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VOL9. お客様満足と10年顧客戦略

SPECIAL

10年顧客化・CRMコンサルタント

株式会社 SIS

代表取締役 

初来店の時から、10年顧客に育っていってもらうための社内体制をどうつくるか…。再来店してもらい、熱烈なリピーターに育つ確率…を5%、10%、確実に引き上げる仕組みづくりを指導。

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年顧客が増える企業は「ずっと満足してもらうことを考える」、
たどり着けない企業は「その時々の満足を考える」

VOL4「10年顧客戦略、導入の理由」で、10年顧客戦略がお客様満足(CS)をアップするお話をしましたが、今回はもう一歩踏み込んで、お客様満足について詳しくお伝えしたいと思います。店舗ビジネスにとって、お客様満足は事業の根幹をなすものです。

今まで皆さんの企業では、お客様満足を経営者(事業責任者)が従業員みんなで進めてきたでしょう。変化が激しい時代の中、事業が存続していることが何よりもその証拠です。素晴らしいことです。他の会社のお客様満足よりも、質が高かった現実があったのでしょう。

ただ、「お客様満足」は、企業内で言葉としては行き渡りますが、一定以上、中々染み込んでいかない言葉でもあります。なぜならお客様満足という言葉には、弱点があるからです。示している意味が広過ぎて、人それぞれで、お客様満足の中身に対する認識が違ってしまうのです。経営者、本部、現場スタッフで、ココロからの一体感が生まれづらい言葉なのです。

そうならないためには、経営者は、お客様満足に今、どんな論点があるのか、知っておく必要があります。それを知って、それを前提に従業員に伝えていけば、今よりもぐっと深く浸透していきます。 お客様満足の論点は、大きく「1.時間の軸」「2.量の軸」の2つがあり、順番にお話していきます。もちろん、その際に10年顧客化との関わりについてもお伝えします。 

 

  • お客様満足の論点「1.時間の軸」

まず1つ目の論点は、お客様満足を「時間の軸」で考えると、「その時々でお客様に一定の満足をしてもらう!その時満足タイプ(=短期的お客様満足)」と、「時間の経過とともにお客様の満足が上がっていく!ずっと満足タイプ(=中長期的お客様満足)」、2つの種類が存在する点です。「その時々でお客様に一定の満足をしてもらう!その時満足タイプ(=短期的お客様満足)」は、ファーストフード、100円ショップ、コンビニ等の業態で大事なことで、基本的にはクレームを出さないことを一番意識したお客様満足です。通えば通う程に接客対応がよくなって、お客様の満足が上がっていくことをそれほど意識していません。商品・MDの改善でお客様の満足を上げていくことを基本にしています。 例えば、マクドナルドでは、お客様満足は意識していますが、通えば通う程に接客対応がよくなって、お客様の満足が上がっていくことをそもそも目指していませんよね。

一方、「時間の経過とともにお客様の満足が上がっていく!ずっと満足タイプ(=中長期的お客様満足)」は、百貨店、地元の専門店、高級ブランドショップ、ホテル、割烹、フレンチレストラン等の業態で大事なことで、クレームを出さないことは大前提で、お客様の気持ちに一歩、二歩と近づいて、琴線に触れる対応を目指すお客様満足です。10年顧客戦略が目指すお客様満足は、こっちのお客様満足です。

10年顧客戦略を進める経営者は、お客様満足を語る時に、『お客様満足には「その時々でお客様に一定の満足をしてもらう!その時満足タイプ(=短期的お客様満足)」と、「時間の経過とともにお客様の満足が上がっていく!ずっと満足タイプ(=中長期的お客様満足)」の2つがあり、私達が進めるお客様満足は後者だ』と丁寧に伝えることが大事です。 短期的お客様満足を考えている従業員と、中長期的お客様満足を考えている従業員がいては、同じお客様満足を大切にしていても、お客様への価値観・想いが重なる部分が少なくなってしまいます。一体感が生まれません。どうしてもお客様満足が言葉だけに、キャッチフレーズ的に、ファンタジー感が漂う言葉として社内で捉えられてしまいます。

そうならないように、「ずっと満足タイプ(=中長期的お客様満足)」を基本に据えて、経営者・従業員みんなで10年顧客戦略を進めて行きましょう。

  • お客様満足の論点「2.量の軸」

2つ目の論点は、お客様満足の「量の軸」です。 お客様が満足しているかいないかでいうと、来店している殆どのお客様は、お店に対して一定の満足はしているでしょう。(そうでなければ他店に行っているはずですよね。)

お客様が満足する点数を仮に80点以上と考えると、殆どのお店が80点、取っているでしょう。お客様からすれば合格点です。ただ自社のお店が80点取れていても、他の企業のお店が90点だったら、皆さんのお店が選ばれない可能性が出てきます。

これからの時代は、お客様が満足しているかいないかではなく、どのくらいお客様が満足をしているのか、量が大事な時代になっています。

  • レジの場面で丁寧にお礼を言って、入口までお見送りすることで80点のお客様満足は届けられますが、購入した商品について、ブランドの特徴、メンテナンスの仕方について丁寧に伝えることを加えると、お客様満足は90点になります。
  • お礼状を出していることで80点のお客様満足は届けられますが、お礼状の中身でお客様について想いを馳せたコメントを加えることで、お客様満足は90点になります。

10年顧客化を進める経営者は、お客様満足を語る時に『お客様満足には「お客様満足ができているかどうかを大切にするタイプ(=お客様満足の有無を追う道)」「お客様満足の量を80点ではなく90点にしていくタイプ(=お客様満足の量を追う道)」の2つがあり、私達が進めるお客様満足は後者だ』と丁寧に伝えることが大事です。 お客様満足の有無を考えている従業員と、お客様満足の量を考えている従業員がいては、同じお客様満足を大切にしていても、お客様への価値観・想いが変わります。そうならないように、経営者が丁寧に語りましょう。

  • まとめ

10年顧客戦略は、お客様満足の論点「1.時間の軸」でいうと、より中長期に、お客様満足の論点「2.量の軸」でいうと、量を意識して増やしていくことが、大事です。

10年顧客戦略は、お客様満足を大切のするのはもちろん、レベルの高いお客様満足を目指していきます。普通の企業が目指しているレベルのお客様満足ではなく、ワンランク、ツーランク上のお客様満足です。それを経営者(事業責任者)が強く意識することが大事です。 

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