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社員のモチベーションを上げてはいけない理由

  キラーサービス(特別対応の標準化) 中川洋一 SPECIAL
中川洋一 SPECIAL

キラーサービス(特別対応の標準化)コンサルタント

株式会社キラーサービス研究所 代表取締役 中川洋一

経営革新コンサルタント。特別対応を標準化することで、ライバル不在で儲かる、「特注ビジネス」づくりの専門家。倒産状態に陥った企業の経営再建から、成長企業の新規事業立ち上げまで、様々なステージにある数多くの企業を支援。イレギュラー対応を仕組みで廻して独自の市場をつくりだす画期的手法に、多くの経営者から絶大な評価を集める注目のコンサルタント。

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先日、知人の経営者からの依頼で、いまコンサル起業を考えている方からの相談を受けました。いわく「社員のモチベーションを上げるコンサルで起業しようと思うんですけど、どう思いますか?」とのこと。

私は間髪入れずにお答えしました。「そんな意味のないことやらない方がいいですよ」と。


 

たしかに「社員のやる気がない」「彼らがやるべきことをやらない」という経営者の悩みはいつの時代もなくなりません。自社の社員が100%の力とまではいわなくても、せめて全員が持てる力の7割でも発揮してくれたら会社はどんなによくなるか…と思っている経営者も多いことでしょう。

だからといって社員のモチベーションを上げることを目的にした策を講じるというは短絡的な発想です。

そもそも、巷で講じられている「社員のやる気を引き出す」ための方法は、モチベーションではなくテンションを上げようとしているにすぎません。そして、上がったテンションは必ず下がるものです。

その代表的なものとして「ほめて伸ばす」というアプローチがありますが、ほめるということはその社員の働きが「期待以上だった」ということ、つまり当人のパフォーマンスが期待値より上振れしていたということであり、いくらほめ続けて木に登らせようとしても、当人の実力を根本的に上げない限り、結局は「期待値」に収束していくのは当然の結果です。

そういうと、「いや自分はテンションを上げ下げなんてしていない。本当の意味で動機づけをもたせようとしているんだ」というコンサルタントや経営者もいらっしゃるでしょう。

しかし、いずれにしても「社員のやる気」を直接的に対処すべき経営上の課題だと思っている時点で根本的におかしな発想といわざるを得ません。

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これは経営者が自分自身のことを振り返ってみれば明らかなことです。

もし経営者が「わが社の経営を鍵は自分のモチベーションがあるかどうかだ」なんて思っているとしたら、それはかなりまずい状況であることは理解できるはずです。

経営者は逃げることはできません。まっとうな経営者であれば、やる気があろうがなかろうが「やるしかない」と思っているはずです。経営者はモチベーションの低下なんかで悩んではいません。経営者が「やる気が出ない」状態にあるとしたら、それは何らかの理由で経営がうまくいっていないからであって、「やる気」自体を問題にしたところで何の解決にもならないのです。

これが社員のパフォーマンスの問題となると「彼らのやる気を上げよう」という発想になってしまうわけですが、社員についても同じことです。やる気があるから仕事がうまくいくのではなく、仕事がうまくいくからやる気がでる。つまり、モチベーションのあるなしなどというものは結果でしかないのです。

したがって経営者が考えるべきは、社員がやる気があろうがなかろうが結果が出せるよう支援することです。

そのために経営者がやるべきことは2つあります。

まず一つは、社員が「やるしかない」と思える状況をつくることです。言い換えると、経営者と同じように「逃げられない状況」を社員にも持たせることです。

これは具体的には管理職やチームリーダーの立場にある社員に「オーナーシップ」を持たせるということです。彼らに権限と責任をセットで付与し、本当の意味でプレーヤーではなくマネージャーの役割をもたせることです。

彼らをほめたり叱ったりして業務をやらすのではなく、彼ら自身にしっかり考えさせ、自らの権限と責任において結果を出すことに向き合わせる。それを通してお金を稼ぐことの本当の厳しさと、それを乗り越えたときの深い喜びを理解させるのです。

そして経営者がやるべきもう一つのことは、彼らが結果を出せる環境をつくってやることです。

任せたからあとは知らん、では権限移譲という名の丸投げでしかありません。経営者は自社の管理職や次のリーダーがプレーヤーからマネージャーへと変革するための手助けをしてやる必要があります。

そして、プレーヤーからマネージャーへと変わることハードルの一つは前回のコラムでもお伝えした「仕組み化」です。これまでは優秀なプレーヤーとして業務をこなしてきた彼らも、部下をつかって組織として結果を出すことを覚えていかなければなりませんから、仕組みをつくる側へと成長する必要があります。

その「仕組み化」のための考え方を授けてやらないと、彼らは迷走し、結局個人的な頑張りだけで結果を出そうとして空回りしてしまうのです。

リーダークラスの社員にオーナーシップを持たせ、経営課題を自分事とさせる。そして彼らが結果を出せるような環境をつくる。単に結果を求めるのではなく、結果がでるような仕組みをつくる手助けをしてやる。そのための経験やノウハウが社内に不足しているのであれば、外部を使ってでもやりきる。そうしてリーダークラスに「自分で結果を出す喜び」を味わわせることで、彼らのモチベーションは勝手についてきます。うまくいくからやる気がでるのです。

社員の「やる気」をどうこういう前に、彼らが「その気」になる環境をつくっていきましょう。

 

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儲かるキラーサービスを つくる社長の視点
中川洋一

キラーサービス(特別対応の標準化)コンサルタント

株式会社キラーサービス研究所代表取締役

中川洋一

執筆者のWebサイトはこちら http://ksli.co.jp/

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