透明資産経営|“変化の初動”を見抜ける社長だけが、次の成長曲線に乗れる理由とは?

こんにちは!企業の空気をおカネに変える専門家、透明資産コンサルタントの勝田耕司です。
透明資産とは、業績に影響する空気感を意図的に設計し、運用する仕組みのことです。透明資産を取り入れた透明資産経営は、制度や号令よりも先に、人の動きを変え、判断の連鎖を生み、利益の出方そのものを変えていきます。
会社の空気が変わった瞬間、最初に動き出す人は誰でしょうか。多くの社長は、こう答えます。「エース社員」「優秀なリーダー」「幹部クラス」。しかし、現場を丹念に見ていくと、答えはまったく違います。空気が変わった瞬間、最初に動き出すのは“評価されていなかった人”なのです。これは意外かもしれません。しかし、極めて再現性の高い現象です。
組織の空気が硬直しているとき、動けなくなっているのは無能な人ではありません。むしろ、よく考え、空気を読み、摩擦を避けてきた人ほど、動けなくなっています。正解を外さないように、目立たないように、判断を上に預ける。そうすることで、その空気の中で生き延びてきたのです。一方で、空気が変わった瞬間に動き出す人たちは、これまで「扱いづらい」「空気を読まない」「話が飛ぶ」と思われていた人たちです。彼らは、能力が急に上がったわけではありません。ただ、ようやく“動いていい空気”になっただけなのです。
空気が変わる前、彼らは抑え込まれていました。
意見を出すと浮く。
行動すると煙たがられる。
違和感を口にすると、場が冷える。
だから、黙っていた。あるいは、力を抜いていた。これは反抗でも怠慢でもありません。空気に対する極めて合理的な適応です。ところが、社長がある決断をした瞬間、空気がわずかに変わります。
失敗への扱いが変わる。
判断の基準が明確になる。
「やってみていい」というメッセージが、言葉ではなく態度で示される。この変化は、会議の議事録には残りません。しかし、敏感な人ほど、真っ先に感じ取ります。そして、動き出します。このとき重要なのは、動き出す人が「目立たない」ことです。
大きな声で改革を叫ばない。
派手な提案もしない。
ただ、静かに動き始める。
小さな改善を勝手に始める。
顧客への対応を少し変える。
判断を一段、前に進める。
社長が気づいたときには、もう何かが変わっている。これが、空気が変わったときの本当の兆候です。多くの社長は、ここでミスをします。「ようやくやる気を出した」と解釈してしまうのです。しかし、違います。単にやる気が出たのではない。やっていい空気になっただけなのです。ここを見誤ると、次の一手を間違えます。
成果を出した人だけを持ち上げる。
動き出した理由を聞かない。
他の人にも「見習え」と言ってしまう。
こうすると、空気は一気に元に戻ります。なぜなら、再び「評価の目」が強まり、動きが萎縮するからです。空気が変わった瞬間に動き出す人は、ヒーローになりたいわけではありません。安全に、自然に、自分の判断を使いたいだけです。そこにスポットライトを当てすぎると、また空気は歪みます。経営的に見ると、ここは非常に重要な分岐点です。なぜなら、この“最初に動き出す人”こそが、次の利益の芽を持っている人だからです。
彼らは市場の違和感を早く掴みます。
顧客の変化に気づくのが早い。
組織の無駄にも敏感です。
しかし、空気が悪いときには、その感度を封印しています。だから、社長からは「何もしていない人」に見えます。ところが、空気が変わると、その感度が一気に表に出てきます。空気で回る組織では、この初動を極めて大切に扱います。
なぜ動いたのかを問い、
どこが判断の根拠だったのかを聞き、
その思考を言語化して、空気として広げていきます。
すると、次に動き出す人が増えます。
二人目、三人目が現れ、
やがて動くことが“普通”になります。
一方、空気で潰してしまう組織では、最初に動いた人が孤立します。
「あいつは勝手だ」
「調子に乗っている」
「社長に気に入られているだけ」
こうした囁きが出始めたら、危険信号です。空気は、まだ変わりきっていません。社長にとって最も重要なのは、「誰が一番優秀か」ではありません。誰が最初に動いたかです。
この問いを持てる社長は、変化の初動を掴めます。
持てない社長は、変化が数字になるまで待ち続けます。
そして、その頃には競合が一歩先に行っています。
空気が変わった瞬間に動き出す人は、会社を救おうとしているわけでも、改革を起こそうとしているわけでもありません。ただ、自分の感覚を使って、仕事をしたいだけです。その人たちが動ける会社は、強いんです。なぜなら、変化に対する感度が、組織全体に分散しているからです。もし今、社内で「最近、あの人よく動いているな」と感じる人がいるなら、その行動を止めさせないでください。評価もしすぎないでください。ただ、よく観察してください。このように空気が変わった証拠は、必ず人の動きとして最初に現れます。
数字よりも早く。
会議よりも静かに。
しかし、確実に。
この初動を掴めるかどうか。
それが、次の成長を取れる社長かどうかの分かれ目です。
ー勝田耕司
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