、常に情報を確認し、流れで捉えることです。

よく言われることですが、物事を見るには、鳥の目、虫の目、魚の目の3つの目が必要です。

事業レベルでその構造に手を打っていくには、全体を俯瞰する鳥の目が必要であることは言うまでもありませんが、その事業戦略の進化のきっかけとなる「個」に迫る虫の目、そしてそれを流れで捉える魚の目も同時に持つ必要があるのです。

御社の経営にはこの3つの目が活かされていますか?
 ビジネスの潮目を読むための「個」を流れでつかむ仕組みは廻っていますか?

 

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儲かるキラーサービスを つくる社長の視点
中川洋一

キラーサービス(特別対応の標準化)コンサルタント

株式会社キラーサービス研究所代表取締役

中川洋一

執筆者のWebサイトはこちら http://ksli.co.jp/

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