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言われるがままにカイゼンをする危険

SPECIAL

メーカーの儲かる仕組みづくりコンサルタント

株式会社 しくみカイゼン研究所

代表取締役 

メーカー企業の「儲かる仕組みづくり」の専門コンサルタント。日本の中小企業がやるべき、その会社ならではの「儲かるしくみづくり」について、プロの着眼点で指導。

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「ワカイさん、以前のコンサルタントが 『在庫はできるだけ上流で持つように』と言うので、扱っている製品をできる限り製品で在庫せずに材料や部品やで在庫しようとしたんだけど、なかなかうまくいかなくて・・・・」

ちょっと前に、相談に来られた社長の声です。

いったいどういうことなのでしょう?

製品に完成させて在庫を持つと、その製品の注文が来なければ出荷できません。

しかし、途中のサブアッセンブリされた状態で在庫を持てば、サブアッセンブリされたものを使う製品が複数あれば、製品で在庫を持つより全体としての在庫が少なく済みます。

さらに上流の材料や部品で在庫を持てば、その材料や部品を使う製品はさらに多くなるはずで、さらに全体として持つ在庫が少なくなります。

また、加工をして、組み立てした状態で持つことは、加工や組み立てに関わる人件費が発生してしまいます。

加工や組み立て前の状態で在庫を持って、お客様の注文に応じて在庫を使うことができれば、ムダなく材料や部品を使うことができます。

こういった理由で、相談に来られた社長の会社に来ていたコンサルタントは「在庫はできるだけ上流で持つように」と言ったのでしょう。

たしかに、教科書的にはその通り。

 コストを掛けてつくったものがすべて販売につながればなにも問題ないのですが、なかなかそうはいきません。

最終的に売れ残った在庫は値下げや廃棄となると投入した人件費をドブに捨ててしまうことになります。

そこで、できる限り、上流で在庫を持つことで工場全体の在庫は少なくなり、 人件費や材料、部品をムダなく、有効に活用できるのです。

 

しかし、その反面次のような悩みが出てきます。

上流で在庫を持つためには、ものづくりのリードタイムを短くしたが、お客さんの要求リードタイムを満足できるレベルまで短くできない。

お客さんの注文に応じてつくると、日によって注文が多い少ないのバラツキで工場の負荷が振られてしまって、工場の採算が悪くなる。

在庫を上流で持つのが本当にいいことなのか、相談に来た社長は不安になられていました。

教科書的にはたしかに、在庫はできるだけ上流で持った方がいいでしょう。

しかし、その工場のお客さんはどんなお客さんなのか、どんな注文が来るのか、どんな製品なのか、工場の作り方やものづくりの実力はどうなのか、などなど

置かれている状況によって、すべての製品の在庫を上流で持つべきなのか、一部だけ製品で持つべきか、場合によっては下流で持つべきか、は変わってきます。

現場経験の豊富なコンサルタントに当たればいいですが、現場経験の少ないコンサルタントが当たってしまうことも有り得ます。

そんな経験の少ないコンサルタントは、どこかの本で「在庫はできるだけ上流で持つように」と書かれていたいのを、そのまま言っていたりします。

 

現場経験が少なく、机上論を振り回すコンサルタントかどうか見極めることも必要ですが、もしそんなコンサルタントに当たってしまったら

自社に合った在庫の持ち方はどうあるべきか、コンサルタントに言われるがままにやるだけでなく、自ら考えることも大事です。

社長の会社は言われるがままに、カイゼンしてませんか?

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