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できる社員を頑張らせてはいけない理由

SPECIAL

キラーサービス(特別対応の標準化)コンサルタント

株式会社キラーサービス研究所

代表取締役 

経営革新コンサルタント。イレギュラー対応を標準化することで、ライバル不在で儲かる、「特別ビジネス」をつくりあげる専門家。倒産状態に陥った企業の経営再建から、成長企業の新規事業立ち上げまで、様々なステージにある数多くの企業を支援。イレギュラー対応を仕組みで廻して独自の市場をつくりだす画期的手法に、多くの経営者から絶大な評価を集める注目のコンサルタント。

まだ組織化が十分にできていない会社では、往々にして社長がプレーヤーとして誰よりも忙しく働いているという状況になりがちです。

そこで、右腕となる社員を決めて、彼に現場の仕事を任せようとする社長も多いですが、これがなかなかうまくいかず、「右腕が育たない」というお悩みを聞くことも多いです。

なぜ自分の右腕が育たないのか?

それは、彼に仕事をさせようとしているからです。

ん? 仕事をさせてはいけないって、遊ばせるということか? と思われたかもしれませんが、もちろんそうではありません。

正確に言うと、社長がいままでやってきた仕事を自分の右腕にそのままやらせようとするのが間違いということです。

社長がいままでやっていた現場の仕事をそのまま右腕に渡したのでは、社長が楽になる変わりに猛烈に忙しい社員が一人増えるだけのことです。

そしてその彼はオーバーキャパになって自滅。もう限界だといって会社を去っていくというのもよくあるパターンです。

これではいつまでたっても組織としての力は上がっていきません。

ここで社長がやるべきは、自分の右腕に「仕組み化」を考えさせることです。つまり、社長自身だけでなく、自分の右腕にもプレーヤーを卒業させ、人をつかって仕事をすることを覚えさせるのです。

具体的に言えば、「あなたがこれをやってくれ」と仕事を渡すのではなく、「これをみんなでできるように仕組みを考えてくれ」と指示をだすということです。

もちろん、最初はその右腕の彼もじれったい思いをするでしょう。なんせ自分でやった方が早いし、みんなでやるといっても正直使えない社員も多いわけですから。

それでも、自分一人でやらせないことです。それが管理職として彼を育てることになります。

これからの時代、社員間の能力の差はますます大きくなっていきます。なぜなら、過去の時代は全員で「作業」をやっていても事業は成り立ちましたが、今後は「作業」ではなく「企画」や「発想」の力が問われていく時代だからです。

つまり、社員にも「考える」ことに向き合わせないといけない時代になっています。そのためにも優秀な社員に「作業」をさせて仕事をやった気にさせてはいけません。

このようにお伝えすると、うちはギリギリの人員でやっているから、管理職であってもプレーヤーとして使わないと回らないと言われるかもしれません。

しかし、往々にしてみられるのが、それぞれの社員が一人分の力を出しておらず、たとえば10人社員がいるのに戦闘力は合わせて6や7にとどまっているという状態です。

それであれば、リーダーの1の力の0.8なり0.5なりを「手足」ではなく「頭脳」に使い、いかにそれぞれの社員が1の力を発揮できるか、その仕組みと仕掛けを考えさせることです。そうして全員が有機的にかかわり、協調して働くことで、10人で10の力が15にも20にもなる可能性があります。

そして何より、リーダーには“人を動かすこと”、そして“チームとして結果を出すこと”に向き合わせなければなりません。そうしないと、いつまでたっても本当の意味での社長の右腕は育たず、会社を次のステージに上げることは難しくなります。

また、自分の右腕となるリーダーにすぐに「答え」を教えてはいけません。彼らの力量を見極めながら、ギリギリまで突き放し、自分で考えさせる。それが彼らが育つ道です。責任と権限を与え、自分事として目の前の課題に向き合わせる。そしてどうすればいいか、自分で考えて提案させるのです。

一部の優秀な社員にホームランの量産を期待しても、社員一人の戦闘力などたかが知れています。であれば、監督としての素質がある社員をリーダーにし、彼に知恵を絞らせ、全社員が確実にヒットを打てるチームをつくらせることが、チームを強くする道です。

そういうリーダーが何人も育ってくると、御社に本当の意味での「経営陣」という陣営が出来上がります。そうなれば、仕組み化された事業を横展開し、新しい事業を仕掛けていくこともできるようになります。そのサイクルが回っていけば、10億、20億、100億と会社のステージを上げていくベースが作られることになります。

社長が一人で抱え込むのではなく、またそれを優秀な社員にそのまま押し付けるのでもなく、経営陣と全社員がフルに力を発揮できる体制をつくっていきましょう。

 

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