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経営計画と運用で「未来に対する信頼」を構築する

SPECIAL

トラスタライズ=信頼を対価に変えるコンサルタント

トラスタライズ総研株式会社

代表取締役 

企業の「信頼を対価に変える」専門コンサルタント。独自の「トラスタライズ手法」を用いて、見えない信用や信頼を、目に見えるカタチに変え、対価へと変えることで多くの経営者から注目を集めている。企業経営において社会・顧客双方の価値の創出が求められる時代にあって、「信頼」を切り口に、顧客企業が売上・利益を向上させられる手法の研究・提言を行っている。


自社の企業価値や関係先からの評価を左右する「未来に対する信頼」を構築するためには、経営計画の策定・共有と、実効性の高い運用を行うことが有効です。

「経営計画というのは中身も重要だけど、誰が書いたか、誰のお墨付きを得たか、というのも大事で、今回先生にお手伝い頂けて良かった」

懇意にしている金融機関からのご紹介で、ある企業の経営計画の策定をご支援した際、社長からこのように仰って頂きました。素直にうれしく感じたのはもちろんですが、この言葉には、経営計画が単なる文書・情報ではなく、企業の未来を具体的に示すことで取引先や関係先からの信頼を得るためのツールである、という重要な示唆が込められているように感じました。

未来がどうなるかは誰にもわかりません。しかし、できる限りの確度をもって未来を具体化し、わかりやすく伝えることが、自社の信頼を築き、高めていくためには大切です。今回は、「未来に対する信頼」が企業にもたらす価値と、それを築くための取り組みについて考察します。


■「自社の未来への信頼」という視点

企業が取引先や金融機関と信頼関係を築く際、一般的には過去・現在の取引実績や対応力が評価されます。しかし、信頼を可視化して訴求する観点で大切なのはそれだけではありません。特に、長期的な取引や融資といったケースでは、「未来にわたっても価値提供が確実に行われるか」という視点も重要になります。

例えば、部品供給のような継続的な取引では、取引先は供給元の企業が将来的にも安定して事業を継続できるかを重視します。また、金融機関が融資を行う場合も、事業計画の妥当性や経営の持続可能性が評価基準に含まれます。

これらの取引では、企業の将来像をどれだけ明確に示し、それに向けた具体的な行動計画を提示できるかが信頼構築の鍵となります。将来の事業の継続・信頼性に対する確度を示すことができれば、案件を獲得するだけでなく、より良い条件を引き出す材料にもなりえます。

信頼は「価値提供の期待値」を高めるための要素であると当社では考えていますが、それは現在までに培った信頼だけでなく、「未来への信頼」によっても左右されるということです。企業が未来に対してどれだけ確実性を持ち、計画的に価値を創造し続けるかという見通しを示せるかどうかで、取引相手や金融機関などの関係先からの評価が変わるのです。


■事業計画が未来への信頼を底上げする理由

未来への信頼を築く上で、極めて重要な役割を果たすのが事業計画の策定です。事業計画とは、企業がどのように成長し、価値を提供し続けるかを具体的に示すものであり、その内容がわかりやすく実効的であるほど、企業の信頼性向上に寄与します。

たとえば、以下のような場面で事業計画が信頼構築に寄与します。
 

  1. 取引先への安心感の提供
    長期取引を行う際、事業計画を通じて供給体制や拡張計画を示すことで、取引先に対して「この企業なら安定して取引を継続できる」との安心感を提供します。
     
  2. 金融機関からの評価向上
    融資の審査では、事業計画が具体的で実現可能性が高いかが特に重視されるようになってきています。単に「資金繰りが厳しい」という会社と、「こういう計画・目的達成のためにこういう形で資金を使いたい」という会社では、後者の方に融資したくなるのは明らかでしょう。
     
  3. 社内外へのメッセージ伝達効果
    事業計画を策定し、その概要を公表することで、従業員や投資家、取引先などのステークホルダーに対し、企業の方向性や将来性を共有することができます。内容への共感や計画性の高さを伝達できれば、企業の一貫性や誠実さと期待値の高さの両方を訴求でき、信頼強化につながります。


 事業計画は、自社の将来像や進みたいと考える方向性を外部に伝える上で有効なツールです。この観点では、形式的に整っているということよりも、期待感・納得感を抱かせることが大切です。この意味では、専門家による監修なども信頼性を高める効果を持ちえるでしょう。


■効率的な計画運用とPDCAの重要性

事業計画を信頼構築に活用する上での注意点は、計画の作成が目的化してしまうことです。計画作りに膨大な時間やリソースを割く一方で、実行が後回しになるようでは本末転倒です。

そのためには、効率的かつ実行可能な形で計画を運用し、定期的な振り返りと改善を行うこと(PDCAの実践)が重要です。計画を導入する段階で、予め効率的な運用の仕方についても検討しておく必要があります。

例えば、以下のようなステップで計画を運用することで、効率性と信頼性を両立することができます。
 

  1. 優先順位を明確にする
    計画作成時に全てを網羅しようとするのではなく、企業の成長にとって最も重要な領域に焦点を当てます。売上や利益に影響する重要な指標(例:客数など)を絞り込んでモニタリングすることも、シンプルな運用を目指すうえでは有効です。これにより、計画の実行性が向上します。
  2. 進捗を可視化する
    経営計画を策定している企業の多くが、定期的な振り返りができていないという実態もあります。毎月、あるいは3ヵ月に1度ぐらいの頻度で、進捗を数値化し、目標達成状況を確認します。これにより、計画がどれだけ実行されているかを客観的に示すことができますし、計画と実績の違いに着目することもできます。
  3. 定期的に見直す
    経営環境の変化に応じて、事業計画を柔軟に見直し、必要に応じて修正を行います。これにより、計画が常に現実に即した内容となり、置かれた環境下で最大限の成果を出すことも可能になります。


 大切なのは、計画の精度や情報量にこだわり過ぎることなく、まずは計画と振り返りの運用を開始すること
です。計画を立てた中で、何ができて何ができなかったのか。あるいはその差を埋めるにはどうすればよいのか。こうしたことを定期的に振り返ることで、目に見える形で着実に改善を重ねることができます。また、そのような体質を持った企業であることが、信頼性を高める要素にもなるでしょう。

企業の信頼構築において、現在の信頼を維持することに加え、未来への信頼を築くことも有効な手段になりえます。未来を具体的に描き、その実現可能性を高める取り組みを行うことを示すことは、長期的な取引や融資を前提とするケースでは特に重要です。

さらに、そのような未来像を事業計画の形で明確化し、PDCAを回しながら着実に進捗を示すことで、社内外からの信頼はより強固なものになります。

日々の振り返りを通じて、不安要素を目に見えるアクションアイテムとして具体化し、会社をよりよくするステップを踏んでいくことで、名実ともに信頼できる会社へと進化することにつながるのです。

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