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社員のモチベーションを上げれば、売上アップするのか?

SPECIAL

全員営業コンサルタント

辻経営 有限会社

代表取締役 

会社の一人ひとりの小さな力を、無理なく売る力に変えて、全員営業で自然と売上があがる体制を築く実践手法とは…。

先日、経済産業省sbicで登壇した際に質疑応答で出された質問があります。

それは、社員のモチベーションをあげることの是非についてです。

個人的に、この件では、世間一般で言われているものとは、全く違う見解を持っています。本日は、社員のモチベーションアップと売上アップの関係性についてお話します。

「辻先生、売上アップには、現場のモチベーションを上げることが重要と良く言われますが、どう思われますか?」

この質問に関する私の答えは、シンプルです。

「モチベーションをあげれば競争相手に勝てるなら、高校野球も高校サッカーも、一番強いチームでなく、一番勝ちたいと思っているチームが優勝する」

しかし、営業現場のモチベーションを上げる施策が、まったくムダとは言いません。

なぜなら、経営者が「この3月は期末なので、最後まであきらめるな!」と叱咤激励すれば、多少は売上アップに影響するからです。しかし、このやり方は、一過性の効果に終わります。

本来、会社経営で目指すべきは、決算期の3月に入ってから慌てなくていいように、そこまでの11か月間で業績達成が目に見えるように整えておくことです。

もし、御社が、期末月ごとに営業部門を叱咤激励しているとすれば、ここで振り返って頂きたいのは、昨年4月~今年2月の11か月間で、どんな新しい施策を考えて、現場にどう働きかけたかということです。

重要なのは、経営陣が色々考えて、現場スタッフにも様々な学習機会を与えたとしても、実際に新しい施策や改善による動きがなかったとすれば、結局は現状維持の経営でしかないということです。

過去、何年かに渡り、営業に苦戦している会社の場合は、必ず営業活動において現場が共通して悩んでいる問題が存在しています。

しかし、営業現場のモチベーションを上げれば、その問題は解決するのでしょうか?

仮に、何年も前から同じ問題に直面しているとすれば、逆説的に、叱咤激励を繰り返している会社ほど、その問題の一部はとっくに解決する方向に向かうか、既に解決している営業マンが一部に存在しているはずです。

そうなっていないならば、営業部門や営業マンのモチベーションを上げることでは、解決しない種類の問題ととらえる方が建設的ではないでしょうか?

では、どうすればいいのか?

 

営業部門や営業マンの問題ではなく、会社全体の問題としてとらえることにより、会社の全部門と全社員が一致団結して、営業活動そのものを前提から見直して、スムーズにさせることが重要と考えます。

いままでよりも、営業活動がスムーズになるとすれば、営業現場のヤル気に関係なく、業績アップにつながっていくからです。

会社経営において『お客様を維持し、増やすこと』は最重要事項です。

その解決を、「営業マンのヤル気」や「営業部門のがんばりだけ」に依存する必要はないというのが、全員営業の基本的な考え方なのです。

 

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