「空気で職場を変える」──透明資産を育む人の5つのチカラとは?

こんにちは。企業の「空気」をおカネに変える専門家、透明資産コンサルタントの勝田耕司です。
多くの経営者が、「なんとなくうまくいっていない」「売上は悪くないが、将来が不安」と感じるとき──その正体は、目に見えない「空気感」にあるかもしれません。私は、この“空気”こそが経営に深く作用する「透明資産」であり、意図して育むことができる組織の根幹資産だと提唱しています。
では、その空気感をつくり、透明資産を育てていく存在とは誰か。答えは明確です。
それは、職場に「良い空気」をもたらす“人”の存在です。
本稿では、そんな透明資産を担う人材が持つ「5つのちから」を紹介し、組織をどう変えていくのかを紐解きます。
1.「笑顔のちから」──場の空気をやわらげる
良い空気感は、いつも笑顔で接する人から始まります。
笑顔は非言語の“空気デザインツール”とも言える存在で、ミラーニューロンの働きによって周囲に波及します。朝、出社して交わす一瞬の笑顔や、業務後の「ありがとう」に込められた表情が、場の温度を一瞬で変えるのです。
こうした小さな行動は、やがて職場全体に「安心感」という空気の基盤をもたらし、従業員のモチベーションや信頼を育てることにつながります。笑顔は、職場の空気の“起点”なのです。
2.「共感のちから」──心に寄り添い、信頼を醸成する
空気を育てる人は、共感力に優れています。
「共感」とは、単なる優しさや同情ではありません。相手の気持ちを自分ごととして受け止め、理解しようとする“姿勢”です。
たとえば、部下がミスをしたとき。「大変だったね」と一言添える上司がいるだけで、職場の信頼の質はまったく変わります。また、困っていそうな同僚に「何か手伝えることある?」と自然に声をかけられる人は、安心のネットワークをつくる“共感の媒介者”です。
こうした小さな共感の積み重ねが、「ここは信頼できる場所だ」という空気をつくり、社員の自律性と創造性を高めていきます。
3.「言葉のちから」──挨拶・感謝が空気をつなぐ
「おはよう」「ありがとう」──たった一言の声かけが、職場の空気を変える。
当たり前のようで見落とされがちなこの“言葉のちから”は、透明資産を育むうえで極めて重要です。
デジタル時代の今、チャットや社内SNSでのちょっとした一言が、心理的な距離を縮めるきっかけになります。特に、リモートワークや部署横断の業務が増える中では、「見えない存在を見えるようにする言葉」が大きな価値を持つようになりました。
挨拶や感謝は、関係性を潤滑にするだけでなく、チーム内の情報伝達や問題発見の早期化にも寄与します。言葉を交わす文化は、信頼の循環を生み出す“空気の血流”です。
4.「俯瞰のちから」──周囲に気づき、支える
空気を読める人は、空気を“創れる”人でもあります。
チーム全体を見渡す視点を持ち、誰かが発言しにくそうなら促し、誰かの業務が偏っていたら支援を申し出る──そんな配慮を自然にできる人は、まさに職場の温度調整役です。
このような人がリーダーに立てば、その配慮が“文化”として広がります。
周囲への気づきと行動は、職場の連携を高め、問題の早期発見・解決につながり、結果として生産性・業績向上へと直結します。
5.「前向きな言葉のちから」──活力の連鎖をつくる
「大丈夫、きっとうまくいく」「次に活かせばいい」
こうしたポジティブな言葉は、透明資産を加速させる“空気の触媒”です。
ネガティブな発言は空気を淀ませますが、前向きな言葉は、挑戦を後押しし、職場に勇気と希望を運びます。
「この方法はダメだ」ではなく、「別の視点から考えるとどうだろう?」という表現ができる人は、相手の成長も支援する存在です。
そして、その前向きな空気感に惹かれて、また新しい良い人材が集まり、空気感の正循環が生まれます。
まとめ──空気を変える人を“戦略的に育てる”
これらの「5つのちから」は、偶発的に生まれるものではありません。
企業が意図的に育て、仕組みとして運用することが、透明資産経営の肝になります。複合的な施策を通じて、“良い空気をつくれる人”が育ち、活躍し、さらにその空気感が人を呼び、定着させ、業績に変わる。まさに空気が資産になる透明資産経営の本質です。
あなたの職場には、どんな“空気を変える人”がいますか?そして、これからどんな人を育てていきたいですか?
空気は見えない。でも、空気は創れる。それが、これからの経営に不可欠な透明資産なのです。
― 勝田耕司
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