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「チェーン経営で顧客に飽きられる前にすべきこととは」

  個店力最大化 伊藤稔 SPECIAL
伊藤稔 SPECIAL

個店力最大化コンサルタント

株式会社 レイブンコンサルティング 代表取締役 伊藤稔

儲かるチェーン店をつくっていくには、時代はいま、「画一化」から「個店力最大化」へと変わっている! 多店舗展開するスケールメリットと、一店一店の魅力を強くして収益力を圧倒的に強くしていく実務とは…。

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「先生、人がいないので、業務改革部門が無くても 人時売上に取り組むことはできるでしょうか?」

とあるチェーンの経営者からのご相談です。

単なる幹部研修のということであれば、それでもいいと考えます。企業として結果を優先したいのであれば、仕組みは必須となります。とハッキリ申し上げました。

チェーンの店舗経営には、多くの客数、多くの品数、大量の物量、長時間営業、接客…といった業務が複雑にからみ、多くの人手がかかっています。

その人件費は、販売管理費の半分以上を占めることから、これをコントロールする管制塔機能が必要となります。

管制塔とは、航空機が安全に離着陸できるよう、指示を与え誘導するため空港に設置された施設ですが、

チェーン経営に於いても、店舗が予定通りの収益が確保をするには、指示を与え誘導する機能が必要でそれが「業務改革部門」にあたります。

実際にこうした「仕組み作り」によって、結果をだされている経営者の方からは「仕事の質がかわった」とか「人材が強化できた」といった声をお聞きします。

例えば、人時売上を、経営の共通の指標にすることで、本部では、無駄なことや余計なデータを作ることが減り、各部門の会議の時間が短くなってきています。

店舗運営のスタイルも大きく変わります。店長は出勤したら、確認すべきことが決まっていて、見るべき数値を片手に売場を点検します。

入荷数に合わせ、人員配置を設定することで、開店時には予定通り品出しは完了しています。その後は、売場のメンバーへに声をかけながら商品の入荷状況の実態を確認していきます。

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あるチェーンでは、こういったことに取組む前では、本部の会議体は、気温とか競合のチラシ価格といった概況報告がメインでした。

業務改善に関する議論がされなかったため、各店の店舗業務は増える一方で、

店舗は、開店時に売場作りが終わらないため、店長はチラシ片手に自らが品出しやレジの応援要員になっていました。

売場作業は、売場ごとの縦割りシフト編成のため、融通が利かず、時間内に仕事が終わらないのに人件費オーバーが常態化し、店舗の不満は蓄積していく一方でした。

試行錯誤の結果、このチェーンの社長がとった方法は、人時売上という内部を変える指標で「仕組み」を作り直すことでした。

気候や競合チラシといった、外部要因については、極力話し合いの議題から外すことにし、業務改善のための会議に変えたのです。

ところが、最初はなかなかこういったことがうまく進まず、苦労をされていました。

理由は意外なところにありました。いざ店舗内部の問題から取り組もうとしたものの、それまで、本部として店舗の仕事内容を知る術がなかったことから、どこから手をつければいいのか、皆目見当がつかなかったのです。

そこで、一旦、業務内容をすべて書き出し、人時割レイバースケジュールを作成することで、課題を浮き彫り化するようにしていったのです。この活動を数カ月続けることで、本部の体質や店長の取り組み意識が大きく変わっていったのです。

先日お会いした時も「もしあのまま、人に仕事を付けたままやっていたらと考えると、背筋が凍るようでした」と、明るく冗談トークを飛ばされる社長の言葉には、自信と余裕が伝わってきます。

重要なのは、経年劣化している現状のチェーンの改革を楽しんで取り組むことです。こんなに儲かっていいのか?と仮説を立てながら、明るい未来を妄想してポジティブやることです。と申し上げています。

だれでもそうですが、人時生産性と聞くと、経費カット。リストラ。人員整理。といった暗いイメージが付きまとい、頭の中だけで考えていると、一歩を踏み出しにくいものです。

「自分はネガティブのつもりはない」という声が聞こえてきそうですが

その壁を乗り越えていくためには「人」から「業務」に目を向けるように意識を切り替えていくことが必要となります。

例えば、「仕事の業務項目に対して無駄な業務経費をカットする」とか「ムラのある業務をリストラする」とか「無理がかかっている業務を整理する」というふうに進めていくと、ネガティブなことは、どこにもないことに気づきムリなく「仕組み作り」の環境が整っていくことになります。

「仕組み」とは、誰がやっても同じ時間で同じ品質のものを提供できることです。

分かりやすい例で言えば、貴社の店頭にあるペットボトルの自動販売機をイメージしてください。と申し上げています。

自動販売機は誰が管理しても、顧客がコインを入れてボタンを押せば、飲み物が出てきます。場所と電源さえあれば駅や店舗どこでも設置することができ収入が入ってきます。これがチェーン経営に必要な「仕組み作り」です。

一方で、商品を提供するのに、人がいないとできないものもあります。例えば、高級日本料理店などは、料理長がいなければ料理は提供できません。

料理人を育てるところからやらなくてはなりませんが、そこでは何年も修行を積まなくてはなりません。時間がかかるため、そのままではチェーン経営に必要な「仕組み作り」とはなりません。

「うちは接客も必要だし自動販売機とは違う」という声が聞こえてきそうですが、

もちろん提供するサービス内容によって異なってきますが、皆さんのビジネスが、どちらに近いのかを考えてみていただきたいのです。

自動販売機型であれば、誰でも管理することが出来るのでそのまますぐに横展開ができますし、一定の売上も見込めます。

高級日本料理店型であれば、修行を積ませるための職人さん育成のコストがかかります。

また、長く働いてもらうこととなるので社員構成比が高く人件費も高くなります。粗利を確保するためには、商品価格は高く設定することも必要になります。

ここでしか味わうことのできない、逸品料理の単独店としてやっていくであればそれはそれでいいと思います。

しかし、多店化していくのであれば、修行ではなくマニュアルと教育組織が必要となります。そしてもっとも重要なことは、生産性と品質を向上させていく組織をおくということです。

理由は単純で、もしビジネスを模倣され、付加価値の高い競合が近隣にオープンすれば、否応なく顧客はそちらに奪われてしまうからです。

また、顧客は飽きやすく、いくら気に入った店舗であっても、長年利用し続ければ、新しい何かに目移りしていきます。

小売りチェーンの場合、実競合店舗でなくても、すでにAmazonをはじめとしたインターネット通販が台頭し、家電、衣料、食品、雑貨は大きな影響を受けています。

アメリカの家電大手ベストバイが、顧客が実店舗で商品を見て、Amazonで買う「ショールーミング化」によって、破綻寸前に追い込まれた話は久しいですが、そこから再生まで7年の苦しい歳月を乗り越えようやく再生の兆しが見えたのはつい最近の話です。

彼らがとった戦略は、「通常体制で利益が出るローコストオペレーションの改善を行い、その上で、顧客管理をデータ化し、戦略を立てることが最重要課題だった」と現CEOは振り返り述べています。

先のチェーンでは、これまで、販促強化にお金をかけ売上をとる手法から、無駄な作業を減らすことで、人時売上を引きあげていく「仕組みづくり」へ大きく舵をきりました。

商売ですから、売れるときも、売れない時もあります。売れた時、上手くいった時というのは記憶にのこっているものですが、上手くいかなったことや失敗したということは意外にも記憶にないモノです。

大型チラシを打って、砂糖を一日に100ケース売った武勇伝は記憶残っていても、人件費オーバーで苦い思いをし、利益の未達の記憶はほとんど残っていません。

業務改革部門を設置するということは、この人の記憶に頼った経営から 人時売上という記録に基づいた、オペレーションに転換をしていくことになります。

経営者として、人が育ってから… 実力がついたら… 資金に余裕がでたら…

そういった夢を語るのではなく、経営者としてポジティブな一歩を踏みだし、人を育て、実力をつけ、儲かる事業を実現させていかなくては、「チェーン経営の経年劣化」と「顧客の飽き」というものに対応できなくなってしまうからです。

さあ、貴社では、まだ夢を語り足踏みを続けますか?それとも「仕組み作り」で企業の夢を叶えますか?

 

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【儲かるチェーン店】 個店力を最大化させて収益を伸ばす経営視点
伊藤稔

個店力最大化コンサルタント

株式会社 レイブンコンサルティング代表取締役

伊藤稔

執筆者のWebサイトはこちら http://www.ravenc.jp

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