真の経営課題に気付いていない後継社長の傾向
当社は、同族会社と社長の財産管理実務の専門機関なので、様々な会社経営にまつわるお金の相談ごとが寄せられます。
今までは、後継社長さん世代からのご相談が多く寄せられましたが、最近では、全国の先代社長さん世代の方より「次世代へスムーズなバトンタッチ」を目的としたご相談も多くなりました。
先代社長世代ですと、経営の第一線で采配を振るうこと自体が、精神的・体力的にも大変かと思いますが、「次世代のために…」「家族や社員のために…」と、自社の財務に真剣に向き合われています。そのため、「何とか、社長さんのお役に立ちたい!」と強く思います。
社長さんの中には、「これまで自分なりに財務の実務はやってきたが、イマイチ結果が得られない…」という方がいらっしゃる一方で、「今まで、全く財務の実務に関わってこなかった…」という方もいらっしゃいます。状況はそれぞれですが、その会社にあった結果が得られなければ意味がありません。
コンサルティング導入時点では、社長さんが今までどのような考え方で経営の舵取りをしてきて、今現在、どのようなことに経営課題を感じているのか…をじっくり掘り下げ、目指すゴールを具体的にしていきます。
日々、多くの経営者と関わる中で常々感じることは、バブル世代や高度経済成長期を経験したことのある世代の社長さんほど多い「間違った常識」にあります。
具体的には、「売上が増えれば、経営が安定して、潰れない会社になるはず…」「お金のことは、経理や税理士に任せておけば大丈夫…」という勘違いをしている社長さんが非常に多く、自分の会社の真の経営課題に気付くことができていないのです。
原因は、自社が抱える真の経営課題に真正面から向き合う方法を持ち合わせていないことです。逆を返すと、もし、社長が財務を知らずに経営が上手くいっていたならば、それはある種の幸運…といっても過言ではありません。
強く永く続く会社の社長は、多かれ少なかれ「財務」の実務を知り、その重要性も理解しているものです。 逆に、財務を知らない社長は、何年も何十年も、「事業は順調なはずなのに、なぜかお金が残らない…」という漠然とした不安を持ち続けているのです。
ここで大切なことは、社長自らが「売上をつくる能力」と「お金を残す能力」は全く別の能力であるという事実に気付くことです。売上が増える=(イコール)潰れない会社になるのではありません。
財務中心の会社づくりこそが事業永続のキーポイントなのです。
もし、あなたが次世代に続く強い会社づくりを本気で目指すならば、自らが、「財務」の実務を知った上で、自社の財務を磨き上げる努力をしていかなければならないのです。もちろん「財務」の実務習得に年齢は関係ありません。
「財務」の実務は、一生モノの価値があるため、早い段階で習得すればその知識や技術を長く使い続けることができます。よって、結果的に多くのリターンを得ることができます。そのため、出来る限り早い段階で財務中心の会社づくりを目指すことをオススメしているのです。
社長の仕事は、強く永く続く会社づくりをすることです。もっといえば、会社の未来を創ることです。
あなたは、社長として、会社の未来をつくれていますか?
ダイヤモンド財務®コンサルタント
舘野 愛
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