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第6話 社員が、社長に敵対意識を持つ本当の理由

SPECIAL

プラチナ社員づくりコンサルタント

株式会社園田コンサルティング

代表取締役 

労使交渉1千回以上の実績から、社長と社員の夢を一体化する仕組みを体系化、「プラチナ社員づくり」コンサルティングを行う注目のコンサルタント。ブラック社員をつくらず、社長の夢に共感して一緒に働いてくれる社員を独自の対話方式で生み出す仕組みづくりは、人手を多く活用する企業から熱い支持が集まる。

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「ソノダさん、現場社員は所詮、バカなんですよ・・・」

ー顧問先の社長やマネジメントを担う立場の方々から、現場社員に対する不平不満として、幾度となく聞く言葉です。

ところで、その不平不満の原因は、本当に当該の現場社員にあるのでしょうか?

実は、不平不満を言葉にすることが、社長やマネジメント層の自作自演という実例も少なくないのです。

例えば、現場と摺り合わせを十分に行わず、元より実行困難な経営戦略を策定してしまう社長ほど、戦略が実行に移されなかった責任の所在を、現場社員に求め、”現場社員は非協力的、バカ”だと責めさいなむものです。

また、業務改善を声高に叫びながら、総花的に実行しようとするマネジメント層ほど、思うように成果が出ない原因を、現場社員に押し付けて、”現場社員は改善能力がない”と非難し糾弾するものです。

つまり、社長やマネジメント層は、自身のマネジメント能力の低さによって生じた、社内の批判を他にそらすために、身代り(スケープゴート)として現場社員を対象に選び、彼らを軽蔑したり侮辱したりするのです。

上記の例で言えば、”戦略策定時に現場と摺り合わせる能力”や、”ボトルネックを特定し、それを打開する打ち手を最優先させる能力”が低かったことが、期待した成果が得られなかった本当の原因です。にもかかわらず、浅はかな社長やマネジメント層は、現場社員に全責任を転嫁して、社内批判をかわそうとするのです。

こうしたスケーブゴート選びがまかり通る社内風土があることが、社長やマネジメント層の不平不満が自作自演であると断定する所以なのです。

社長やマネジメント層は、このままスケーブゴート選びを続けていると、取り返しのつかない重大な悪影響を、現場社員に与えることを、肝に銘じておく必要があります。

その重大な悪影響とは、”スケーブゴートとして侮辱され続けた現場社員は、無意識に、自分自身を誤った視点から見るようになるということ”です。具体的には、”自分は会社にとってつまらない存在である。””会社から歓迎されていない存在である。”と過小評価してしまうということです。

そして、自分自身を誤認している社員は、会社や他の社員の利益を損なってでも、小さくて弱い自分自身を守ることを欲するようになり、スケーブゴート選びを止めない社長やマネジメント層に対して、疎外感を抱き、最終的には敵対意識を持つようになるということです。

さらに、ブラック社員はこうした”スケーブゴート選びと現場社員の誤認”を悪用して、現場の不協和音をさらに助長し、マネジメントを自分の都合のいいように乗っ取って、業務の混乱を引き起こそうとするということです。

私は、社員は元来善良で、社長の夢に共感し、共にその実現に向けて協力していきたいと願っている、プラチナ社員の卵だと信じています。

その善良な社員に真正面から向き合わず、ましてや己のスケーブゴート選びに興じている社長やマネジメント層がいるとすれば、一刻も早く、その言動を慎み、自身のマネジメント能力を内省し、たゆまなく磨き続けなければならないのです。

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