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その致命的なミスは誰のせい?

SPECIAL

マインドシェアNo.1ブランドコンサルタント

株式会社アトリオン

代表取締役 

国連が提唱する「持続可能な開発目標」SDGsのフレームワークを活用し、顧客にも社員からも永く愛される「マインドシェアNo.1ブランド」確立のための社内体制を構築する。会社の哲学、商品・サービスの優位性を明確にし、社員の意欲を引き出して、顧客のファン化を後押しするスペシャリスト。顧客と社員の双方の満足を循環させるES-CSチェーンを土台に、競合との圧倒的な差別化をはかり、会社のステージを上げたい企業から絶大な支持を集めている。

先日、某ビールメーカーの新商品のラベルにスペルミスがあって発売中止になったというニュースが流れました。EであるべきところがAだったとか。誰もミスに気付かず、ビールの缶に商品名も印刷されたところで発覚。前職で印刷物を扱っていた身としては、ヒトゴトとは思えない事態で、その先どう展開するか気になっていました。

校正ミスは広告や広報に関わる人が見る悪夢の一つです。いくら目を皿のようにしてチェックをしても、思いもよらぬところに誤字や脱字が紛れていて、気づいた時には後の祭り。刷り直すべきか、目をつむるかは、大いなる悩みのタネでした。

ウエブの主流の時代になって修正が楽になったという意味では、誤字脱字のプレッシャーは若干薄まりました。が、やはり、公開後に第三者の目で発見されてしまったときの気まずさは依然として存在していました。

今回のビールの一件では、間違った文字がアルファベット。推測するところ、デザイナーが缶のデザインをした最初の時点から間違っていた可能性が高く、どこで間違えたかを突き止めようとすれば、そのあたりに行きつくと思われます。

しかしながら、たぶん何度も校正やデザインチェックを重ねて、何人もの目で見た結果、発見できなかったわけですから、どう考えても連帯責任。誤字の発端となった人の責任に帰するのは、フェアではありません。

何でこんなことをしつこく言うかというと、何か問題が起こったときに、まず犯人探しをするという風土にたまに出会うことがあるからです。

会社のイベントにもっていくべき備品が一つ足りなかった。担当者の確認ミスだから、責任もってとりに行ってこい、とか、

ホワイトボード用のサインペン、5本も置いてあるのに、1本もくっきりかけるのがないじゃないか。担当者は何で事前に確認しておかなかったのか、何度言ったらわかるんだ、とか。

こういう場面に出くわすと、いつも私にはこんな声が聞こえてきます。

「誰かの責任にしておいて、その落ち度を責めるのは楽だけど、その落ち度を未然に防ぐことに対して、あなたができることはなかったのですか?」

もちろん、ミスやうっかりを許そうと言っているわけではありません。ミスなどない方がいいに決まっているし、意図的にやったのではなければ、二度と起こらないように肝に銘じてほしい。それでも、あえて、何か問題が起こったときに、「自分はその事態に対して、何かできることはなかったか」と自問する。こういう社員が増えると、組織が変わってきます。

誰もが会社の中で起こったことの当事者として関わるようになると、組織としての問題解決能力が上がります。なぜなら、多くの目で問題の根本を見つめ、その解決策を考えようとするからです。その責を担う人だけを取り残すことなく、一緒に解決しようという考えを持つようになるからです。

イベントの備品に心配があるなら、一緒に確認してあげるとか、サインペンのインキがいつもかすれるなら、使う前に確認しておくとか。自分が忙しくてできないなら、誰かに一緒に確認するよう依頼するとか、本人に対して誰かと一緒にチェックするよう言っておくとか。

多分こういったミスは一度だけでなく、何度も同じパターンで繰り返されますので、相互にだんだんわかってくるはずです。そのパターンに気づけば、どういう手を打っておけば良いかも見えてくるはずです。

意図せずして起こってしまったミスに対して責任問題だけをあげつらっても、本質的な解決になりません。そこから何を学べるかの方に関心を向けさせる方が得策です。それもできるだけポジティブにやったほうが、効果があります。

さて、その発売中止になったビールですが、思いのほか温かい励ましのメッセージが集まったようで、中止発言は撤回され、再度、発売予定が告げられました。もちろんスペルは間違ったまま。これはこれで話題を呼び、まさに意図せずして広報効果を発揮したことになります。

災い転じて福となす。こういうエピソードがたくさん出てくるようになると、会社が楽しくなります。仕事が自分ごとになってきます。業績にも好影響が出てきます。

そんな仕掛けづくりをするために、ぜひ一緒に考えていきましょう。

 

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